映画『バットマン』の音楽がプリンス、と発表された時はかなりのブーイングがあったようだが、実際の音楽スコア担当は、映画音楽のジャンルではまだまだ無名だったダニー・エルフマン。結果は大成功で、一躍ハリウッドの人気コンポーザーへと出世することになった。盟友ティム・バートン監督とのコンビ作も数多く、ダークでヘビーな独特の世界観の立役者でもある（その後作られたＴＶアニメ版のテーマ曲もこのメロディーの流用）。
ところが二作目『バットマン・リターンズ』を最後にバートン監督が降板すると、エルフマンも降板。三作目『バットマン・フォーエヴァー』（バートンはプロデューサーとしてのみクレジット）では新たにエリオット・ゴールデンサルが担当することになった。
ゴールデンサルの音楽も、雰囲気はエルフマンを踏襲。枠組が決められていると、やりにくかったのではないだろうか。ただ、テーマ曲に明確なメロディはない。盛り上げて盛り上げて、という助走の部分だけで終わってしまう感じで、頂点まで高めた後の爆発がなく尻つぼみなのが残念。こうなると『スーパーマン』みたいに、作曲者は代れどテーマ曲はそのまま使い続けて欲しかった。
ちなみに『〜フォーエヴァー』の予告編では、ゴールデンサル版のメロディの後にエルフマン版のものが繋げて使われていたので、てっきり本編でもそうなっているのかと思っていただけに余計落胆が大きかったのかも。
四作目『バットマン＆ロビン／Ｍｒ．フリーズの逆襲！！』でもゴールデンサルは続投したのだが、何故か（歌もの中心のサントラ盤はあったが）スコア盤はリリースされなかった。
久々に作られる新作『バットマン・ビギンズ』ではデビッド・ジュリアンが音楽を担当。さて、どんな作風を聴かせてくれるだろうか。

・・・という文章の下書きをしたのはかなり前だったのだが（そもそもは３年くらい前から書いちゃ消し、の繰り返し・・・）、最近のデータを見ると、なんと音楽担当はジェームス・ニュートン・ハワードとハンス・ジマーの連名になっている！！　こりゃまたムチャクチャ豪華な顔合わせだが、変更の理由は何だろう？それにこの二人、作風が随分違わないか？聞けば両者は以前からコラボレーションを企画していたというのだが。

編集