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「宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち」
投稿日 : 2006/09/18 15:08
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
企画・原案・製作総指揮:西崎義展
総設定・総監修:松本零士
監修:舛田利雄
SF原案:豊田有恒
脚本:山本英明
音楽:宮川泰
チーフディレクター:白土武
絵コンテ:安彦良和
総作画監督:小泉謙三
作画監督:宇田川一彦
美術監督:勝又激
音響監督:田代敦巳
音楽:宮川泰
主題歌:「ヤマト!!新たなる旅立ち」ささきいさお/「サーシャわが愛」島倉千代子
制作:フジテレビ・アカデミー

<キャスト>
古代進:富山敬/森雪:麻上洋子/島大介:仲村秀生/真田志郎:青野武/佐渡酒造:永井一郎/アナライザー:緒方賢一/相原義一:野村信次/太田健二郎:安原義人/南部康雄:林一夫/徳川太助:古谷徹/山崎奨:寺島幹夫/北野哲:井上真樹夫/坂本茂:古川登志夫/古代守:広川太一郎/スターシャ:上田みゆき/デスラー:伊武雅之、他

<ストーリー>
白色彗星との戦いから1ケ月後、ヤマトは宇宙戦士訓練学校を卒業したばかりの新人乗組員を乗せて訓練航海へと旅立った。その頃、デスラーは母なる星ガミラス星で正体不明の侵入者を発見し攻撃を開始した。だが、ガミラス星は誘爆に耐え切れず爆発してしまう。二連星の片割れを失くしたイスカンダルは暴走を始め、デスラーと謎の敵はイスカンダルを追った。そしてデスラーは事の状況を地球へと打電した。

1979年7月31日放映
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Re: 「宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち」
投稿日 : 2017/04/01(Sat) 20:36
投稿者 ちゃうシンイチー
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 この作品の劇場公開用完全版は、今まで一度も公開されたことがありませんが、その全長の中にはパート1の中でのスターシャと守の回想シーンを多めに挿入して時間を延ばす予定だったそうです。結局、完全版は完成しなかったようですが。

 さて、その完全版に使用する予定だった未使用カット。今も実在するのかどうか?それを現体制(2013年当時)での著作権所有会社の某氏に訊いてみました。なんと存在するそうで、しっかりと保管されているのです。某氏は「それを公開できるよう、ファンの皆さんで気運を高めて頂きたい」とのことでした。
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Re: 「宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち」2
投稿日 : 2007/06/17 18:57
投稿者 Excalibur
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ところでこの作品、『ヤマト2』放映中の年明け早々にはファンに告知されていましたが、今のようなインターネット全盛時代ではありませんでしたので、そのことを知らないファンも多かったですね。
また、仕上がった作品は2時間近くあったもののテレビ局からの要請でカットしたこと、それに79年の暮からお正月にかけて劇場公開を考えていたことなども、意外に知られていないかもしれません。
この際にカットされたのは、島の弟・次郎が登場するシーン(声は水島裕。しかし結局彼の声はガヤでしか聞くことが出来ない)や、イスカンダル救出行を逡巡する古代を雪が説得するシーン、古代守が水雷艇で活躍する場面、更にその守を救うべく真田がコスモタイガーで出撃するシーン、赤色巨星にイスカンダルが飲み込まれようとするシーン、それにパート1からの回想シーンとしてデスラーとスターシャがホットラインで会話するシーンなどですが、何故かフィルムとしては残っていないようで残念です。LDやDVDも不自然な静止画を収録してお茶を濁していましたが、かつてはムック本には掲載されていたこともあり、その際に紛失でもしてしまったのでしょうか。

後は、これは結構有名な話ですが、当初の放送予定は7月21日でした。
どうやら製作が間に合わず延期になったようですが、それでもフィルムの完成は放送前日のお昼過ぎだったとのこと。『さらば』も公開の数日前だかに完成したそうなので、最後まで妥協を許さない作品作りは評価出来るものの、やはり期日までに仕上げてこそのプロだとは思います(後の『永遠に』は比較的余裕のあるスケジュールだったようですが、『完結編』は公開日をずらしたものの、一部の劇場では間に合わなかったようです)。

前述の通り、1981年3月には<ヤマト・スペシャル>と題して『永遠に』と2本立てで劇場公開もされていますが、同日から『機動戦士ガンダム』が公開されたこともあって、全くと言ってよいほど話題にはなりませんでした。小規模な上映だったので致し方なかったとは思いますが、やはり寂しさが先に立ったのを覚えています。しかしその時に劇場に並んでいたファンの一人が、「こういう時に真のヤマトファンがどうかがわかる」と発言していたことは忘れられません。
因みにこの劇場公開版、先のTV放映版に手が加えられているとのことなんですが、ちょっと記憶にありませんね。
目立ったのは画面の天地が切られてはみ出していたことと、エンドクレジットの最後の製作テロップが「ウェスト・ケープ・コーポレーション」に差し替えられていたことくらいでしょうか(多分オリジナルは「フジテレビ」と「アカデミー制作」の連名だったはずで、現在のDVDでは丸ごとカットされています)。あとは本編が多少カットされてたかなぁくらいなのですが、この辺り、きちんとした記録は残っていないんでしょうね。
しかし本来なら2作品で1エピソードとなるはずなのですが、続けて観るとかなりの違和感があるのは如何なものでしょうか。
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Re: 「宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち」1
投稿日 : 2007/06/17 18:56
投稿者 Excalibur
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映画の『さらば宇宙戦艦ヤマト/愛の戦士たち』ではなくTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』を受け、パート3へのブリッジとなるべく製作されたTVスペシャルです。後に『ヤマトよ永遠に』のアンコール上映に合せて劇場公開もされました。
これまで2本のTVシリーズを放送してきたよみうりテレビではなく、フジテレビ系列での放送だったことも驚きですが、これはその前年に劇場版パート1のノーカット放送を実現させた縁からでしょう。流石に機を見るに敏といったところでしょうか。夏休み真っ盛りの1979年7月31日に放送され、高視聴率を稼ぎ出しております。

『さらば』に涙したファンにとっては、『ヤマト2』共々蛇蝎の如く忌み嫌われているこの『新たなる旅立ち』ですが、個人的にはシリーズ中で一番好きな作品かもしれません。
正味1時間半という分量ではありますが、パート3への橋渡しという役目を担っているために、この一本で全てを解決させる必要がなく、そのためか物語の進行が非常にゆったりしております。またどちらかというとヤマトは脇に回り、真の主人公はデスラーです。そのデスラーが、ガミラスとイスカンダルにまつわるシリアスなドラマを展開していきますので、反面ヤマト側はパート2あたりでは望めなかったズッコケぶりを披露してくれたりで、これがまたキャラクターの幅を広げる役目を果たしてくれています。そしてシリアスムードのデスラー側と、コミカルなヤマト側のドラマが交互に描かれていくので、とても見易い作品になっているのです。
反面、デスラーとヤマトが合流してからは一転して悲劇的な流れになり、結局はパート2同様の自己犠牲による結末を迎えてしまうところに、『宇宙戦艦ヤマト』という作品の持つパターンの限界が見て取れたりもするのですが。

またこの作品、メインスタッフから松本零士、舛田利雄両監督の名前が消えています。
消えているといっても”監修”という形でクレジットは残っているのですが、この時期松本零士は映画『銀河鉄道999』に掛かり切りで忙しく(『新たなる旅立ち』放送の4日後から公開されました)、舛田利雄も『二百三高地』の準備に追われて多忙だったためですが、そのために初めて”総監督:西崎義展”というクレジットが登場します。
言ってみれば西崎プロデューサーのワンマン作品だということにもなりますが、これがかえって「船頭多くして・・・」とは逆の効果を生み出したような気もします。怪我の功名というやつかも知れませんが。
また従来から参加していたスタッフの多くは、この作品を最後に離れていっています。作品同様に世代交代が行われた作品だとも言えるでしょう。
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Re: 「宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち」
投稿日 : 2006/09/18 15:08
投稿者 久保田r
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 「新たなる」は、始めテレビスペシャルとして放映され、2年後に劇場公開された作品。その為か幾つかの映像情報が存在しており、島大介の弟の島次郎の登場シーンや古代守の活躍シーンなど、確か前に見たと思ったんだけど現在は見ることが出来ないシーンというのが幾つかある。一体どれが完全な「新たなる」なのかよく分からないが、現在入手しやすいのは「劇場版」なので、「新たなる」と言えば「劇場版」のことを指すのだろう。しかし、私の中では「新たなる」はテレビスペシャル作品と位置づけされているので、ここは敢えてTVレビューへ書く次第。

