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「交渉人」
投稿日 : 2006/08/23 14:11
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:三池崇史
原作:五十嵐貴久「交渉人」(新潮社)
脚本:山田耕大
主題歌:「Milky Way」吉川晃司
制作:WOWOW

<出演>
三上博史、鶴田真由、佐野史郎、小木茂光、中村久美、田中要次、伊武雅刀、石橋連司、他

<ストーリー>
外国人3人組がコンビニ強盗を起こし、車のタイヤがパンクした最寄りの病院に立てこもって医師と患者を人質とした。人質の中には、犯人との交渉に当たっている石田修平警視正の妻がいた。
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Re: 「交渉人」
投稿日 : 2006/08/23 14:11
投稿者 久保田r
参照先
 ピンと張りつめた緊張感のあるドラマ。事の起こりを見ていると、犯人vs交渉人という一般的な刑事ドラマだが、犯人が金と車を奪った後からは、ガラリとドラマの主旨が変わる。他の刑事たちと一緒に見る者までが思い込みを頭からガツンと否定される。意地の悪いドラマではあるが、言い換えればドラマの中の謎を最大限に最後まで引っ張っている見応えのあるドラマだと言える。

 ドラマの性格上ストーリーを細かく紹介するわけにはいかないが、最大の謎である交渉人の石田修平とかつて彼と不倫関係にあったと噂される遠野麻衣子の二人の距離感が最大の見所。彼らの関係がはっきりと見えて来る頃には、胸中に何とも言えぬ複雑な心境が生まれる。癌で亡くなった石田の妻が可哀相だとも悲しみと秘密に塗れた二人が可哀相だともどっちつかずの感情が生まれる。様々な角度から見ると幾つものテーマが見えて来る奥の深いドラマとなっている。

 キャストに関しては、上手く見る者を騙していると思う。特に主役の三上博史は、一見そのようなキャラには見えないのでなかなか良いキャスティング。伊武雅刀が警察のお偉方の一人として頭を丸くして登場しているが、警察の制服が似合わないように感じた。彼はやはり”悪”の匂いのする役の方がらしいかも知れない。読みの鋭い刑事役として佐野史郎が演じていて、彼の台詞はみな鋭くて巧みで侮れなさが感じられて良かった。脚本の良さも感じられるドラマだった。

 ストーリー中幾つか腑に落ちない点があった。それらはドラマの中で説明しきれなかったシーンということになるのだが、これらが大事の中の小事という扱いでさらっと流れているのが気になった。もう少し時間を伸ばしてでもその説明のシーンを入れて欲しかったと思う。しかし全体的には、複雑に絡み合った重みのあるドラマ。もし自分の人生にこのようなことが起こったなら、自分はどうするだろうかと考えさせられる内容であった。尚、この原作は、2005年春にもテレビ朝日でドラマ化されている。
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