「伊達の十役」
投稿日 | : 2001/06/18 23:14 |
投稿者 | : Excalibur |
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伊達騒動を題材にした狂言・・・ということで見に行ったわけではなく、あくまでも猿之助の早替りが見たくて友人と連れ立って歌舞伎座まで赴いた次第。
歌舞伎そのものを見たのは初めてではなかったが、やはり歌舞伎座で本格的に見るとなると雰囲気が違う。観客層も、そしてその層が持つ独特なパワー(苦笑)も。
正直言って途中で寝ちゃうんじゃないかという心配もあったのだが、始まってしまえば否応無しに舞台を注視せざるを得ない。
なんせ敵味方、男と女、入れ替わり立ち代りで十役を猿之助が演じている、その妙技を堪能するばかり。ボーっとではなく真剣に見ていてさえ、都合四十数回にわたっての早替りは実に見事。色々種も仕掛けもあるのだろうが、その入れ替わりの瞬間は確かに惑わされる。
肝心のストーリーのほうはなかなか頭に入らず、また多少なりとも睡魔が襲って来たりもしたものの、最後はお得意の宙乗りまで見せてくれるのだから、儲けモノ。
歌舞伎というとどうしてもセリフが聴き取りにくいというか、何を言っているのかわかりづらいという欠点があるし、個人的には男性が女性を演じるという形態に馴染めないものもあるのだけれども、それでもエンターテインメントの一ジャンルとして大いに評価したいと思うのである。
市川猿之助 七月大歌舞伎