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「囮弁護士」 スコット・トゥロー
投稿日 : 2000/11/22 23:54
投稿者 Excalibur
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スコット・トゥロー五作目の小説で、舞台は他のトゥロー作品でもお馴染みのキンドル郡。裁判所に蔓延る贈収賄を一掃するために、連邦検察官スタン・セネットは弁護士ロビー・フェヴァーを囮として大物の黒幕へ接近させようとする。物語はロビーに依頼された弁護士のジョージ・メイソンが語り手となって進行する。FBIは女性捜査官イーヴォン・ミラーを監視役として送りこみ、また訴訟相手として偽の法律事務所まで準備し、囮作戦は開始されたのだが・・・・。
セネットは第二作『立証責任』にも登場しているが、メイソンの古くからのライバルという設定。また終盤では第一作『推定無罪』を経て『立証責任』では主役となったサンディ・スターン弁護士が、これまたメイソンの親友として第四作『われらが父たちの掟』に続いて重要な役どころで登場。連邦検事補ソニア・クロンスキー(『立証責任』に登場し、『われらが父たちの掟』では主役)も絡んでくるなどキャラクター集結の楽しみもあるが、これらは彩りに過ぎず、本筋は贈収賄及び囮捜査に関わってくる様々な人々を描くのが主眼である。一人一人が深く掘り下げられ、錯綜した人間模様が繰り広げられる様は圧巻。単なるリーガル・サスペンスには終わっていない。
なお、本作はダスティン・ホフマンが映画化権を取得。実現すれば『推定無罪』に続いて二本目の映画となる(『立証責任』はTVドラマ化されているが)。
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