「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 J・K・ローリング
投稿日 | : 2001/12/08 22:19 |
投稿者 | : Excalibur |
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ハリー・ポッターの物語も三巻目。読んでいて驚くのは、一巻目から実に多くの伏線が貼られていたのだ、ということ。それぞれの物語だけでも、登場するキャラクターの意外などんでん返しが楽しめはするのだが、遡って一巻目から読み返すとほんのちょこっとだけ触れられている事柄が、後で大きな意味を持ってくるのだから侮れない。繰り返し何度でも手にとってしまうリピーター(読書の場合にこの表現はないかな?)が多いのもうなずける話。また各種の副読本(謎本、研究書などなど)が続々と出版され、それらがそこそこ売れているのも宜なるかな。そして巻が進むうちにはまた新たな魅力的なキャラクターが登場し、あるいは退場していくのだが、これがまた別の展開への伏線になっていることは間違いなく、この連鎖反応によって読者はこの世界から離れられなくなるという仕掛けだ。
映画版公開を一つの頂点にしてブームも落ちつくかと思われたけれども、どっこいまだまだこのムーヴメントは続きそうだ。