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「人びとの旅路」 内海隆一郎
投稿日 : 2009/12/03 15:47
投稿者 久保田r
参照先
平成5年6月25日 (株)新潮社 新潮文庫

<収録作品>
再会/二人連れ/釣り竿/ピアノの音/息子たち/眺峰窯の二人/水曜日のクッキー/同級生交歓/約束/幻のレストラン/終い弘法/彼女の初恋/雨あがり/紅白饅頭/あの街この街/波の構図/隣の席/自炊館にて/真珠のネクタイピン/湧き水/母の私書箱(全21編)

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Re: 「人びとの旅路」 内海隆一郎
投稿日 : 2009/12/03 15:51
投稿者 久保田r
参照先
 どこにでもいるような普通の人びとの人生模様が描かれている短編集。離婚して幼い頃に別れた娘との再会、会社の経営に失敗し帰りづらくなった故郷、障害のある青年の焼くクッキーが楽しみな水曜日、観光名所など一つもない田舎の旅館に行きたがった母の思い出、脳溢血で倒れた父が息子に譲ると決めた沢山のネクタイなどなど…ふと見回すと身の周りにいそうな人々の様々な意味合いの「旅路」が綴られている。

 「旅路」とは、読んで字の如し旅の道中のこと。日常生活から離れて向かう旅行の道中では、様々な出会いがあったり、新たな発見があったり、忘れ得ぬ思い出ができたりと実に色々な体験をするもの。その時には気付かなかったことが月日を経て気付くこともあり、時として思った以上に人生の糧になっていることがあるのも旅行のいいところ。

 この本には、人生を旅路に見立て、長い人生の旅路の分岐点ともなりそうな話が綴られている。順風満帆な人生などはどこにもなく、人生には大なり小なりのつまずきが付きもの。ささいな出来事が実は大切な分岐点であったり、月日が経ってから振り返ってみてそのことに気付いたり。そんな気付きそうでやり過ごしてしまいがちな21の人生の旅路が描かれている。
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