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「夜への旅立ち」 田中芳樹
投稿日 : 2002/01/21 23:29
投稿者 久保田r
参照先
1995年1月31日 (株)徳間書店 TOKUMA NOVELS

※収録作品
「黄色の夜」 幻影城1979年6月
「炎の記憶」 SFアドベンチャー1982年9月
「夜への旅立ち」 SFアドベンチャー1982年12月
「夢買い人」 SFアドベンチャー1983年2月
「訪問者」 歴史読本1984年2月増刊
「トラブル・トライアングル」 ワープinVOL1 1985年7月
「トラブル・トライアングル2」 ワープinVOL3 1986年2月
「トラブル・トライアングル3」 ワープinVOL4 1986年8月
「黄金の翼」 アニメージュ・コミックス1986年8月
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一つのストーリーの濃さ
投稿日 : 2002/01/21 23:31
投稿者 久保田r
参照先
 初期作品による短編集です。
 買うきっかけは、『銀河英雄伝説』のコミックスの原作「黄金の翼」が目当てでした。なので、先に「黄金の翼」を読んで、それから収録順に読みました。収録順と執筆順がイコールなのかどうかは分かりませんが、この本に収録されている最も新しいものを先に読んで、次に最も古いものを読んだということになります。そんな変則的な読み方をした私ですが、短編集な為か、「黄金の翼」から「黄色の夜」まで7年の開きがあっても、特に文体の違いとか表現の違いとかそういったものは感じずに、むしろさらっと普通に読むことが出来ました。
 そして、読んだ後の率直な感想はと言いますと・・・一言で「濃い」でありました。
 長編の代表作といえば、私は、『銀英伝』を読んでいるのですが、その『銀英伝』も、この短編集も、同じだけ濃密な世界が一作品に込められてあると思いました。殊にこの短編集では、一作読んだ後、「え?このお話ってこれで終わりなの?」と、思えるような作品ばかりでした。
 表題作である「夜への旅立ち」、それに関連する冬木良平が活躍する「炎の記憶」「夢買い人」が、この短編集の中心的存在となっていますが、一番最初の「黄色の夜」もミステリー感溢れる作品で、ずしっと読ませてくれるお話です。「トラブル・トライアングル」の3作品は、ショートストーリー3本立てですので、テンポ良く読むことが出来ます。「3」は、字数の関係からか、シナリオのような文体となっています。主人公の3人が、元気の良い高校生3人組みですので、アニメなり、若しくは今はCG技術が進んでいますので、実写なりで映像化した作品を見たい、と、思いました。中でも、一番短いお話の「訪問者」が、印象に残っています。ランボーとヴェルレーヌのことを書いた作品なんですが、未来からの「訪問者」が登場し、少ない字数の中にSFと歴史の要素が上手く噛み合わさっています。
 どれもこれも、もっとこのシリーズを読みたい、と、思うような作品ばかりです。田中先生の世界に浸りたい方へ。
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