 さて、ストーリーは白色彗星との戦いから1ケ月後という設定でスタートする。ヤマトは新乗組員を乗せて訓練航海に出発し、デスラーはガミラス星に今ひとたびの別れを告げに行き、謎の敵に遭遇する。「新たなる」の最大の特徴は、このデスラーの存在で、今まではヤマトの敵であったデスラーが、白色彗星との戦いの中で古代進との間に奇妙な友情が芽生え、暗黒星団帝国に対してヤマトと共に戦う同士となっている。デスラーについては約90分という時間の中で丁寧に描かれてあり、今まで見ることのなかったデスラーの人間性を篤と見ることが出来る。

 作品のもう一つの特徴は、新乗組員の登場。白色彗星との戦いで多くの乗組員を亡くし、新機関長や新コスモタイガー隊員などフレッシュな乗組員が登場した。この新乗組員の登場により、古代進たちレギュラー陣はベテランとなり、大人びたキャラとなった。前作までの「若さ」が目立たなくなり、少年ぽさがなくなったが、それも成長の証。今作品ではヤマトに艦長がいないので、古代進が新乗組員を引っ張ってイスカンダルへと駆けつけた。新乗組員の最大の見せ場は、訓練シーン。失敗ばかりして怒鳴られている姿が何とも新鮮。特に罰としてパンツ1枚で艦内を走らされる坂本と北野は必見。

 中盤は、イスカンダルで繰り広げられる戦闘が中心。マザータウンのすぐ近くの海に降下し、頭上から襲いかかる艦載機と戦うデスラー艦は、大戦で沈んだ戦艦大和の姿とだぶった。大戦で大和は、米軍の戦闘機に苦戦を強いられた。苦戦に喘ぐ大和を救う救世主は現れなかったが、今作品ではデスラー艦とイスカンダルを救うべくヤマトが現れる。颯爽と現れるヤマトの勇姿は、ホっと胸を撫で下ろす瞬間。しかし、敵は自動惑星ゴルバを投入し、ヤマトに即刻退去を要請する。さもなくばお前たちが救おうとしている二人に攻撃をかけるぞ…と…。

 ここから後のストーリーは、尊い思いに触れるシーンの連続となっていて多くの言葉が思い浮かばない。デスラーの最も人間くさい「私はスターシャを愛しているのだ」の台詞は、以前なら決して聞くことの出来ない貴重な台詞。本当は、もっと早くから愛することの尊さに気づいていれば地球を襲うこともなかったのだが、このデスラーの人間らしい台詞がデスラーの新たなる旅立ちの出発点であり、スターシャと古代の胸を打った。古代はデスラーの渾身の思いに報いるべく波動砲を撃とうとするが、スターシャの叫びがそれを止める。スターシャは、守に娘サーシャを託し、自ら爆破スイッチを押して自動惑星ゴルバを巻き込んでイスカンダルを爆発させた。それは、イスカンダリウムが宇宙の災いとなるのを防ぐ為であり、目の前で起きていること全てへの決着であった。

 スターシャのこの行為には、真似しようと思ってもなかなか真似出来るものではない命の尊さに溢れている。我が子との別れがどんなに辛いか想像するだけで胸が詰まる。それでも尚、宇宙に満ちる命を守る為、自らの命を犠牲にしてスターシャは爆破スイッチを押した。このような尊い精神の持ち主がいるだろうか。愛することを知り、慈しみに満ちた女性。スターシャはまさしく宇宙の女神とも言うべき存在。

 「新たなる」はこれで終わりではない。ラストには、「永遠に」へ続く意味深なナレーションが入っている。白色彗星との戦いの後を繋ぐ作品として生まれた「新たなる」は、その後の作品の方向性を示唆した重要な作品としてヤマトになくてはならない作品。
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