トップページ > 記事閲覧 
「仮面舞踏会/伊集院大介の帰還」 栗本薫
投稿日 : 2000/12/15 03:40
投稿者 久保田r
参照先
1995年4月12日 (株)講談社発行

<あらすじ>
1月20日土曜日白昼、渋谷ハチ公前で若い女性が殺される。
その日は、待ちに待った、”チャットルーム3”で知り合った者たちの楽しいオフ会になる筈であった。
殺された女性は、”チャットルーム3”のアイドル、HN「姫」。
だが「姫」は生きていた。では、殺されたのは?
「姫」の本名は姫野祐。男性。ネカマである。HNを「姫」としたことから女性と受け止められ、チヤホヤされ、女性として”チャットルーム3”に君臨するうちに、”チャットルーム3”では「姫」争奪戦が始まる。どうしても「姫」に会いたい、という強いオフ会要望に、「一度だけオフ会に出ます」と、返答した「姫」の取った行動が・・・。
「姫」こと姫野祐の親友、滝沢稔が事件の謎説きに挑む。そして、にわかネット探偵・稔の身辺に危機が迫った時、静かに名探偵が現れた。探偵の名は、伊集院大介。彼の登場により、事件は一気に解決へと向かう。
記事編集 編集
ネットに潜む危険
投稿日 : 2000/12/15 03:42
投稿者 久保田r
参照先
この本を手にした時、私はパソコンを持っていませんでしたので、舞台のリアルさが今一つ実感出来なかったのですが、パソコンを購入し、チャットを経験した後でもう一度この本を読み直してみて、ぞっとしました。何故なら、ネット界の恐怖をまざまざと感じられたからです。
繰り広げられる舞台は、ネット上です。主役の稔は、事件を引き起こした姫野と探偵の伊集院大介とは直接顔を合わせますが、他に登場する”チャットルーム3”の住人たちとは一切顔を合わせません。稔は、自分の部屋から一歩も外へ出ることなく、パソコンの前に座り、ネットを駆使することで事件解明へと奮闘するのです。最後に事件の真相を見破った伊集院大介の語りも、チャットルームで繰り広げられます。事件に関係した人間達を一つのチャットルームに集めさせ、そこで真相を語るのです。
ページ数470ページという厚さですが、中に書かれてあるもののほとんどがチャットでの会話形式ですので、思ったよりもスラスラと読めました。ですが、これもチャットというものが分かっているから。チャットも知らないで読んだ当時は、チャットというものがあってこういう会話をするところらしい、と、想像するところから始めなければなりませんでしたので、少々大変でした。
匿名性の高いネットが原因で引き起こされた事件。もしかすると、小説の中だけのこと、ではないのかも知れない、と、思った1冊でした。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -