「YAMATO2520」 オリジナル・テーマ曲集T
投稿日 | : 2001/12/10 21:58 |
投稿者 | : Excalibur |
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OVA『YAMATO2520』のテーマ音楽集。「T」とあるけれども「U」以降は発売されず、別の形で2枚目のアルバムが作られたが、シリーズ中断に伴いそれも撃ち止めとなってしまった。まだ未収録はあるはずなんだけどな。
新生「ヤマト」の音楽担当も宮川泰かと思いきや、意表を突いてデビッド・マシューズの起用。これは<フューチャーコンセプト・デザイン>という肩書でシド・ミードを招聘したのと同様、世界規模のマーケットを視野に入れたプロデューサーの戦略的判断だったのだろう。登場人物が日本人ばっかりと批難された純和風のオリジナル「ヤマト」とはえらい違いだ。
ところが音楽監督として羽田健太郎が参加しているからか、はたまたプロデューサーの資質がそうさせるのか、違和感はまるでなし。平尾昌晃が参加した『宇宙空母ブルーノア』も、羽田健太郎が参加した『オーディーン/光子帆船スターライト』も、「ヤマト」の音楽として使用しても違和感がないのと同様、デビッド・マシューズの音楽も「ヤマト」音楽として申し分はない。逆に言えば、作曲家の個性は消されてしまってるということにもなるけど・・・。
デビッド・マシューズというと、私はその昔の『スター・ウォーズ』のカヴァー・アルバムくらいしか思い出がないけど、現在でも現役バリバリのジャズ界の大物。親日家だそうで、確かマーキュリーからリリースされた松田聖子のアルバムにも参加していたはず。羽田健太郎ともコンサートで共演してたな。MJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)を率いて度々来日もしておる(来年もコンサートがあるようだ)。
5と7を歌っているのはデビュー間もないTOKIO。主題歌(イメージ・テーマソングという表記もあり)という触込みだったが、遂に一度も作品中では使用されずに終わってしまった。TOKIOファンは、この曲をどう受けとめているのだろう?きっと最近のファンは知らないだろうね、そういった経緯のことなんか。
さて、今回の作品でも、宇宙の描写にスキャットは欠かせない。勿論この作品の為に作られた新曲(1曲目「神秘なる宇宙」)だが、「ヤマト」を継承するならば、ここはオリジナルのスキャットをそのまま使っても良かったのかなと思うが、それでは旧作のファンからブーイングかな。
作品の存在そのものが抹殺されようとしている昨今だが、この音楽だけは今でもバラエティー番組などで生き続けている。関係者にとっては不本意だろうけどね。
Re: 「YAMATO2520」 オリジナル・テーマ曲集T
投稿日 | : 2011/09/26 16:09 |
投稿者 | : 久保田r |
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1995年2月1日 ソニーレコード
2520年の宇宙戦艦ヤマトを描いた作品「YAMATO 2520」のオリジナルテーマ曲集。音楽担当は、羽田健太郎さんとマンハッタン・ジャズ・オーケストラのデビッド・マシューズさん。主題歌を歌っているのは、当時CDデビューしたてのTOKIO。
このアルバムは、テーマ曲集というだけあって要となる人物と作品世界のイメージのテーマで構成されており、先ずは宇宙の神秘を表現している(1)「神秘なる宇宙」にて幕開け。この曲はスキャットなのだろうけれども、そうとは思えないような透明感のある声で奏でられており、無機質なムードの綺麗な声が美しく流れている。(10)「皇帝ブローネ」のテーマは、キャラクターが持っている内面の闇まで感じられそうな重々しさと妖しさが表現されてあって聞き応えあり。ブローネの娘の(11)「アメシスのテーマ」は、綺麗で色っぽい大人の女性の雰囲気がよく表れている。(6)「マーシィのテーマ」は、真っすぐな少女の健康美が感じられる明るいテーマ。
作品全体の雰囲気が若返った、と書くとまるで前シリーズの古代進や真田志郎たちが年寄りのように思えるが、もちろん古代進たちも若かったが「完結編」までの「宇宙戦艦ヤマト」は、第二次世界大戦で沈んだ戦艦大和の雰囲気をまとった感が濃く、悲壮さの似合う艦だった。「YAMATO2520」は、差別や母星の破壊といった悲痛な出来事が次々と描写されてはいくが、登場人物たちの性格は柔軟で根っからの明るさが表情に表れており、そのため前シリーズと比べると作品全体の雰囲気が明るめ。そう感じる理由の一つには、音楽のメロディーの軽快さにもあるように感じられる。
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