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「愛することを恐れるべきでない私、愛されていることに気づくべ
投稿日 : 2007/12/24 16:51
投稿者 久保田r
参照先
2003年9月18日 (株)マガジンハウス

 俳優・豊川悦司の初めての小説。…とプロフィール欄にあるが、小説というか詩集に近い作品。豊川悦司が実際に書いたらしいラブレターが綴られていて、パソコンに向かう豊川悦司を写した白黒の十数枚のイメージ写真と共に一冊の本となっている。本のタイトルは、文面の一部。

 ラブレターと言っても現代版なので、手書きの手紙ではなくて、E-MAILのこと。本の最初のページには、メールアドレスが記載されてあり、各メール毎に日付と曜日と時間が記載されてある。相手からの返信の文章は一切なく、ひたすら豊川悦司が打ったメールの文章のみ。

 …何と言ったらいいか…ラブレターを書いている主人公が、作者と同じ俳優であり、いやに具体的な地名や出来事が所々で登場するので、どうしても「俳優・豊川悦司」というフィルターがかかった状態で読んでしまう。写真集のようなカットのイメージ写真もそれを意識しているような写真であるので、限りなく暴露本に近い作品と感じてしまった。作品として読んで欲しいのか、それとも豊川悦司という一人の人物の内面を知って欲しいのか、その両方を兼ねている状態なので、とにかく"豊川悦司が書いたラブレター”という印象が強く残る本。

 内容自体は、隅々まで愛の言葉に満ちていてラブレターという言葉通りの内容となっている。男性がここまで愛する気持ちを表現することが出来るとはにわかに信じられないくらい、惜しみなくストレートに愛の言葉を綴っているので、このメールを貰った相手は間違いようもなく「愛されていることに気づいた」と思う。本という形にまとめられ、それを読んでいる第三者であるこちら側も、とっぷりと愛の心地に浸ることができ、”愛すること”と”愛されること”が十二分に伝わって来る内容となっている。

 気付いたことは「愛しています」と「ごめんなさい」の言葉。「愛しています」は、終わりまでまんべんなく登場する言葉だが、「ごめんなさい」は、少しずつ減っていく。愛が深まるにつれ、始めのうちは一つ一つ謝っていたものが、段々とお互いの理解が深まり「ごめんなさい」の代わりの言葉が増えていく。恋愛の深度が伝わってくる。
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