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「THE BEST」 小澤征爾
投稿日 : 2006/09/11 13:50
投稿者 久保田r
参照先
2002年3月27日 ユニバーサルクラシック

(1)R.シュトラウス : 交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》から 冒頭部分(ボストン交響楽団)
(2)ドヴォルザーク : 交響曲第9番《新世界より》から 第2楽章(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)
(3)チャイコフスキー : 組曲《くるみ割り人形》から 花のワルツ(パリ管弦楽団)
(4)ホルスト : 組曲《惑星》から 木星(ボストン交響楽団)
(5)ワーグナー : 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》から 第1幕への前奏曲(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
(6)リムスキー=コルサコフ : 交響組曲《シェエラザード》から 若い王子と王女(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)
(7)ビゼー : 歌劇《カルメン》から 序曲(フランス国立管弦楽団)
(8)モーツァルト : 《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》から 第1楽章( サイトウキネン・オーケストラ)
(9)ベートーヴェン : 交響曲第5番《運命》から 第1楽章( サイトウキネン・オーケストラ)
(10)マーラー : 交響曲第2番《復活》 第5楽章から 「よみがえるだろう、わがちりよ」( サイトウキネン・オーケストラ)
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Re: 「THE BEST」 小澤征爾
投稿日 : 2006/09/11 13:51
投稿者 久保田r
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 「世界のオザワ」といえば超が付くほどの有名な人で、日本で音楽に関心のある人で知らない人はいないだろうというほど日本が世界に誇る音楽家。2002年1月に行われたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートで日本人指揮者として初めて指揮台に上がったことと、同年にウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任したことは記憶にも新しい。

 そんな超が付くほどの有名な指揮者の音楽をこれまできちんと聞いたことがなかった。クラシック音楽なのでどこかで耳にしていることもあったかも知れないが、あらかじめ「この人が指揮するこの楽団の演奏ですよ」という情報を得ておかないとどの楽団の演奏なのか微塵の見当がつかないド素人の私には、「世界のオザワ」が指揮する音楽は聞いたことがないのと同然であった。そこでそんな自分には、「THE BEST」という有名な曲ばかりが入っているこのアルバムだと「世界のオザワ」の音楽に入り込みやすいのではないかと思い聞いてみた。

 そして、初めて聞いた後の感想は「驚き」だった。何と言うか、こんなに澄んでいる音だとは思ってもみなかったという”音の透明感”に爽やかな感動を覚えた。日本的な清潔さの澄んでいる音が繊細に優しく張りを持って奏でられている。作曲者はもちろんのこと、演奏している楽団もほとんどが日本以外の楽団による演奏なのだが、音の表現に日本的な感性が入っているように感じられた。日本人の持つ音の感覚が溶け込んでいる。そんな音楽であった。

 それをはっきりと分かったのは(9)「ベートーヴェン : 交響曲第5番《運命》から 第1楽章」。この曲は、「ジャジャジャジャーン」から始まる冒頭部が有名だが、よりドラマチックな盛り上がりで奏でられているのを聞いて、これは日本人が好む音だと感じた。手元にあるカラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「運命」は、もう少しあっさりと流れている演奏で、これを聞いた時には意外だなと思ったものだった。この「運命」のみに限らず、このアルバムに収められているどの曲の演奏も音の剛と柔がはっきりと奏でられている。(1)「R.シュトラウス : 交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》から 冒頭部分」は、終わりの余韻を引く伸びが素晴らしいし、(2)「ドヴォルザーク : 交響曲第9番《新世界より》から 第2楽章)」は、優しい音色で郷愁を感じる演奏となっている。そして、(4)「ホルスト : 組曲《惑星》から 木星」は、絶妙な強さ加減の音の広がりを感じることが出来る。

 ここに収められているのは、有名な曲の一部でしかないので、このアルバムを聞いても小澤征爾の音楽のほんの一部しか聞いていないことになる。このアルバムに小澤征爾の音楽の全てが凝縮されていると早合点をするつもりはないが、このアルバムを聞いて全ての曲のフル演奏を聞いてみたいと願ったのは確か。これが「世界のオザワ」かと手っ取り早く感じることが出来るという存在意義と、もっと深く小澤征爾の音楽を知りたいと感じる両方の存在意義が成立しているアルバムだと思う。小澤征爾のどのアルバムを聞いて良いか分からないというような時には、このアルバムをおすすめする。
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