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「華麗なる一族」
投稿日 : 2007/02/20 17:21
投稿者 久保田r
参照先
2007年1月14日 日曜夜9時スタート 日曜劇場 TBS開局55周年記念特別企画

<スタッフ>
原作:山崎豊子「華麗なる一族」(新潮文庫刊)
脚本:橋本裕志
音楽:服部隆之
企画:瀬戸口克陽、植田博樹
プロデュース:福澤克雄、石丸彰彦
演出:福澤克雄、山室大輔
制作:TBSテレビ
製作著作:TBS

<出演>
木村拓哉/鈴木京香/長谷川京子/山本耕史/山田優/相武紗季/仲村トオル/吹石一恵/稲森いずみ/多岐川裕美/成宮寛貴/平泉成/西村雅彦/笑福亭鶴瓶/小林隆/矢島健一/西田敏行/武田鉄矢/津川雅彦/柳葉敏郎/原田美枝子/北大路欣也、他
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「最終話」
投稿日 : 2007/04/03 16:17
投稿者 久保田r
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 なんという大どんでん返しだろう。鉄平は、本当は大介の息子だったという真実。そのことが、鉄平の自殺により判明するとは、なんという皮肉か。なんという運命か。あまりにも不幸過ぎる万俵家の出来事に溢れ出る涙を押さえることができなかった。

 「第8話」で、鉄平は自分の出生に疑問を持ち、祖父・敬介の血液型を調べたことがあった。しかし、その時にははっきりとしたことは分からなかった。自分は、大介の子とも敬介の子とも判別しないままだった。だが、大介は鉄平を敬介の子と信じて疑わず、容赦のない戦いへともつれ込み、泥沼の裁判沙汰となり、阪神特殊製鋼の管財人をライバル会社の所長にしたことで、鉄平を阪神特殊製鋼から追い出し、辛うじて勝ちを手にした。

 しかし、そのことで、大介は、我が子を失った。

 鉄平の血液型はB型で、間違いなく大介と寧子の間に生まれた子だった。今までA型と信じてきた鉄平の血液型は、戦時中の検査ミスによるものだった。

 真の親が真の子を疎ましく思い、死に追いやった。

 これほどの不幸がどこにあろうか。

 死を持ってしか思いを伝えることができないなんて悲し過ぎる。「僕は生まれてはならない存在だった」などと、そんなこと誰が決めるのか。命を否定するような台詞が幾度となく登場するこのドラマは、何を伝えようとしているのか最後まで掴みかねたが、最終話にきてようやく見えたような気がした。昨今、社会問題の一つとして取り上げられている「親による子への虐待」が組み込まれていたように思う。子を愛せない親と親から愛してもらいたい子の葛藤。親から愛してもらえない子は心から可哀想に思うし、子を愛せない親は不憫だ。命を失ってからでは遅過ぎる──それが、この最終話では篤と描かれていた。

 子が死んでからでは全てが遅過ぎる。償うようなことをしても、もう子はこの世にいないのだから、生きている目で見てもらうことができない。その悲しさは、子を失った親が一生背負わなければならない悲しさだ。

 親子が争うことの悲しさ、取り返しのつかなさが徹底的に描かれたドラマだった。このようなことが現実に起こらぬよう、人との繋がりと思いを胸に大切に抱いて生きていきたいと思った最終話だった。


 追記。
 公式サイトを見ると、オンエアされなかった台詞があちらこちらにある。夏頃に発売されるDVD-BOXでは、その辺を補填した完全なドラマを見ることができるかも知れない。
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「第9話」
投稿日 : 2007/04/03 16:16
投稿者 久保田r
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 最終話前章─というサブタイトルの付いた次回の最終話を盛り上げる為の回。裁判所での第一回証人尋問は、公の場で直接父子が火花を散らした。この対決は、老獪な父の大介の巧みな話術により阪神銀行有利へと傾いた。

 次回、最終話という段階に来て、もしかするとこのストーリーは私の望む結末にならないのではないか…ということにようやく気付き始めた。裁判所で高炉建設に踏み切った鉄平の熱き理想を聞いて目頭が熱くなり、家族や社員を心配する鉄平の気遣いに涙腺が緩み、2回目の証人尋問の証言台に銭高常務が立ったことで、このストーリーは、困難にもくじけず前進しようとする若者を支援するストーリーなのだと思っていた。しかし、どうもその若者代表である鉄平を何としても追い落とそうとする動きがここまで来ても強く見える。

