トップページ > 記事閲覧 
「ザ★ウルトラマン」
投稿日 : 2010/09/02 16:12
投稿者 ZAP01533
参照先
 ウルトラマンのアニメ化。その時点でファンの反発は必定だった。
 それでも皐社長が拘泥したのは「アニメにしたら女の子から人気が出る」と信じていたのとテレビ局から提示された予算が想像以上に少なかった、というのがあったという。
 配役起用でTBS側のプロデューサーが『ヤマト』人気にあやかった、という事実は皐社長がこだわった、という噂となって反発に拍車がかかった。
 結果、特撮ファンにもアニメファンにもそっぽを向かれ、情報操作としか言いようのないメディアの‘無視’によってウルトラマンシリーズパート七の称号を剥奪され、知る人ぞ知る作品になってしまった。

 しかし精査すると、ウルトラマンシリーズとして拘泥しなければ、愚作と呼ばれる作品ではなかった筈だった。

 遺作『ウルトラマンを語る』にて皐氏は「パロディにしたらもっと人気が出た」と少し悔んでいた。
 サンライズ製作でありながら初期スタッフが元タツノコ所属だった事にもう少し目を向けていたのなら、気付けた筈だった。
 あれは当初『ヤマト』を目指していたのではなく『ヤッターマン』を目指していたのではないかと。
 そこに吉川 惣司氏が参加する。『ろぼっ子ビートン』の腕を買われて。
 隠れ円谷 英二氏ファンだった吉川氏はこれまでの設定から一歩踏み込んだ脚本を書いて実質上のシリーズ構成者となり、更に絵コンテ、演出も手掛けて基本設定の土台を完成させた。
(ウルトラ情報局四月のホームページより)
 タツノコ系スタッフが製作から離れ、徐々にサンライズのスタッフに移行していく中、同時期の『サイボーグ009』そして『機動戦士ガンダム』の影響も加わる。
 故に当方は自虐的に説明する際こう呟く。
「ガンダムの三日前」もしくは「富山さんの初サンライズ主演作」と。
 その『機動戦士ガンダム』のスタッフまで加わって物語は終焉を迎える。
 これを口実に「破綻していた話をガンダムスタッフが加わった事で綺麗に繕われて終了した」という揶揄評論がある。
 だが彼等が加わらなくても吉川氏の脚本はぶれなかった筈だ。
 そもそもここまでの布陣で愚作が出来たら手抜き以外の何物でもない。
 拘泥した調査故円谷作品としてのみの視点でしか観ていなかったからこそ、愚作の烙印を押された、としか今は考えられない。
 
『機動戦士ガンダム』が第二期サンライズ作品の夜明け作品と位置付けるならば、間違いなく『ザ★ウルトラマン』は第一期サンライズ作品の集大成であり、同時に『ヤッターマン』を目指していた作品だったと。

 これが、三十年研究しての当方なりの結論です。
記事編集 編集
九話【目覚めた古代生物の恐怖!!】
投稿日 : 2011/06/04 01:55
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【南海の古代遺跡】
製作番号:八番
脚本  :星山 博之
演出  :四辻 たかお
絵コンテ:(表記はなかったが)四辻 たかお

 この話、色々な意味で、凄い事になっています。
 今話より、冬木氏の音楽が追加。(テロップでは十話から)
 U40編での主要俳優出演。(当初『ゼンダマン』でのついでっぽかった雰囲気もあるけど・・・・・・)
 そして何故か、池田 秀一氏ゲスト出演。

 本編も再放送も見ていないが、ガルマ・ザビという人が謀殺される伏線が張られるのが九話だったという記憶がある。
 そんな大事な時期に、何故、端役を・・・・?


