「邪馬台国はどこですか?」 鯨統一郎
投稿日 | : 2000/12/10 17:46 |
投稿者 | : Excalibur |
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バーテンダーの松永が任されているカウンター席だけの小さなお店の常連、大学教授の三谷敦彦、その助手・早乙女静香、そして在野の研究家らしい宮田六郎が繰り広げる歴史談義。というよりも、毎回の宮田の爆弾発言を契機に始まる歴史検証バトル、という方が正解か。創元推理短編賞の選考委員を多いに悩ませた(結果、受賞には至らなかったが)表題作をはじめとする連作短編歴史ミステリーの快作である。
表題作では、邪馬台国はどこにあったのか、という長年の論争に決着を付け(?)、ブッダの悟り、本能寺の変の真相(?)、明治維新の真の(?)首謀者、イエス・キリスト復活のからくり、そして聖徳太子の正体(?)等々について見事な理論で断言する語り口は快感。歴史学者や研究家、マニアは激怒するかもしれないが、これがなかなか読ませるのだ。案外、真実はこうなのかも・・・・?
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収録作品
「悟りを開いたのはいつですか?」
「邪馬台国はどこですか?」
「聖徳太子はだれですか?」
「謀反の動機はなんですか?」
「維新が起きたのはなぜですか?」
「奇蹟はどのようになされたのですか?」