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「二人のガスコン」 佐藤賢一
投稿日 : 2004/08/14 20:32
投稿者 Excalibur
参照先
ガスコンとは、フランス南西部・ピレネー山麓一帯のガスコーニュ地方出身者のこと。ここで云われるガスコンとは、一人はアレクサンドル・デュマの『三銃士』をはじめとする<ダルタニャン物語>の主人公であるシャルル・ダルタニャン。いま一人はエドモン・ロスタンの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』の主人公として名を残すシラノ・ドゥ・ベルジュラック。この二人の英雄が手を組んでの大冒険、ということでずーっと読みたいと思っていたのだが、最近ようやく文庫化されたのを機に読破。想像していたものよりは随分暗くて重たい話であり、伏線の張り方やら謎解きやらが些か饒舌過ぎる点もなくはないが、文庫本3冊というボリュームにもかかわらず一気に読み終えた。
物語はマザラン宰相により、かつての銃士隊長の娘の監視の密命を受けたダルタニャンとシラノが、やがて鉄仮面の存在や、フランスを揺るがしかねない国王ルイ十四世出生の秘密を巡る騒動に巻き込まれるというもの。時期としては『三銃士』と『二十年後』の間になる。
といっても、これは単純に古典のあやかり作品というわけではない。実はダルタニャンもシラノも同時代に実在した人物。二人のキャラクター造型にあたってはかなり史実よりに設定されているので、同じ雰囲気を楽しみたい人には若干の違和感があるかもしれないが、こちらも魅力的なので楽しめる。
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