 タマラ島遺跡を知る人は少ない。大規模発掘調査隊が編成され、その指揮を執る南田教授(声・宮内 幸平氏)にムツミは呼ばれて訪れた。
 ここでのムツミは知識を得る為に考古学教授と親しくなっているという状態。
 ミーハーっ気を出す若槻氏と知性面と努力家を見せる星山氏。その両者設定を取り持つ為に“シリーズ構成”というのが生じてきたのではないだろうか。
 偶然発見された地下遺跡の石板解読を依頼される。
 その地下遺跡の最深部で洞窟を発見した学生達はそこで怪獣を発見してしまう。
 怪獣が発した音波で動きを止めてしまう先行者三名。洞窟への入り口も塞がれ、難を逃れた仲間が逃げる。
 一報を聞いた南田は現場へ。詳細を聞こうとしたムツミに目を向けた男は彼女の背後に佇む男を見て仰天する。
「清水(池田氏)・・・・」
 仲間の問いかけを無視して生き埋めになっている筈の男は目から光線を発してテント他を炎で包む。
 教え子が生き埋めになった、と訊いて目先の事しか考えられなくなってしまう教授。捜索停止を求めても、石板解読まで待って欲しいと言っても耳を貸さない。現在でもそんな感じの人がいるような・・・・・・・。
 そこへ切羽詰まった声でヒカリからの通信が入る。返事を返すと安堵した吐息と共に「よかった・・・・」この細かい気遣いがね。
 到着した直後、タンカーが炎上する。多分そこそこ人は住んでいるようだけど、そんなに生活感はなし。
 ヤシの木の下でこれまでの経緯を語り合う隊員達。(これ伏線)いまいち状況が把握し切れない中、不意にヒカリが自説の口火を切る。海底通路の存在を。
「冴えてるついでにもう一つ」とトベに促され、学生達が怪獣に操られている可能性を示唆するヒカリ。彼は自ら潜水する事を提案し、ムツミはマードック号のコンピュータで石板を解読する事にした。
 アキヤマの真似をするトベの頭にヤシの実が直撃。見上げるとビグがヤシの実収穫中。
(完全にお笑いシーン)

 マードックでの解読はこのままでは時間がかかるので、発電所から電気を融通して・・・・・誰だぁ!星山氏に「コンピュータの計算能力上げるには電力が必要だ」というホラ教えた人は!その前に発電所爆破されてしまうけど。
 海底から現場に辿り着いたヒカリは学生達に遭遇する。
学生達の口を借り、自らの出自を語る怪獣。
 学術調査に来たと言う説明に耳を貸さない相手にヒカリは言う。
「判った。この島から出て行く。だが約束して欲しい。それが済んだらただちに三人の大脳コントロールを解くと」
 結構丁寧に言ってるね。
 石板解析は進まない。ビグを責めるムツミ。これは少しビグに同情。

 一方、南田はダイナマイト使用を決断した。言い包められてしまうトベ。
 ヒカリが現場に向かうが、爆発によって興奮した怪獣は三人を操る事が出来なくなり、逃げ出した清水達は教授と再会。

 戦闘によって破壊される遺跡を嘆く南田。「なんとかやめさせろ」とマルメに言ったって相手は怪獣とウルトラマン。
 怪獣ドルフィーゴも強敵で上空に持って行って叩き落とし、プラニウム光線を放ってようやく斃した。
 遺跡と共に沈む怪獣。「島が沈むぞ、マードックに急げ!」とトベが叫ぶ。
 ちょっと待て、それで島が沈むの?かなり地盤が弱い。
 沈みいくタマラ島を見ながら遺跡喪失を嘆き続ける南田教授だった。

 そんな話のエピローグがどこかとってつけたよう。
 三人の聞き取りから事態を把握したトベはウルトラマンが遺跡を怪獣の墓標にしたのではという説を言い「僕も、そう思いますよ」と力強く言うヒカリ。
 石板解読からも同じような結果が出たとビグも言う。
 南田教授が事件原因と気に病んでいたことを言うアキヤマ。やっと落ち着いたのかな?
「そうした方がいいんだなぅ」と言うビグを責めるムツミ。もっと早く解読出来ていれば、こんな騒動にならなかったかもと。それは違うと思う。
 気にも留めないような態度のビグの背中を見ながら一同笑っておわり。
記事編集 編集
八話【ヒカリ隊員の秘密が盗まれた!?】
投稿日 : 2011/05/22 23:08
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【恐怖の人食い家】
製作番号:九番
脚本  :荒木 芳久
演出  :安濃 高志
絵コンテ:(表記はなかったが)落合 正宗

