「客船ブラック・シー応答なし」 リチャード・セットロウ
投稿日 | : 2000/11/21 21:24 |
投稿者 | : Excalibur |
参照先 | : |
アメリカの要人を乗せたソビエト船籍の豪華客船ブラック・シーが、シンガポール出港直後にイスラム王国建設を目指すテロリストによってジャックされた!
というストーリーは冒険サスペンス物としてワクワクさせるが、実際はかなり重たい内容。展開も遅めだし、残酷描写もあるのであまりお勧めできる代物じゃあない。
じゃ、何がこの作品の売りかというと、これがアメリカのネーヴァル・インスティテュート・プレスから出版された、ということに尽きる。ここはアナポリスの海軍兵学校の付属で、海軍関係のレベルの高い実録物や専門書の出版社なのだ。つまり、その内容の正確さがアメリカ海軍のお墨付きというわけ。
ここが過去に出したフィクション物は、トム・クランシーの『レッド・オクトーバーを追え』とスティーブン・クーンツの『デビル500応答せず』の二作だけ。両方とも映画化されているが、残念ながら本作の映画化の話は聞えてこない。