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「千里眼のマジシャン」 松岡圭祐
投稿日 : 2003/04/05 19:26
投稿者 Excalibur
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かなりハイペースで執筆・出版されている『千里眼』シリーズの新作で、今回舞台となるのはお台場に作られた公営のカジノ・テーマパーク<ジパング=エンパイア>。これまたタイムリーな話題であります。政府高官や警察官僚を多数招いての仮オープンの日、会場は武装したゲリラ部隊に突如占拠されてしまう。武装集団の狙いはカジノ用に用意された400億もの現金で、逃走用に自衛隊の新鋭原潜も要求してくるのだけれども、トップが不在の警視庁は指揮系統が完全に麻痺。政府も閣僚が人質に取られている状況のなかで、保身を計るなど利己主義にとらわれて右往左往という有様。出てくる国土交通大臣や外務大臣、財務大臣らの名前がソレっぽかったり、人質になってしまった大臣が都知事の息子(!)というのも読んでいてニヤリもの。モチロンお台場カジノ構想はお父さんの発案で、この息子が推進役という設定になってます。ゲリラ部隊の真の目的や黒幕も今日的なネタといえるだろう。
『千里眼』シリーズの新作とはいっても、おなじみの岬美由紀や嵯峨敏也、蒲生誠らの活躍は控えめ。実質後半部分に集約されているので、ファンにはちょっと物足りない? 美由紀さんはある理由(ネタバレになっちゃうから)から目立たない行動をとっているけど、その分より超人的な活躍ぶりと言えなくもない。一方の嵯峨くんなんかお笑い担当かと思えるくらいの出番で心配されたけれども、終盤ではキメてくれる。そんな彼らに代わって物語を引っ張るのは舛城徹であります。知ってますか、舛城さん?
松岡圭祐の前作『マジシャン』の主人公です。ヒロインだった天才的少女マジシャン・里見沙希も元気に再登場というわけで、実はこの作品、『マジシャン』の続編でもあるのです。『千里眼』シリーズと『マジシャン』とのドッキング!いやぁ一粒で2度おいしい、というヤツですね。なので『千里眼』シリーズしか知らない人にはちょっと馴染み薄の展開かもしれないけれども、『マジシャン』も読んでいればさらに興味深い内容のはず。勿論最後はシリーズお約束の大活劇ですので、ご安心を。
さてさて、次なる舞台はどこでしょう?また他の作品とのドッキングもあるのか〜?
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