 シリーズ中、どうしたって“肌に合わない”話は発生してしまう。
 基本当方秘密暴露関連は大嫌い。その上後年(一九九五年二月発行『宇宙船』七十二号にて)小林 晋一郎氏によって大酷評された代物。
 それらの原因は・・・・・全部、バルタン星人への過大期待からきているのも確か。

 未確認飛行物体報告を確認調査中、ヒカリのバーディにニアミスする飛行物体。
 直後から通信不能。本部ではビグが妨害電波を示唆。帰還した部下にヒカリの捜索を命じるアキヤマ。
 単独追跡を決行し、山肌に穿たれた穴に近寄ったヒカリはそこから現れた怪獣に襲われた。
 怪獣が投げた岩が迫る、状況から見て人はいない、筈。ならやる事は一つだけ。
 マードックでの捜索でその闘いを目撃する隊員達。喜ぶマルメと逆に「何言ってるの!早くヒカリ隊員を見つけなきゃ!」というムツミが印象強い。
 あっさり決着がついて、飛び去るウルトラマン。バーディのそばで倒れているヒカリ(これは六話が伏線だな)に駆け寄るムツミ。そこに焦点が絞られるファインダー。
 カメラを持つ男の姿。いつから、どこまで撮影していたのか・・・・?

 翌日。カレーを食べる隊員達。(お約束)しかしヒカリは食が進まない。それに対する仲間の言い分はちょっとひどい。
「怪獣はウルトラマンが倒したんだから・・・」のマルメはまだいい。「記録が残っていないから夢でも見てたんだナ」ってビグ、あんた妨害電波口にしていてその単語はないだろ。ムツミまで「きっと疲れているのよ・・・・」って孤立させるなよ。ようやく一口目を口に運ぼうとした途端、招集がかかる。
 テレビ局にウルトラマンと怪獣の戦闘シーンを売り込んできた男がいる、そのフィルムには【ウルトラマンの秘密】が含まれていると知らされたヒカリは動揺し、一般視聴に反対する。理由を問われる。下手な言い訳は余計に疑念を抱かせる。彼が語った言い訳は。
「世界中の各地で、怪獣の被害が起きているんです。
 そんな時に茶の間で怪獣の闘いを放映するなんて、徒に人心を惑わすだけです!」
 及第点。尖閣ビデオ流出させた人に聞かせてやりたいと現在本気で感じる。
 しかし参考資料として観るならと言う反論には勝てなかった。
 テレビ局に赴き今まで届けられたフィルムを視聴する科学警備隊員達。まだ【ウルトラマンの秘密】は映っていないという。しかし出来上がり次第持参するとの言葉に人知れず立ち尽くすヒカリ。映像は前日の闘いだった。
 視聴中追加分が届けられた。思わず立ち上がったヒカリの背中に声をかけるアキヤマ。
「届けた男を。車使います」と尾行を示唆して案内嬢に声をかけ、男を負うヒカリ。しかしその案内嬢の顔がひどい。
 ところで・・・・彼らが乗ってきた車、設定では二人乗り。ヒカリが一台使ってしまうと・・・。
(((((((((((((ーー;)
 余りにも話が出来過ぎている事に疑念を持ったアキヤマは、撮影者の身元調査と前日の現場検証を命じた。
 その頃、人の気配がしない洋館に辿り着いたヒカリはどんでん返しの壁によって洋館に取り込まれてしまう。
 高笑いとともに現れた男。どうこう聴いてもベルクカッツェ。(((((((((((((((((((((((((^_^;)本性を現す。
 撮影者の手掛かりはなし。現場検証は怪獣の姿はなく、山肌の穴すら消滅していた。代わりにあったのは火山弾。
 どうやら総合すると男〜バルタン星人〜の作戦は‘ウルトラマンの居場所を知る者’をおびき出して抹殺する為に目星をつけた者を妨害電波で分断して火山弾を怪獣に見立てて戦わせ、その模様を撮影してテレビ局経由でおびき出し、孤立させて殺そうとしたらしい。
 一見大がかりだけど単純な罠だ。
 そうとわかれば容赦しない。変身シーンを一シーンで。そういう時は変身不能と相場は決まっている。
 それもぬかりなかった。周囲から盗電してビームフラッシャーの力を相殺させていた。笑うバルタン星人の声は低い。
 そこが失敗だった。盗電被害の中心地とヒカリの向かった場所が同じと気づいたアキヤマは部下と共に現場へ向かい、盗電装置を破壊。狭まる壁に挟まれかけていたヒカリはそれで難を逃れ洋館から脱出。
 その背後で巨大化して一同に硬化光線を浴びせるバルタン星人。もちろん逃げます、あいつだけ。
 本戦は・・・時間切れを狙う時点でバルタン星人が負けている。

 結局フィルムはお蔵入りになったようで。

 酷評される話じゃないと、思うけど、σ(-_-)は苦手な話だった。
m(-_-)m
記事編集 編集
七話【攻撃指令 目標はピグ!!】
投稿日 : 2010/12/01 22:38
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【涙の目標はピグ】
製作番号:十番
脚本  :若槻 文三
演出  :石田 昌久
絵コンテ:(表記はなかったが)鳥海 永行

 この話、好きなんだけど、時代が作らせたと言ってもいい話。
 なにしろロボットが感情豊か。すぐ落ち込むし、自慢するし、ちゃっかり者だし、泣くし。
((((((((((((^_^;)


 強力な電波を発しながら惑星ジオラが太陽系に突入し、爆発。その影響は地球にもおよび、世界規模の電波障害を起こした。
 直後ピグが危険警告を発する。念の為の調査を指示するアキヤマの姿に落ち込むピグ。信用されてないのかと。
 上空調査では異常なし。ところがその地底には五年前宇宙ステーションのコンピュータを取り込んだ宇宙生物が眠っていた。異常電波によって起動したコンピュータを頭脳に変え、怪獣は地上を目指す・・・・・。
 既にツッコミ二つ。宇宙ステーションがEGG-3じゃない。(多分建築用ステーションだったのだろう・・・)五年前の事件に対処していたのは宇宙防衛隊・・・って科学警備隊設立理由が若干霞むような・・・・?
 危険警告音を止めようと壁に体当たりするピグ。壊れたテレビじゃないんだから・・・。一応止まってほっとする。
 そこへ来たのは最新機101号(声・永井 一郎氏)試験採用として暫く科学警備隊の世話になるという。
 この101号が最新式である事を鼻にかけ、ピグのプライドを傷つけ、ちゃっかりこのまま科学警備隊に居座ろうとする。これからは確実性の時代で不確実な情報を出すのは時代遅れだと。
 さらに時代が進んでファジー(曖昧)の時代となった現在じゃそっちも時代遅れ。
((((((((._.)
 危険警告は暇さえあれば鳴り響くのを気に病んだピグはロボット工場に入院する。
 しかしアキヤマもピグの警告を無下にしていたのではなく、何度も調査に向かっていた模様。
 調査から戻ってきたヒカリは先にピグの件を聞き、101号の話は聞き流す。完全に101号への対応はお客さんに対する態度だな、あれは。
 ロボット工場へ見舞に行くヒカリとムツミ。完全自信喪失状態のピグは自ら廃棄処分を志願したという。慰める二人にピグは呟く。
「地獄でウルトラマンにあったみたいなんだな」
 それを聞いて思わずムツミに目をやって目が泳ぐヒカリ。ちょっとうろたえ過ぎ。そのあと自信を持つんだ、と懸命に励まして帰っていく。
 ところがその直後再び警告音が鳴りだした。いたたまれなくなったピグは基地を飛び出し、廃棄処分となった飛行機に乗って発信源へ向かってしまう。
 頼むからそんな状態の飛行機に燃料なんか残しておくんじゃない。それが原因で地球防衛軍は撃墜命令を出した。
 最初は拒むアキヤマだったが市街地に突入した為にピグを追ったヒカリ・ムツミが乗るベータミーに撃墜命令を出した。
 無言で標準を合わせだすヒカリ、ヒカリとピグを説得するムツミ。ようやくピグから来た通信は別れの言葉だった。
≪さよならヒカリ隊員。(ペットの)モンキをよろしくお願いします・・・≫
 泣かさる・・・・。
 その時ようやく怪獣出現。ピグに対する誤解は一気に晴れて怪獣に対する攻撃開始。しっかりピグも加わって。
 先刻も書いたけど、廃棄処分の飛行機に弾丸まで残しておくんじゃない。
 反撃を受け「キャップー、不時着します!」と戦線離脱宣言するヒカリ。傍らのムツミは既に気絶。
 となるとやる事はただひとつ。
 今回の対峙は技が多彩。流石技のデパートサンライズ。それを全部かわした怪獣が優位に立った時、ピグが背中を攻撃して決着の糸口にした。

