「裏稼業」 ジョン・グリシャム
投稿日 | : 2001/03/05 22:51 |
投稿者 | : Excalibur |
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これが11作目の長編となるグリシャム作品だが、今までとはちょっと趣きが違う。大統領選の内幕話やコン・ゲームの要素も強く、逆に法廷場面は影をひそめている。そのあたりに多少の戸惑いを覚えないでもないが、読み始めると止まらないストーリー・テリングぶりは健在。
刑務所に服役中の身ながら、外部の同性愛者対象にゆすりを重ねる3人の元判事たち。
国家を建て直すべく、有望だと思われる人物を大統領に据えようと画策するCIA長官。
この2つの物語がどのように結びついていくのかが、正に<グリシャム・マジック>の腕の見せ所である。
そういえば今回、従来の新潮社からアカデミー出版に変り<超訳>になったせいか、どことなくシドニィ・シェルダン風にも感じられるのも、戸惑いの一因か。