「イルカの島」 アーサー・C・クラーク
投稿日 | : 2001/01/28 10:09 |
投稿者 | : Excalibur |
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正直言えば、創元文庫のカヴァー写真に惹かれて手に取った、というのが真相である。
ところが読む進めていくうちに、どんどん物語というか内容に引き込まれていった。
時代は21世紀、家出少年のジョニーはホヴァーシップに密航するが、事故により船は沈没。そんな彼はイルカ達に助けられ、<イルカ島>と呼ばれる島へと辿り着く。そこでは、人間とイルカが意思の疎通を果たしている世界だったのだ。やがてジョニーは島で研究者たちと暮らすことになる。
という境遇のジョニー少年がホント、羨ましくなってくる。イルカが好きで、イルカと友達になりたい、一緒に暮したい、という夢を一度は(密にでも)持ったことがある人ならば、惹き込まれることは間違いない。未来社会が舞台ということで敬遠している人もいるかもしれないが、それは杞憂である。
良質なジュブナイルSF、というのがこの作品のポジションだろうが、子供にだけ読ませるのは勿体ないぞ。