 このドラマは、子供には見せたくないと思うようになった。大介のような大人がこの国を動かしているという現実を知らしめるのに格好のドラマなのかも知れないが、それだけならまだいいが、このドラマには”血の憎しみ”が延々と引きずられている。”お前がじいさんの子である限り、私はお前を絶対に許すことはできない”という憎しみがずっと引きずられている。正直、暗すぎる。これでは、前向きに終われない。父が子を憎しみ続けるまま終わるのでは、生産性がなさ過ぎるような気がしてならない。ストーリーのどこかで大介の敬介への憎しみが取り払われる大きな出来事があり、その上で鉄平と男同士の戦いがあるのなら余分な暗い気持ちもなく見ることも出来るのだが、今のままでは鉄平が哀れ過ぎる。この世に生まれた罪は鉄平にはないというのに。

 最終話がどのように終わるのか全部見ようとは思っているが、親と子が歩み寄るような結末にならなくては、私は何でこのドラマを見たんだろう…と途方に暮れることになるかも知れない。仕事に就かない若者が増えている現代、仕事への情熱、未来を自分の手で切り開くことの喜びを摘んでしまうような結末で終わって欲しくはないのだが…。
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「第8話」
投稿日 : 2007/03/31 16:50
投稿者 久保田r
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 ドラマを見た後に軽い放心状態になるほどの、前回に引き続き密度の濃いドラマとなっている第8話。始めの20分間が勝負。家族が一同に揃っている場で鉄平が自分の父親について暴露する。

 この暴露シーンは、呼吸も覚束ないほどの緊迫したシーンで手に汗握った。大介も母親の寧子も鉄平も心のどこかではそうではないかと思っていても、口にするのは憚れていた話題だけに、このシーンは万俵家にとってなくてはならない重要なシーンだった。鉄平の「小さな時からずっとずっとあなた(大介)の笑顔を向けてもらいたかった」という鉄平の気持ちを聞いても厳しい瞳のままの大介は、この期に及んでも鉄平への態度を軟化させない冷酷振り。それだけ敬介への恨みが深いのだろう。大介への戦いを挑んだ鉄平は、もはや”なぜ父は僕に冷たいのか”と悩む息子の顔ではなく、決意を固めた一人の男として立派な顔つきをしていた。

 策謀家として頭は良いのだろうが、大介のやりようを見ていると、どうも胸に黒い染みが広がって不安な気持ちになる。もともとどういった性格だったのかは分からないが、大介をここまでの策謀家にしてしまった一因が敬介にあるのならば、敬介の罪は重い。万俵家に呪いの種を撒き、父子間の裁判沙汰にまで事が発展してしまった。これにより万俵家は世間の好奇の視線を浴びながら、生きていくことになる。

 このドラマはどのように結末を迎えるのだろうか。勝った、負けた、で終わるのだろうか。それとも引き分けだろうか。いずれにしても父子が争ったままで終わるのは避けて欲しいところ。万俵家の呪いから解き放たれ、大介が敬介を超え、鉄平が大介を超えるという内容で終わることが出来れば、すっと胸の痞がおりることと思う。
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「第7話」
投稿日 : 2007/03/17 17:14
投稿者 久保田r
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 万俵鉄平、不幸のどん底へ落ちるの回。後半への折り返しにあたる重要な回で、これでもかというくらいに鉄平が痛めつけられる内容となっている。加えて、万俵家と関わりのある人物のほとんどにも大きな展開があり、この回を見逃すと後半の成り立ちとなる「起」が分からないということになるかも知れない。ドラマ全体で言うところの「起承転結」の「転」となっている。

 このドラマの主役は鉄平だが、彼を取り巻く脇役キャラクターたちに人情味が溢れていて涙を誘う。彼らをそうさせているのは鉄平の人柄というキャラ設定になっているが、脇役を演じている俳優たちの芝居に心を打たれてじーんとくる。度重なる困難に立ち向かう鉄平を支えているのが彼らで、彼らあってこそ鉄平という人物が活きているのだと感じた。鉄平に思いを打ち明ける芙佐子の姿も、鉄平を「若!」と慕う沖仲仕・ゲンさんの庶民的な姿も鉄平という人物を活かしている。そのゲンさんの高炉爆発による事故死は悲しかった。最後の最後まで「高炉建設あきらめたらいけませんぜ!」と声を張り上げたゲンさんは、鉄平の一番の「仲間」だったと思う。

 今回、父親である大介は口数が少なかった。黙って威厳を保っている姿はさすがだが、唯一怒声を発したシーンで鉄平への本当の気持ちを吐露してしまう。「鉄平がいなくなればいいとさえ」と父親が言った言葉を目の前で聞いてしまった鉄平の心情は察するにあまりある。傷心の鉄平を無理のない言葉で励ました妻の早苗が愛おしかった。しかし、鉄平には一瞬たりとも心の休まる暇がない。父親の言葉に傷ついたその直後に建設中の高炉が爆発、炎上した。

 大介と鉄平の衝突を生んだ諸悪の根源は、敬介。万俵家の不幸の源。この敬介は、色好みの性格で「つる乃屋」の女将に芙佐子を産ませている。そう、鉄平と芙佐子は血の繋がりがあるかもという関係。おそらくは、異母兄妹という関係。この乱れた血の繋がりを作った敬介と息子である大介との間には、どんな諍いがあったのだろうか。大介は、鉄平と戦うことで父親・敬介とも戦っている孤独な戦士なのだった。
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「第6話」
投稿日 : 2007/03/16 18:19
投稿者 久保田r
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 回が進むにつれてえげつない内容になっていき、正直、身内間のこんな争いは見たくないなぁ…というのが感想なのだけれども、でもそれがこのドラマの柱であるのだから見ていくしかないか…という感じで。

 今回のMVPは、銀平。いつになくはっきりと物を言って格好良かった。父・大介のお飾り人形なのかと思ったが、あのような家庭で育った割には人をまっすぐに見る目を持っていて、「お前に全てを譲る」と言う父に対してあそこまではっきり意見できるのは凄い。格好いい。鉄平も理想と信念を持つ好青年だが、今一つ他人への配慮が欠けるところがあるので、銀平の方が性格的には優しくてバランスが良いと思う。その銀平が、「万俵家の血をひいた子など欲しくない」と言うのだから、大介のやりようは家族の目から見ても非道いとしか言いようがない。

 大介を見ていると、公私混同も甚だしくて胸に暗いもやもやとしたものを感じるが、どの口が「ビジネスは別だ」などと言っているのだろうか。鉄平が敬介の子であることがそんなに憎いのかと、その器の小ささに嫌悪感を覚えるが、この大介にも最終話間近には”なるほど”と頷ける何かがあるのだろうか

 鉄平がどんどんと追い込まれている。父親から訳の分からない喧嘩を吹っかけられ、大変困惑続きの毎日だが、それを自分の力で乗り越えていく姿は健気で思わず応援したくなる。大介と鉄平が手を取り合うことが出来たならどれほど輝かしい万俵家であることか。大介が今のままでいるうちは変わらない。銀平の言うように。
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「第5話」
投稿日 : 2007/03/14 16:53
投稿者 久保田r
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 今回の見所は、大介の愛人、高須相子の個人的な背景が登場したこと。万俵家に住み込んですっかり女主人となっている相子だが、結局は赤の他人であり、その相子の人となりを表すシーンが折り込まれている。二子の閨閥結婚の縁談を取りまとめる打ち合わせの帰り、相子は偶然弟と出会う。弟は、人並みに結婚し子を設けていて「普通の幸せが一番いいんだ」と相子に説教する。だが相子は「私は、普通の幸せは真っ平」と拒否する。ドラマ後半には、鉄平とまたもや言い合いになるシーンがあり、そこで「私は結婚してアメリカで差別を受けて日本へ帰って来た。ボロボロだった私を万俵大介が救ってくれた」と鉄平に打ち明ける。何故ここで鉄平に打ち明ける必要があったのかはよく分からないが、これに対する鉄平の返事も「僕にはあなたの生き方は全然理解できない」とにべもなく切り捨てるので(挫折を知らないおぼっちゃま的な発言ともとれるが)、結局のところはこの二人は歩み寄ることはないのだろう。父、大介がいる限りは。

 鉄平の妻の父親のスキャンダル記事をリークしたのは阪神銀行だということが家族間に知れ渡り、大介と鉄平の溝は更に深いものに。新年の恒例の「キジ撃ち」の最中、鉄平の撃った銃弾が木々に跳ね返り、大介の額に当たる。もちろん狙ったものではないが、大介には意図があったように思え、家族の前で「お前はわたしを殺す気だったのか」と問う。鉄平は「そんなことあるわけないじゃないですか!」と即座に答えるが、誰の目にも二人の間の溝の深さが分かり、暗い雰囲気に。それもこれも父親である大介の男の意地と懐の狭さが家族間をこのように暗いものにさせているのだが、大介には自分から変わろうとする意識がないので、このまま泥沼化していくことは目に見えて明らか。

 鉄平も銀行再編で苦悩する父親に対して歩み寄る姿勢もないし、自分が良いと信ずる姿勢を貫き通す性格なので、衝突も仕方のないことなのかも知れない。でも父親たる立場の者がそこまで息子ほど歳の離れている人間に対して負けん気を発揮するというのはどうなのだろう。多少行き過ぎのような気もしなくはないが、”子はいつか父を超える”を悟っていてはこのドラマは盛り上がりようがないので、今しばし父と子の対立を見ようと思う。
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「第4話」
投稿日 : 2007/03/13 16:54
投稿者 久保田r
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 万俵財閥の家族を中心とした人間模様が中心なので、家族も含めて関係各位に異様にプライドの高い人が多く、それがドラマを面白くしているのだけど、傍から見ると何とも破廉恥な人たちが集まっているなぁ…というのが印象。それだけに万俵家の長男でありながら社員と一緒になって現場で働いている鉄平は、一見普通の人のように思えるが、でも鉄平の出生には何やら重大な秘密があるようだし、高炉建設資金だと口にする金額は「20億」という庶民には気が遠くなるような金額を動かしている人物。やはりただものではない。

 だが、そんな鉄平が父親の愛人と逐一口論するところもこのドラマの見所なのだろう。「家族でもないあなたが万俵家のことに口出ししないで下さい!」「私はお父さまに頼まれてここにいるのですよ」というのが定番となっているのだが、このシーンを見る度に思うのは、万俵家の子供たちは品が良いのだなぁ…ということがわかる。みな正攻法のことしか口にしないので、したたかな愛人にしてやられてしまっている。私だったら「きちんとした家柄の出でもないくせに」ぐらい言い返すのだが(笑)、みな愛人に言いたいように言わせて泣き寝入りしてしまっている。この世の春を謳歌している愛人をいつか失脚させてみせるという点が、鉄平vs愛人の見所なのだと思う。

 ドラマが劇的に変動しているので、大筋では飽きの来ないシナリオ。でも、多い登場人物のそれぞれの役柄が決まっているので、各キャラのやりとりというのが定番化してきているのが若干惜しいところ。この人物が出たらこういう展開と読めるのは有り難い反面、広く浅くもあり。ドラマを1クールに収めるには仕方のないことなのかも知れないが、もう少し各キャラを掘り下げた奥の深いドラマを期待したい。
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「第3話」
投稿日 : 2007/02/27 16:23
投稿者 久保田r
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 鉄平vs敬介の諍いが深刻化。鉄平は鉄平の敬介は敬介の生き残りを賭けた戦いがある為に、両者とも会えば攻撃的な台詞ばかり。父親と長男が言い争うシーンには、身につまされる人も多いのではないだろうか。子はいずれ親を超えてゆくものだが、易々と超えられないようにするには父親の意地の見せ所でもあるし、威厳の見せ所。子を追い詰めつつ最後のところの詰めの甘さを残しておくことが親の務めだと思うが、敬介はどこまでも厳しく鉄平に当たる。敬介の胸の内の苦しみを知らない鉄平は、父親から辛く当たられることに反発心を抱いている。果たして、この二人はわだかまりを捨て分かり合う日が来るのだろうか。

 泥沼化する父子争いと呼応するように、銀行再編の嵐と高炉建設の資金集めの厳しい現実が押し寄せる。敬介は部下に無理を強い、死亡者を出してしまうし、鉄平は資金集めの厳しさに当初の目的を失い、金集めだけを考えるようになる。そんな中、今回は次男の銀平が多く目立った。銀平は、兄の鉄平に親愛を感じつつ、父親の敬介にはかなわないことをわきまえていて、父親の挙動をじっと力のある目で見つめているのが印象的だった。銀平なりの葛藤が表れていた。

