高級官僚や元・組員等が殺される事件が発生。一見何の繋がりもなさそうに見える連続殺人事件ではあったが、やがてこれらバラバラの殺人者を結ぶ糸が明かになってくる。
全ての発端は、１６年前に起きた或る犯罪にあり、それには被害者各人が抱えていた問題が密接に絡み合う。はたして＜マークス＞と名乗る殺人者の目的はどこに・・・・？
リアルな警察描写が話題になった骨太なミステリーであるが、捜査の過程が緻密に描かれているだけでなく、警察内部での縄張り争いの様も描かれているのが新鮮であった。
精神に＜明るい山＞と＜暗い山＞を抱え、それが三年周期で交替するという殺人者＜マークス＞は所謂サイコキラーで、その精神分裂症というか多重人格的なキャラクター描写も興味深い。
映画化もされ、主人公である合田雄一郎刑事は、後にシリーズ・キャラクターに昇格。

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