「ムーディ勝山」とは、ムード歌謡ネタを披露する際のピン芸人時の芸名。本業は、「勝山梶」という漫才コンビ。

　じわじわとTVで顔を見かけるようにはなっていたものの、ブレイクというか一般的な知名度を得たのは、陣内智則さんと藤原紀香さんの結婚披露宴で「右から来たものを左へ受け流す」を歌い、その模様が全国中継されたことだと思う。その前の余興で郷ひろみさんが「お嫁サンバ」を歌って、披露宴にハクを付けた後に登場したのも「ムーディ勝山」という存在を広く印象付けることに成功したと言って過言ではないと思う。

　何はともあれ、いつも同じスタイルで同じ節回しの曲を歌詞を変えてアカペラで歌う姿には思わず笑いが込み上げる。「ミュージック、スタート！…チャラチャッチャッチャッチャッチャ〜♪」と始まると、今日はどんな歌詞が歌われるんだろう、とワクワクする。よくよく歌詞を聞くと、大したことは歌っていないのだけれど、そこがいいところ。そして必ず最後には「あ〜あ〜この○○××〜♪（地名など）」というオチが付くところもいいところ。

　これまでは、同じフレーズの使い回しが歌詞の基本だったが、最近では語彙が増え表現力がついた。ムード歌謡歌手としての自覚が増した模様。これからも表現力に磨きをかけ、時代の変化に柔軟に対応できるムード歌謡歌手芸人であって欲しいと願う。

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