 それにしても登場人物が多い。どの役の人物にスポットを当ててもドラマが生まれそうなほど。それだけ広い人間関係でこのドラマは動いている。
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第2話
投稿日 : 2007/02/26 16:17
投稿者 久保田r
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 いよいよドロドロとした中身へと動き出した第2話。確認したいのは、このドラマは日曜夜9時台の放送だったよね…ということ。10時台じゃないか?というぐらい愛憎に満ちた人間関係が描かれていて、少々胸焼け気味になる。当時の時代背景などを考えると妻と愛人が一緒の家に住むということも一部の階級ではあり得たことなのかも知れないが、それでもやはり刺激が強いことは確か。父・敬介の歪んだ愛情表現も分からなくはないが、あまり体験したくない心情であることは確かで、見ていると周りの人間が辛く思えてならない。そんな家族の心情を描くのもこのドラマのもう一つの軸だと思うが、いかんせん登場人物が多過ぎて、心理的表現が上手く表れていない。登場人物の見せ場となるシーンが繋ぎ合わされてドラマとなっているので、刺激的なシーンが多く、表面的な感じがする。もう少しじっくりと各登場人物の心の表情を写し取って欲しいと思う。

 敬介と鉄平の衝突は日に日に増すばかりで、高炉建設に意欲を燃やす鉄平と銀行再編の嵐の中を生き残ろうとする敬介とでは温度差があって意見が合わない。息子は「攻」の、父は「守」の姿勢。年齢的なことから生まれる価値観の違いも一つの要因だとは思うが、鉄平はもう少し敬介へ歩み寄ってもいいかも知れない。高炉建設のことのみに囚われていて、銀行の立場を考慮していないように感じられる。だが、それも決めたことへ突き進む鉄平の良さなのだろう。しかし、このままでは家族崩壊をも招く取り返しのつかない事態へと進むような気がしてならない…という不安を残して次回へ。

 最後にもう一点。鉄平を演じている木村拓哉さんの演技が多少浮いている感がある時がある。それはこれまでのキャリアから築いた木村さんなりの芝居のクセなのだと思うが、昭和40年代という今回のドラマの時代には少々合わない感じを受ける時がある。その当時の若者の仕草というものをもう少し身に付けられたらもっとドラマと同化するのではないかと思った。
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第1話
投稿日 : 2007/02/20 17:21
投稿者 久保田r
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 TBS開局55周年記念特別企画というだけあって、まさに豪華顔触れの大作ドラマ。時代設定は、1960年代。「鉄は国家なり」と言われた時代を背景に、とある財閥の父と息子の衝突を描いている。

 第1話は時間を拡大してどーんとスタート。吹雪きの中、猟銃を抱えて山の中を歩く万俵鉄平の姿から始まる。一本の木の下にイノシシが現れ、睨み合う鉄平とイノシシ。やがてイノシシは去り、鉄平はその木へと歩み寄る。この場所でかつて何があったのか…。過去の出来事を思わせる伏線が張られている。

 万俵家の家長である父・大介と、後を継ぐべき長男の鉄平は折り合いが悪く、対照的な人生を歩んでいる。おそらく大介自身も鉄平の祖父にあたる父・敬介とは対照的な生き方をしてきたのだと思うが、大介は、年々敬介に似てくる鉄平を快く思っていない。わざと鉄平を避ける行動を取り、敢えて二人の間に溝を作るような行動を取っている。鉄平もまた大介の意向とは異なる考え方と行動を取るので、自然と二人は苦手な相手と思うようになる。それもその筈、大介は鉄平を敬介の息子なのではないかと思い込んでいるのであった…。

 というのが、ドラマの軸となる父子関係で、大介は家に妻と愛人を一緒に住まわせており、その愛人に家のことを仕切らせているので、家族から反感を買うのは当然。愛人と家族間のトラブルも気になるところであるし、銀行再編という時代の波に押されて、大介が生き残りの為に必死に動き回るのも見所。そして、高炉を建設せんとする若き鉄平の挑戦も見所となっている。

 第1話では、万俵家の人間関係と万俵家を取り囲む社会的環境が華やかに紹介され、ドラマの世界観が十分に伝わってくる内容だった。次回からは、このドラマを舞台に不幸な父子関係が動いていくのだろう。
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