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「シャーロック・ホームズの冒険」 コナン・ドイル
投稿日 : 2008/03/08 16:47
投稿者 久保田r
参照先
<収録>
ボヘミアの醜聞/赤髪組合/花婿失踪事件/ボスコム谷の惨劇/オレンヂの種五つ/唇の捩れた男/青い紅玉/まだらの紐/花嫁失踪事件/椈(ブナ)屋敷

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 同タイトルの本はたくさんあるので、内容がみな同じなのかどうかは分からないが、一応私が読んだ本を紹介すると「新潮文庫 昭和28年3月31日発行 昭和44年5月20日33刷 訳:延原謙 定価:160円」という代物。この文庫本を確か中学生くらいの時に古本で買い、一度読んだまま押し入れに仕舞ったままだったのを見つけて再読したという次第。

 昭和28年という終戦より8年後の発行の為か、文体が固いというか妙な言い回しが多く、また女性の言葉遣いも妙に丁寧で長ったらしくて若干読み難かったが、主人公のシャーロック・ホームズの推理自体は鋭い観察眼が発揮されていて面白かった。事件は、依頼を受けたものや偶然舞い込んで来たものなど、ストーリーの切り口が様々で、且つ解決方法も様々で工夫が効いていて良かった。

 電話もなく車もない時代の作品なので、のんびりとしたムードが所々にあるが、事件の緊張感はある。依頼人の話を聞いてから解決の糸口を掴むまでが素早く、ホームズの豊富な知識量が総動員され、あっという間に犯人の目星を付ける。この判断の素早さは、便利さに慣れた現代人よりもスピーディーで正確かも知れない。

 文章中に差別的な表現が多いのが気になったが、これは訳した際の時代的なものだと思うが、その為なのかどうか、どうもホームズが自信満々の鼻持ちならない人物に思えてしまったが、それでもやはりホームズは希代の名探偵であり、危険を顧みず事件の解決に力を尽くすところは流石。そんなホームズも「してやられる」ことがあり、「ボヘミアの醜聞」という事件では、後一歩のところで犯人に逃げられるという顛末の作品が、なんとトップに収録されている。
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『シャーロック・ホームズの冒険』<新訳シャーロック・ホームズ
投稿日 : 2008/03/10 21:22
投稿者 Excalibur
参照先
多分小学生の頃に、子ども向けにリライトされたホームズ物を何冊か読んだことがあるはずですが、同じ時期に読んだルパン物ほど熱中出来ず、そのままになっていました。いつかはちゃんと読みたいなと思いつつそのままになっていたのですが、一昨年に現代人向けに読みやすくなった新訳版全集が光文社文庫で刊行されたのを切っ掛けに、とうとうホームズ物にチャレンジ。
ホームズのデビュー作は長編『緋色の研究』ですが、この全集はこの短編集から始まっています。

収録されているのは「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「花婿の正体」「ボスコム谷の謎」「オレンジの種五つ」「唇のめじれた男」「青いガーネット」「まだらの紐」「技師の親指」「独身の貴族」「緑柱石の宝冠」「ぶな屋敷」の12編。
今までは取っ付き難い翻訳文に閉口していたのですが、新訳版とあってかなり訳文もこなれたもの。古くからのファンには物足りないのかも知れませんが、新しいファンを開拓する意味では意義も大きいと思います。

短編と言うこともあってか、随分とあっけないお話が多いなというのが正直な感想でしたが、それでもホームズやワトスンのキャラクターには強烈に惹かれるものがあり、全9巻全てを読み通した今は、いっぱしのシャーロッキアン気分。
まぁそこまではいきませんが、内的なインパクトはかなり受けましたね。
パロディ、パスティーシュ、贋作を除くと未読なホームズ作品が無くなってしまってから、ちょっとした放心状態です。
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