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「きまぐれロボット」 星新一
投稿日 : 2008/06/27 16:05
投稿者 久保田r
参照先
<収録作品>
新発明のマクラ/試作品/薬のききめ/悪魔/災難/九官鳥作戦/きまぐれロボット/博士とロボット/便利な草花/夜の事件/地球のみなさん/ラッパの音/おみやげ/夢のお告げ/失敗/目薬/リオン/ボウシ/金色の海草/盗んだ書類/薬と夢/なぞのロボット/へんな薬/サーカスの秘密/鳥の歌/火の用心/スピード時代/キツツキ計画/ユキコちゃんのしかえし/ふしぎな放送/ネコ/花とひみつ/とりひき/へんな怪獣/鏡のなかの犬/あーん。あーん(全36話)

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Re: 「きまぐれロボット」 星新一
投稿日 : 2008/06/27 16:07
投稿者 久保田r
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 ショートショート作家として有名な星新一氏が、児童向けを意識して書いた作品集。そのためかロボットや動物や実験や薬など子供が好みそうな題材が多い。とはいえ、星新一氏らしさは保たれており、児童向けとはいえブラックユーモアなオチは健在。大人も子供も楽しめる作品集。

 表題作の「きまぐれロボット」は、博士が作った最も優秀なロボットをお金持ちのエヌ氏が買い、離れ島にある別荘へ連れて行くというもの。ロボットは当初はよく働いていたが、そのうちに様子が変わり始め突然動かなくなったり、逃げ出したり、暴れだしたり、エヌ氏を追いかけたり、とにかく毎日のようになにかしら事件を起こす。別荘から戻ったエヌ氏は、博士に向かって文句を言ったが、博士は「それでいいのです」と落ち着いた返答をする──。

 博士曰く「故障もしない完璧なロボットでは人間の頭がすっかりぼけてしまう」と、まるで近未来を予言しているかのような台詞でストーリーが締め括られている。この他にも、睡眠学習のマクラや、氷の下の湖から金貨を取り出す悪魔や、カゼひきになる薬や、日記を書くロボットや、悪い人を見分ける目薬など、思いもよらない結果で締め括られているSF作品がズラリ。この作品集は、今から35年以上も前に初版されているのだが、当時はまだ携帯電話の「け」の字もない時代に星新一氏の柔軟で読みの深い発想が、ショートショートという形によって一冊の薄い文庫本に見事に詰め込まれている。

 尚、「きまぐれロボット」は、2007年に辻川一郎監督によりモノクローム映像化されている。
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