トップページ > 記事閲覧 
「マエストロ」
投稿日 : 2009/07/20 11:13
投稿者 久保田r
参照先
WOWWOW ドラマW

<スタッフ>
原作:篠田節子(「マエストロ」角川文庫)
監督:星護
脚本:平見瞠
音楽:佐橋俊彦

<出演>
観月ありさ/中村俊介/伊藤裕子/佐藤めぐみ/宅麻伸/長塚京三、他

<ストーリー>
バイオリニストの神野瑞恵は、華やかな容姿を持つ美貌のバイオリニストとして大成功の道を歩んでいた。宝石商の社長の支援を受け、何不自由のない暮らしをしていたある日、恩師から大学の非常勤講師の誘いがあり、迷いながらも引き受ける。学生にバイオリンを斡旋したことから、神野瑞恵の人生の歯車が狂い始める。
記事編集 編集
Re: 「マエストロ」
投稿日 : 2009/07/20 11:18
投稿者 久保田r
参照先
 美貌のバイオリニスト・神野瑞恵を演じた観月ありささんが美しく、吸引力のあるドラマ。常にすっきりとした姿勢で振舞いも優雅で、その上この作品の主人公に不可欠な成功を収めたオーラといったものが立ち上っていて、理想を絵に描いたような美しいスタイルの美貌のバイオリニストを演じている。

 神野瑞恵は、幼い頃からバイオリニストである母から厳しいレッスンを受けて成長したため、バイオリニストとしてはサラブレッドであったけれども、世間知らずなところがあり、そのために周囲の人に対して傷つけるような言葉を投げかけてしまうところがある。そんな人を思いやる心が少々不足しているけれども演奏家としての技術は相当な腕を持ち合わせている気位の高い美貌のバイオリニストがストーリーの主人公。

 原作は、サスペンスということだが、ドラマを見た後の印象としては、セレブな世界のシリアスな人間ドラマという印象。サスペンスに付きものの殺人がないためにそう感じたのかも知れないが、ストーリーがどのように転じていくのか分からないサスペンス特有の不安や緊張といったものが殊更に感じられず、それよりも神野瑞恵がどのように人の心を掴むのかといった点に集中して見ていたからかも知れない。しかし、華やかな成功者の神野瑞恵の人生が一転して拘留生活を送ることとなった一連の事件の辺りは、緊張感があった。

 設定の詰めの甘さといったものがところどころにあり、腑に落ちない点が幾つかあるが、深く突っ込まずに少し引いた目線で見てみると、全体としてはバイオリンの音色と人間ドラマに引き込まれて最後まで見ることのできるドラマ。”称号なきマイスター”を演じた長塚京三さんの、根からの職人らしさが滲み出ている演技は素晴らしかったし、ライバル役を演じた伊藤裕子さんも、クールでありながら実は人の心の温かみを持っているという役どころを存在感を出して演じていたし、そして何より観月ありささんの気品ある美しさが良かった。サラブレッドであるがゆえに今まで気付かなかった人の心。それに気付いたこれからは、きっと深みのある音色を響かせるに違いない──そう感じられるラストシーンだった。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -