「神の子の密室」 小森健太朗
投稿日 | : 2001/04/20 23:22 |
投稿者 | : Excalibur |
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エジプトで発見されながら、その内容故に未だ世間一般には公開されていない古文書に材をとった――と注釈付きの、「イエス・キリスト伝」である。
エルサレムに滞在したエジプト人が、今エルサレムに向かいつつあるイエスという男に興味を持ち、彼に直接会ったという人々に取材し、その人物像を再構築しようとする第一部。
イエスと入れ違いでエルサレムを去ったエジプト人が再び戻ってきて、イエスが処刑された経緯とその後の「復活」の真相に迫ろうとする第二部。そしてエピローグ。
どこまでが資料に基づく記述で、どこからが作者の創作部分なのかは判然としないが、この手の作品(歴史推理小説?)は曖昧なまま楽しむのが良いのかもしれない。
またイエスの復活に関しては、かなり合理的な説明がなされているが、夢は夢のまま残しておきたいと思われる方には馴染まない考えかもしれないが。