 好きだな、という理由はピグがいい味出していた件。ペットのモンキ(最終企画書の段階では猫を飼う予定だったのが猿になったのは『ヤマト』の真似と言われるのを恐れたのか『ゼンダマン』に猫が出たせいか?)もかわいかった。
 つっこみどころに目をつぶれば、いい話だった。
記事編集 編集
六話【燃える深海への挑戦】
投稿日 : 2010/11/18 17:09
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【燃える深海からの脱出】
製作番号:七番
脚本  :荒木 芳久
演出  :古川 順康

 何故かこの話だけ絵コンテの人不明。もしかしたら古川氏が書いたのかも。
 古川氏といえばこの回古川 登志男氏が出演しているが・・・まさか・・・。
(後日後述します)

 話としては好きなんだけど、レビューを書く、と考えると何故か筆が止まる話です。
‘慣れていない’せいか展開に逡巡の跡を感じるのは気のせいでしょうか。

 海底火山が爆発。その際発生した地震はマグニチュード五.七。(現在は震源の深さも関係してくるけど、どう考えても震源の深さはごく浅い)津波も発生。その上海から飛び出した火の玉によって被災地は火の海に。
(結構死者が多いです、この話)
 この現象を調査する事になる科学警備隊。マルメは某国の新兵器説、ヒカリは隕石か火山弾説、そしてムツミは怪獣説を打ち出した。
 現場検証を行う隊員達。トベは聞き込み中心に、別行動で硝煙反応がなかった事から新兵器説が消滅したと感じたムツミは瞑目して考える。その背中に「何か、わかったかい?」と声をかけるヒカリ。
 不意に面をあげ「戻って調べてみましょ!」というムツミ。四話五話で見せたミーハーさが影潜めてる。
 本部で「やっぱりこれよ!これしか考えられないわ!」とムツミが示した資料に「君、これは!」とヒカリも色めき立つ。
 彼女が示したのは一億数千年前に生息したと言われるファイヤバドンの記述だった。
 どの説も決め手を欠く。ヒカリが助け船を出すような発言をするのだが…やや無理はある。
 それを打開したのは新たな事件だった。
 沈みかけた船がある現場にて。救助が間に合わないと悟ったアキヤマは救助に加わろうとしたが、怪獣に襲われた。
(最終決定企画書によれば彼は元レスキュー部隊隊長だったとか)
 反撃し、海に逃げる怪獣を深追いするトベ。結果としてアキヤマは彼を突き飛ばして浮上する。
 浮上してからトベを責めるマルメ。険悪な雰囲気を諌めるムツミ達。
 捨て台詞なようにマードックの改造を要求され、思わずプランはあると言ってしまったトベは詰めに苦悩する。
 そんな彼の元へピグが葡萄を持ってやってきた。
(なんて季節はずれな・・・)
 苦悩している部分をトベは呟く。
「深く潜るだけなら訳はないんだ。問題はその後。行って先を考えなきゃ、メカは完全とは言えない・・・」
 耐震偽装事件時、本気でトベの爪の垢呑ませてやりたいと思った。
((((((((((((^_^;)
 そうこうするうち、ピグは葡萄を一粒つまみ、勢いよく飛び出た中身を食べる。食べていいのか?いいけどさ。
 その姿に閃くトベ。
 紆余曲折の末、待ち伏せ作戦をとるマードック。(その前後で未収録の曲がちらほら)
 ファイヤバドンと再戦。新兵器特殊銛が刺さったものの、マグマ柱によって身動きが封じられる。
「あと三十分で耐熱温度が〜」焦るの早すぎるぞヒカリ。トベはレバーを引いて一度だけの機能を作動させた。
 それは外壁を二重構造にして、それを外し、その勢いで脱出する、という実写で実現可能かどうか、ちと悩む機能。
 衝撃の件は計算してなかったので全員気絶。一番最初にヒカリが目覚める。(この回以降、こういう展開も増えた)
 再び現れた怪獣に対抗しようと飛び出す。
 空中戦から水中戦。この時、間違いなく回想シーンとして特殊銛がファイヤバドンに刺さるシーンが挿入される。
『ウルトラマン研究序説』にて主人公とウルトラマンは同一人物かという議論は必要なかったかもしれない・・・。
 特殊銛を利用して怪獣を斃す。その爆音によって目覚める他メンバー。特殊銛を利用して斃せたというように銛を掲げ、飛び去った、と見せかけて主翼に着地。脚からヒカリに戻っていく。「あ・・・」と疲れたような声と共に倒れた直後、ムツミは彼がいない事に気づく。
 この一連のシーンに興奮しました。
 一見共闘していないようで共闘しているし、密室状態で正体を明かさず決着をつけれた状況に。
 最後にトベとマルメが喧嘩したけど結構明るく終わっている。
 改めると、少しずつ伏線を張っているな、としか言いようがなかった。
m(_ _)m
記事編集 編集
五話【パッセージャー号地底突破!!】
投稿日 : 2010/11/03 23:47
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【アフリカから来た台風博士】
製作番号:六番
脚本  :若槻 文三
演出  :石田 昌久
絵コンテ:(表記はなかったが)鳥海 永行


 今回も若槻氏。
 あらすじだけだと完全にシリアスな話になったのだが、シリーズ屈指の変人博士(すまん)ヘンリー・ニシキ教授によってコメディと化した。

 一夜にして森が消失する事件発生。
 アフリカで一年前類似事件があった事、ヘンリー・ニシキ氏が調査にあたったという書類に目を通しているとそのニシキ教授が専用機で来日するとピグが告げた。
 専用機着陸を確認するヒカリをきっかけにニシキせんせがどんな人かで盛り上がる隊員達。絶対若槻氏はムツミを単なるミーハーなロマンチストとして認識してるな。
 現れた老人は開口一番「もぐるのあるかね?」と近くにいたヒカリに問う。アキヤマからニシキ教授(声・熊倉 一雄氏)と紹介された彼は再度問う。
 うろたえつつ「あ、はい、あります。スーパーマードック号は潜れます」と答えるヒカリと補足自慢するトベ。ところがもぐるのは地面だそうで。
 現地調査に向かうというせんせは若いのは頼りにならん、とアキヤマにベーなんとか(ベータミーの事)を操縦するよう指示。立ち去りかけるが戻ってくる。
 身の危険を感じたマルメがヒカリを前に出すとその勢いで持っていた鞄を渡し「しっかり抱いてろよ、儂の命じゃからな」と言って出掛ける。

 そう言われるとヒカリは律儀です。しっかり抱いてます、ずっと。「はぁ。まいったな。」と言いつつも。

 別な場所でも森消失が発覚。鞄を抱いたままヒカリはピグにアキヤマへ連絡するよう指示。全員来るように、せんせの指示で地底探査機も持ってくるようにとアキヤマの返事。
(タイトルはその探査機名です)
 マードック内で合流。抱いていた鞄をせんせに渡そうとしたヒカリは失敗。その時「あら。」と顔が崩れる。(かわいいの)
 アキヤマを差し置いて指示を出すせんせ。トベを運転手君呼ばわりして。何度「私の名前はトベです」と言ってものれんに腕押し。
 パッセージャー号にトベ、ニシキ、アキヤマ、そしてヒカリが乗り込む。その際ヒカリは先導してハッチを開け、せんせに手を貸してやってる。この時ばかりは鞄は離してた。
 潜行していないんじゃないかと言われても「大丈夫ですよ、先生。ちゃんと進んでますよ」とフォロー。鞄を抱いたまま。
 怪獣発見。横転したパッセージャー号のハッチを開け自説が正しかった、後を追うぞと意気込むせんせをヒカリは必死で止める。危ないから。この時は席に置いて来た様子、鞄は。
 ようやく鞄をヒカリから受け取ったせんせは未発表の論文をアキヤマに渡し、怪獣の名前も考えてきた、名前は大事だと語る。物と人の名前は大事じゃないのね。

 さて。怪獣を追ったパッセージャー号が去った場所には丸太一本と卵が二個。そこから産れた怪獣はそばにあった丸太を食べ出す。もちろんこれは伏線。

 マードックに戻り怪獣殺害を主張するせんせは勝手にちょしだす。大慌てで自爆装置の存在を口にするヒカリ。そんなものつけるんじゃない。「そんなもん見れば判る」というせんせを制止しようとするヒカリを止めるアキヤマ。

 子供怪獣出現。
「タフギラコじゃ!」「タコギラコ?」
 思わず笑い出すマルメ、ムツミ、ヒカリ。
「笑いたい奴は笑え。隊長君、これがどういう事かわかるかね?」
「はっ。つまりタラコが・・・・」
\(゜ロ\)(/ロ゜)/アリャリャ

 バーディでも攻撃開始。四体目の怪獣出現。「ようし・・・」と呟いたヒカリはバーディの機首を怪獣に向け、脱出装置を作動させた。
(初期の『タロウ』でも「ようし・・・」が変身きっかけだった時あり)
 爆発するバーディを確認したようにビームフラッシャーをつけ、伸身宙返りをしながら着地。そのそばを空の射出座席がパラシュートとともに落ちていく。
 いい構図です。(初略式変身)
「ふむ。あれが噂のウルトラマンか・・・・信じられん・・・」とせんせは呟く。噂になってたんだ。
 親怪獣を倒し、子供は巨大化しないリトル光線を浴びせて事件は終結。

 その子供をせんせは引き取る。大きくなった時の事を心配するヒカリに対し「その時はウルトラマンがなんとかする、なぁ若いのに丸いの」と返され思わず直立不動するヒカリとマルメ。ややヒカリの声うろたえてる。
「送らんでいい」と言いつつ何度も戻ってくるせんせ。
 ようやく去って脱力し、椅子の肘掛けに座るトベの肩に手を置いてヒカリは言う。
「元気を出すんだ、運転手君」
 ヒカリが茶化す事はあまりないけれど、やっぱりここはヒカリの出番だと思う。
記事編集 編集
四話【謎の赤い雲を追え!!】
投稿日 : 2010/11/03 15:41
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【生きていた赤い雲】
製作番号:三番
脚本  :若槻 文三
演出  :小鹿 英吉
絵コンテ:(表記はなかったが)八尋 旭


 パート一の頃から活躍していた若槻氏の脚本。
 しかし当方としては色んな意味で頭を抱える話が多い。
 この話も悪くはないのだが・・・。
 尚、意外とコメディなシーンが多い処を見ると、やはり『ヤマト』より『ヤッターマン』を意識していたような気がする。

 科学警備隊員達の休日。トベのメカちょしシーンはいいとする。しかし残りが頭抱える。
 冒頭がマルメ。模型機関車製作が趣味はまだいい。それに乗って遊ぶ構図はかなり気を殺がれる。
 平成に入ってからNゲージの模型鉄道作りを題材にした番組があったがその時は講師も生徒も寝っ転がって模型を眺めていた。
 トベを挟んで残り二人。付近の湖にドライブ・・・って知り合って一カ月以内でやる話ではない。
 一生懸命シュミレートしました。あのヒカリがムツミを誘う口実と態度を。

 絶対無理。
\(^ム^)/

 それよりもムツミがヒカリを誘う可能性を探ってみる。
 あいつの態度等でひとつだけ、可能性のある口実があった。
「この前免許取ったんだけど、運転に自信がないの。練習に付き合ってくれない?」

