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「さいはての島へ」<ゲド戦記III> ル=グウィン
投稿日 : 2006/04/02 18:13
投稿者 Excalibur
参照先
昨年の暮から少しずつ読み直しをしてきたアーシュラ・K・ル=グウィンの<ゲド戦記>。ちょっと間が空きましたけれど、ようやく第三部まできました。
といっても、僕が以前読んだことがあるのはこの三部まで。その頃は三部作だったのです。
今では本編五部、プラス外伝の計六冊になっています。これからは読み直しではなく、初挑戦となります。

さて、来夏に公開される問題の(苦笑)スタジオジブリ製作のアニメーション映画ですが、発表によればそれはこの第三部を中心に描かれるとのこと。
前二作では少年、あるいは青年だったゲドも、ここでは大賢人と呼ばれる老人と化しております。思わせぶりな態度をとりながら、ろくな活躍もしないこともあって、個人的には三部作中では一番面白みを感じないのですが、その素材を前に、これがデビュー作となる宮崎吾朗監督がどう作り上げていくのか、お手並み拝見というところでしょうか。
ジブリでアニメ化するのであれば、第二部の『こわれた腕環』が最適ではないかと思うのですが、かえって思い入れの度合いの低い第三部のアニメ化ということで、映画に対する点数はかなり甘くなるかもしれません(笑)。

それにしてもこのシリーズ、タイトルに”戦記”という言葉が付けられていることによって、多少なりとも損をしているような気がしてならないのですが。
読んだ方はお分かりのように、このシリーズはゲドという魔法使いの冒険物語と言って良いと思いますが、戦争物の要素は皆無です。アクション・シーンと呼べるようなものも殆どありませんし、物語の主体は肉体面ではなく、精神面に置かれています。RPGのような戦いの場面を期待して読んだ人には肩透かしでしょうし、逆にそれゆえに敬遠している人にはまことに勿体無い話です。
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