2004年　BS-i

＜スタッフ＞
原作：高杉良「続・金融腐食列島 再生」（角川書店刊）
監督：佐藤純彌
脚本：鈴木智、佐藤純彌
プロデューサー：中川好久、鈴木孝之
音楽：川崎真弘

＜出演＞
村上弘明／益岡徹／細川俊之／伊武雅刀／渡辺文雄／鈴木瑞穂／小野武彦／清水治／モロ師岡／中川安奈

＜あらすじ＞
多額の不良債権を抱える協立銀行は、銀行再生に伴い、大手銀行との合併を考える会長と、他の地銀との連合を考える頭取とが対立していた。中堅社員の竹中は、身内の不正を正し、連合によって再生するべきだと身を粉にして降り掛かる難題に立ち向かう。

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　銀行って怖いところだと感じたドラマ。庶民である私が知っている銀行は、窓口の”私って仕事が出来るのよ”オーラが出ているおねいさんだけだが、そのもっと上層部、本部の内部では、とんでもない額が実像もないままやりとりされているんだなと思って背筋がぞっとした。

　やはりここには、お金は人を変えるという作用が働いていると思う。巨額の不正融資をしていた会長は、自分で稼いだ金ではないのにあたかも金も銀行も自分のものと思い込んで私物化して巨大な不良債権を作っている。お金とは本当に恐ろしい。自分のものではなくても、それを扱っているうちにいつの間にか自分のものだと思わせてしまう。バブル時代にそれに飲み込まれた人たちが大勢生まれたところから端を発した作品だと思う。

　主役の村上弘明が少し線が細い。しかし、始めの頃に感じる頼りなさも後半には誠実な銀行マンとして心打たれるシーンが続く。銀行トップにあるようなカリスマ性はないものの熱意が身を結ぶ理想的な中堅どころをよく演じていたと思う。速見役の鈴木瑞穂と松村役の清水治が印象に残った。

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