１６歳のウラジーミルは、別荘で年上の公爵令嬢ジナイーダと出会い、初めての恋に落ちる。時には優しく、時には冷淡な顔を見せる彼女に翻弄されるウラジーミル。だがある時、ジナイーダが恋をしていることを直感的に悟ってしまうウラジーミル。はたして彼女が情熱を傾けているその相手とは・・・？
小学生か中学生の頃だったか、たまたま聴いていたラジオの名作文学の朗読番組でこの物語を知った。その頃の自分には、ジナイーダの想い人の正体に納得がいかなかったのだが、それでも結末を含めた展開には衝撃を受けた。その後も何故かジナイーダという名前が頭の中にこびりついて離れなかったものである。この作品そのものが、ある意味自分にとっての「はつ恋」だったのかも知れない。

編集