
「宇宙戦艦ヤマト/完結編」ドラマ編

Re: 「宇宙戦艦ヤマト/完結編」ドラマ編
投稿日 |
: 2012/01/23 17:26 |
投稿者 |
: 久保田r |
参照先 |
: |
劇場作品「完結編」のドラマ編。仲代達矢さんのナレーションの他に補足用ナレーションとして山内雅人さんの声が随所に挿入されている他は、ほぼそのまま。…というのは当たり前のことなのだけど、本編150分ほどもある内容のものが、ほぼそのままの形でカセット2巻組に収録となっている点が素晴らしいことかと。元々詰め込み過ぎな設定なのではあるのだけど、しかしそれが「ヤマト」の最後にふさわしい壮大なスケールとなっており、且つ厚みをつけているのは確か。二つの銀河系の衝突から端を発し、ガルマン・ガミラス星を訪れ、その帰路にアクエリアスとディンギル星と遭遇、地球の危機、ヤマト激戦の連続という流れを、端折ることなくきっちりと収録している。途中、細かなカット部分はあるものの気にならないほど。ピンチ→ラッキー→ピンチ→ラッキーの連続からなるドラマチックなストーリーの流れが、音のみのドラマ編でもきっちりと展開されている。
地球艦隊の滅亡、ディンギル少年の死、島大介の死…。「完結編」は、これまでの作品と比べ、より悲壮感の濃い作品となっているが、それらを包み込むかのようにヤマトと大和に対する様々な形の色々なロマンが全体に流れている。台詞の一つ一つに力と重みがあり、台詞の切り出し方が実に丁寧でドラマ性に富んでいる。また、シーンを描写する音楽の表現力が心底素晴らしく、併せて効果音も秀逸。音楽と効果音の絡みがドラマチックな作品をより作品を盛り上げており、一つ一つのシーンのイメージをより質の高いものとしている。「完結編」は丁寧で表現力の優れた映像作品であったが、音に関しても同じくらいの質量で持ってこだわりを持っていた。当ドラマ編では、その音のこだわりを篤と味わえる内容となっており、感動すら覚えるほど。極端な例え、ナレーションを排しても作品の本質とロマンとストーリーの流れが掴めるのではないだろうか…と思えるほど素晴らしい仕上がりと出来映えになっている…と思う。(私が、作品をとことん知り尽くしているからかも知れないが)
「1」作目から聞き続けたドラマ編であったが、いくつかの作品のドラマ編は未入手であったりLPで所有してたりという理由で聞いていないものもあるが、こうして順を追って聞くと、これまでの積み重ねの上で作られた「完結編」が最もスケールが大きくて質の高いものであるように感じ取った。TVシリーズのドラマ編などは、ストーリーの起承転結を入れるのが精一杯という構成が多く感動の薄いものもあったが、「完結編」は「ヤマト」の集大成的な作品であるため、隅から隅までが丁寧で聞き応えあり。音楽と台詞と効果音で織りなすドラマを不足なく聞くことができる。いくつかのシーンでは涙ぐんでしまった。「ヤマト」最後の作品に精魂込めた声優さんの演技を堪能できる質の高いアルバム。

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