トップページ > 記事閲覧 
「浄土曼陀羅/平泉毛越寺法楽会浄土庭園コンサート」 姫神
投稿日 : 2006/12/08 15:03
投稿者 久保田r
参照先
1995年10月20日 ポニーキャニオン

(1)風の祈り
(2)大地炎ゆ
(3)慈覚大師 讃仰の御和讃
(4)唱礼(声明)
(5)琥珀伝説
(6)花鳥巡礼
(7)唐拍子(毛越寺越年)
(8)明けの方から
(9)求法心経(般若心経)
(10)浄土曼陀羅
記事編集 編集
Re: 「浄土曼陀羅/平泉毛越寺法楽会浄土庭園コンサート」 姫神
投稿日 : 2006/12/08 15:03
投稿者 久保田r
参照先
 1995年7月29日平泉毛越寺法楽会で行われたライブの模様を収めたアルバムであり、姫神初のライブアルバム。平泉毛越寺と言えば、特別史跡・特別名勝として有名な所であるが、ここの浄土庭園は、その名のごとく仏の世界、浄土を地上に表現したと言われる由緒ある庭園。その庭園で行われたライブ演奏が収録されている。

 姫神と言えばシンセサイザーを主体としたユニットなので、ライブについては過剰の期待はしていなかった。通常のアルバムとさほど変わりはないのではないだろうかという浅はかな思い込みがあったのだが、聞いてみたら愕然と通常のアルバムと「音」と「空気」が違っており、極端な話、打ちのめされた。これほど趣向の凝らされたライブだったとは思いもよらなかった。生で見なかったことが悔やまれたほど。

 先ず、一番最初の人々のざわめきが通常のコンサート会場で聞かれるざわめきとは違う。笑い、会話、ヒグラシの鳴き声…明らかに夏の外の空気が伝わる音の中へ突然「ド〜ン…」と重みのあるシンセサイザーの最初の音が響き、聴衆の関心を一気に惹き付ける。それから瞬く間に姫神の奏でる土着的な広がりのある音に誘われ、余情の世界へと浮遊する。これはもう姫神の音楽の吸引力はさることながら、毛越寺の浄土庭園という場所的な目に見えぬ力も作用していて、目と耳と精神で感じる素晴らしい演奏となっている。

 毛越寺という特別な場所で行われた特徴として、僧侶らの「声」が入っていること。(4)「唱礼(声明)」は、12分56秒にも及ぶ深く低く響く「声」が「音」のごとく耳に入り、気持ちを落ち着かせる。そして、(9)「求法心経(般若心経)」は、僧侶らの読経が姫神の「音」と完全に解け合って見事な音楽と化している。この大胆なコンピレーションは、このライブの最大の特徴であり、この場所で行われたことの最大の理由。この「声」を聞くことがこのライブを聞くことの大きな意味となる。

 最後の(10)「浄土曼陀羅」で、精神は完全に「宙」へ解き放たれる。始めから縛りのない解放に満ちた音楽だが、この「浄土曼陀羅」の響きの開放度は清々しいほど。聞き終えた時にほっと息の付ける素晴らしい演奏となっている。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -