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「ミュージカル 十二夜」
投稿日 : 2003/12/02 22:45
投稿者 Excalibur
参照先
先ず最初にひとこと。「帝国劇場の客席は狭い!」
そりゃ確かに優柔不断で給与明細を睨みつつ、公演2日前に思いつきで取ったチケットですよ。1階席の最後列に貼りつけられ、身動きもままならない状態で見る羽目になったのも自業自得といやそれまでなんですがね。でも一応B席じゃなくてA席だったのになあ。B席ってどんな感じなんだろ。聞くところによればS席には余裕があるらしいですが、こちとら貧乏人ゆえ、おいそれと一公演に五桁は出せませんぜ。

ま、それはさておき、シェークスピアなんである。知ってる人はもちろん知ってるお話を簡単に紹介するとこんな具合。
ある国に双子の王子様と王女様がおりましたが、政変が起ってお父さんは家臣に殺されてしまう。で、海へ逃げ出すんですが運悪く嵐にあって船は遭難。奇跡的にお姫様であるヴァイオラは助かり、女の身じゃアブナイってんで男装し、シザーリオと名乗ってオーシーノー公爵に仕えることになりました。ところがここでシザーリオ(ヴァイオラ)は公爵に恋してしまうんですな。しかし当の公爵は、伯爵令嬢のオリヴィアに恋焦がれていて何度も使者を送るものの、父と兄を相次いで亡くしたオリヴィアは喪に服してつれないそぶり。そこで公爵は恋の使者にシザーリオを立てることになるのだが、なんと今度は公爵の求愛を拒絶していたオリヴィアが、シザーリオに一目ボレ。かくしてヴァイオラは公爵に、公爵はオリヴィアに、そしてオリヴィアはシザーリオであるところのヴァイオラに、というややこしい三角関係の出来あがり。更に死んだと思っていたヴァイオラの兄であるセバスチャンも同じ町へと辿りつきます。元々双子の兄妹。男装したオリヴィアとセバスチャンは正に瓜二つ!もつれにもつれた恋の糸は、はたしてどうなっちゃうの〜?・・・ってちっとも簡単じゃないな。この喜劇を、世界初だかでミュージカル仕立にしたのが本公演というわけです。

主演は大地真央。元宝塚の貫禄十分にオリヴィアと男装したシザーリオの二役(?)に挑み、当然のように劇中では早変りも披露してくれます。そしてこれまた宝塚出身の愛華みれがオリヴィアを演じ、新旧男役トップスター同士が「女優」として競演しているのがウリです。その他私のような舞台の門外漢でも知っているような豪華な顔触れが脇を固めておりますが、一番印象に残ったのは本田美奈子。彼女は原作にはない「ネコ」の役で、「道化」役の川ア麻世(結構良い味だしてます)とコンビを組んで狂言廻しを担当。セリフが殆どなくニャーニャー言ってるだけではありますが、その分歌の受け持ちは多く、これがまたなかなか聴かせてくれるんですな。ハッキリいって宝塚OGの二人よりも上手いかもしれません。アイドル時代の彼女を知る者としては、まことに感慨深いものがあります(デビュー当時の彼女は、ホント可愛かったもんなぁ・・・しみじみ)。歌が上手いといえば、セバスチャンを演じた岡幸二郎。この人と大地真央が双子という設定は悪い冗談にしか思えませんが、メインキャストとしては出番少な目ながら実に聴かせてくれます。ちなみに私にとってこの方は「イシュトヴァーン(2代目)」なんですが(苦笑)、『ヤマト』ファンにはPS『さらば』の山本クンといえば通じるかな。ついでにアニメファン・特撮マニア向けネタとしては、山形ユキオがアホな役を演じているのがポイント高いでしょう。

ということで、おそらくミュージカル初心者でも楽しめたと思える内容ではあったのですが、ちょっと気になったのはギャグ、日本風の笑いの部分。翻訳モノの宿命として文化の違いというヤツがあるわけなんですが、ようするに原典そのまんまだと通じないよ、てな箇所が出てくると、これを思いっきり意訳しちゃうか、または全く別の日本風なものに作り変えちゃったりするんですな。この作品でも客席が大爆笑、というシーンがいくつもあったのですが、その殆どがダジャレだったり、有名な歌謡曲をネタに使っていたり、時事問題や流行語を取り入れたり・・・まではいかなかったですが、その一歩手前ぐらいの小ネタの部分だったのです。即物的な笑いを取り入れるのも悪くないですけど、それ「だけ」でしか観客の笑いが取れない、というのはなんだか寂しく思えるんですがねぇ・・・。

2003/11/23 昼(12:00)の部  帝劇にて
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データ
投稿日 : 2003/12/02 22:46
投稿者 Excalibur
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原作:ウィリアム・シェークスピア/翻訳:小田島雅志
脚本:堀越 真/演出:鵜山 仁
音楽:八幡 茂/作詞:斉藤由貴
振付:セルジオ・トゥルヒーヨ
エグゼクティブ・プロデューサー:酒井喜一郎/製作:宮崎紀夫
製作:東宝/後援:フジテレビジョン/協賛:三井住友VISAカード

ヴァイオラ/シザーリオ:大地真央、オーシーノー公爵:鈴木綜馬
ネコ:本田美奈子、道化:川ア麻世
セバスチャン:岡幸二郎、マルヴォーリオ:上條恒彦
サー・トービー:安崎 求、フェービアン:治田 敦、アンドルー:山形ユキオ
アントーニオ:越智則英、レオナート:秋川雅史
マライア:鷲尾真知子、オリヴィア:愛華みれ

2003/10/5〜11/24 帝劇


スタッフ表を見ていただくと、おや?というクレジットがあります。
そう、「作詞:斉藤由貴」という部分です。この「斉藤由貴」サンというのは、もちろんあのサイトーさんなわけでして、これは製作が東宝だからといっていくらなんでも・・・とか思ったりもしたんですが(彼女は東宝芸能所属)、既に何作品かで実績があるとのこと。確かに自分のアルバムで詩を書いたり、エッセイ集みたいなものも出していて、文才は認められているからの起用なんでしょうけど、やっぱりちょっとオドロキです。これって偏見?
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