孤独な少年と孤独なシャチの友情物語――『フリー・ウィリー』がヒットした要因の一つにはベイジル・ポールドゥーリスの素晴らしい音楽が不可欠だったと思うのだが、世間の注目は主題歌を提供したマイケル・ジャクソンに集中してしまった。しかもマイケル・ジャクソンの主題歌起用は当初から予定されていたものではなく、試写を見て感激した彼が自ら売りこんだものなのだ。そしてサントラ盤にもポールドゥーリスの楽曲を差し置いて、ジャクソンの歌が何曲も収録されることになってしまった。結果、ヒット・チャートを賑わせたのだから商売としてはＯＫなんだろうけど、反面功労者が蔑ろにされたみたいで、なんとなく納得がいかない感じである。
続く２作目では当初からマイケル・ジャクソンに主題歌を依頼。ポールドゥーリスは前作以上に素晴らしいスコアをモノしているが、やはりサントラ盤で優遇されたのはジャクソンだった。
そして３作目。シリーズとしてはやや尻つぼみの感もあってか主題歌はなし。今度こそポールドゥーリス節全開か？　と思われたのだが、何故か音楽担当がクリフ・エイデルマンに変更されるという驚愕の事態へ・・・。本人が降りたのかスタッフが降ろしたのかは不明だが、つくづく不運な人である。
で、後を受けたエイデルマンだが、これがノン・クレジットながらポールドゥーリスの作ったテーマ曲を大々的に流用使用。見事作品を締めてみせたのだから皮肉なものである。
物語的にはもう一作くらい作って欲しいのだが、その暁にはぜひともポールドゥーリスの完全復帰を節に願いたいものだ。実は他にＴＶアニメのシリーズもあるらしいのだが、こちらの音楽担当は、さて誰なんだろうか？

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