「怪盗紳士ルパン」 モーリス・ルブラン
投稿日 | : 2007/09/18 06:02 |
投稿者 | : Excalibur |
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記念すべきアルセーヌ・ルパンのデビュー作で、「アルセーヌ・ルパンの逮捕」、「獄中のアルセーヌ・ルパン」、「アルセーヌ・ルパンの脱獄」、「謎の旅行者」、「王妃の首飾り」、「ハートの7」、「アンベール夫人の金庫」、「黒真珠」、「遅かりしシャーロック・ホームズ」の計9編を収めた短編集。
ただ一つ一つは独立した話だが、続けて読めばそれが一つの大きな物語ともなるという連作形式になっている。
ルパンがコナン・ドイルの<シャーロック・ホームズ>物の影響下で誕生したことは周知の事実だが、このデビュー作で早くも共演させるなど、徹底的に意識していたことを改めて知った。
どちらが好きかは好みの問題でしかないが、単純に比較すればエンターテインメント性はルパンに軍配が上がるだろう。
なお、本来はこのシリーズに登場する名探偵はエルロック・ショルメスであり、ホームズその人ではない。キャラクターも微妙に変えてあり、熱心なホームズファンは認めていないようだが、今日ではショルメス=ホームズと解するのが一般的で、翻訳版も殆どショルメス=ホームズに置き換えられている。