「レイジング・アトランティス」 トマス・グレニーアス
投稿日 | : 2006/04/02 18:21 |
投稿者 | : Excalibur |
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グラハム・ハンコックの『神々の指紋』などでも御馴染みの、”アトランティス=南極大陸”説に基づく冒険モノ。
軍人である養父の要請で南極へ連れて来られた異端の考古学者と、ローマ法王の依頼で派遣されてきた元修道女の言語学者らは、氷の下から発見されたピラミッドの内部で驚くべき体験をする。
一方その発見を巡ってはアメリカやロシア、それにバチカンの思惑等々が様々に絡み合い、更にエジプトまでもが・・・。
超古代文明に対する謎解きの興味でグイグイ引っ張っては行くが、一癖も二癖もある連中が多数登場し、しかも誰一人として感情移入出来るキャラクターがいないので、読んでいてひどく疎外感を味わった。
リアリズムを貫くでなく、さりとてハッタリをかますでもない展開は消化不良の物足りなさだ。
クライブ・カッスラー、ネルソン・デミル絶賛――という帯の惹句に少々騙された感じ。
ただ、映像化の企画もあるようで、きちんと金かけて作ってくれれば面白くなりそうでもある。