「ちいちゃんのかげおくり」 あまんきみこ
投稿日 | : 2006/10/20 16:36 |
投稿者 | : 久保田r |
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小学3年生の息子の国語の教科書で知ったお話。戦時中のちいちゃんという女の子の家族のことを書いたお話で、読むと涙が止まりません。読んでいくうちに涙がこみ上げてきて、終わりの頃には滝のように涙がこぼれ落ちます。学校の先生も読みながら泣いていたと言います。それぐらい胸に訴える切なく悲しいお話です。
おとうさんが戦争に行く前の日に、ちいちゃんとおにいちゃんはおとうさんから「かげおくり」という遊びを教わります。天気の良い日にじっとかげぼうしを見ていると、かげぼうしが目に焼き付いて、そのまま空に目を転ずると空にかげが映ったように見えるのです。ちいちゃんとおにいちゃんはその日から「かげおくり」をして遊ぶようになります。そうしているうちに戦争は激しくなり、ちいちゃんは逃げている時におかあさんとおにいちゃんとはぐれてしまいます。ひとりぼっちになったちいちゃんは、焼け落ちた家の防空壕でたったひとりでおかあさんとおにいちゃんを待ち続けます。そして、天気の良いある日、空からおとうさんとおかあさんとおにいちゃんの声を聞いたちいちゃんは…。
あらすじを書いているだけで涙が出てきます。ひとりぼっちで待ち続けた幼いちいちゃんのことを思うと自分の子供と重なって胸が締め付けられます。仲の良い家族が犠牲になる戦争の悲惨さ、怖さ、悲しさ。これらが子どもにも伝わる分かりやすいお話です。多くの人に読んで欲しいお話です。