金閣寺最上層で発見された、三代将軍・足利義満の首吊り死体。だが義満には自殺の動機がなく、しかも現場は完全なる密室。その死の謎を解くべく白羽の矢が立てられたのは、賢才で名高い小坊主の一休だった！
室町時代を舞台にした少年探偵モノで、主人公が一休さんというのがポイント。相棒として新右衛門さんも出てくるとなると、どうしてもアニメの『一休さん』のイメージをダブらせたくなるけれども、優等生っぽいアニメの一休さんに比べるとこちらの一休は悪ガキ風。それはそれで興味深いが、肝心の謎解きがちょっと「アレレ？」なのが玉にキズ。また、プロローグとエピローグが九代将軍・足利義尚の時代に設定されている理由もよくわからない。
それでも、歴史に大胆な仮説を付加するのが特色の作者のこと、一読の価値は在り、としておこう。

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