 この口実ならあの態度でも納得する。
(そんな事をホームページに書いていたらDVD解説書にも書かさってた)
 湖でムツミは絵画、ヒカリはギターの爪弾き。
(結構離れてる)そこへ呼び出し。ヒカリは素早く車に乗り込み、運転席側を開ける。
 ムツミは道具を片付け、キャンパスを脇にはさんで・・・・ってお嬢さぁ〜ん、そんな事したら洋服汚れるよ〜。
(導入部で何をこんなに語っているんだろう?)σ(・_・)

 全員集合。くもと言われて蜘蛛を連想するヒカリ。妙な赤い雲が発生。出動する際トベは特別装備を指示する。この辺は芸が細かい。
 ドライアイス弾で雨にしようとしたが失敗。一部を採取。
「こうやって見るとただの普通の雲ね」ってムツミ、フラスコの中で水滴もつかず一か所に固まっている状態は普通の雲じゃありえないって。
 本部で雲を分析する為トベ離脱。ヒカリに主力機スーパーマードック号の操縦を頼む。
 日本アルプスまで流れてきた赤い雲。大雨警報発令。雲が生命体である事が判明する。
 雨が雲に影響する実験を指示するアキヤマ。そして雨に打たれて雲が怪獣化した。
 ヒカリはバーディ、マルメはもう一種の小型機・ベータミーで攻撃開始。ダムの人造湖に落ちた怪獣を追ってあっさりさりげなく水中戦を繰り広げるマードック。
 そうこうするうちベータミー不時着。必死で呼び掛けるヒカリの声で目覚めたマルメは「ヒカリ!なんとかしないと・・・早くなんとかしないと!」と言い続ける・・・ヒカリに言われても・・・。
 手があるといえばでバーディを着陸させるヒカリ。
 変身道具・ビームフラッシャーを手にした時、落石が直撃。
 実は変身道具を取り落す展開はこの話と十五話、そして二十五話しかない。
 赤い雲は水分を苦手とし、大雨が降っている状態だと暴れ回り、不死身状態という事で‘二人’が行ったのは雲海へプラニウム光線を放って低気圧を消滅させた。
 天候を利用した演出は結構難しいと思う。
 気体状態となった雲をまとめ、飛び去る姿に「宇宙に運び去った」とナレーション。
(公式設定だとマッハ八らしいが、証拠隠蔽等を行わなければならないので、その十倍以上で飛ばないと無理)
 夕焼けを窓辺で眺めるヒカリと珈琲を飲むムツミ、ソファに座って寛ぐ残り。一般問い合わせの電話に出たマルメが声を荒げる。「何、赤い雲?」
 思わずカップを取り落すムツミ。
(個人意見だが、珈琲を持っていたのはヒカリの方がよかったような気がする。余計に動揺する姿を印象付けるから)
 くもが蜘蛛だと知ったマルメはずっこける。それをきっかけに一同は笑う。
 笑い声で終わる展開はこの話以降中核となった。
記事編集 編集
三話【草笛が夕日に流れる時・・・】
投稿日 : 2010/10/06 16:52
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【海に流れた草笛】
製作番号:五番
脚本  :星山 博之
演出  :四辻 たかお
絵コンテ:(表記はなかったが)布川 ゆうじ

 はっきり言って。揶揄評論の八割はこの話で否定出来る。
 あの時代サンライズ作品空想科学物語を殆ど手掛けていた星山氏が既に参加。
 他にも美術が中村氏、メカデザインが大河原氏。
 当初から参加している事に目をつぶっている。
 おまけに制作プロデューサーも同じ人。
(野暮は書かない)

 十合山より出現し、城下町を襲う怪獣をマルメが斃す。ヒカリが出動しなかったのはムツミと共に科学警備隊ブロック予備会議に出席していた為。
 意気揚々と被害状況を調査するマルメとトベは怪獣処理班の中に宇宙生命研究班主任・島田の姿を見た。
 昔『ウルトラマン研究序説』という本に怪獣の死体はどこで誰が処分するかという話題となり、防衛隊が処分すべきだと結論づけていたが、これはその数年前に作られている。
 島田から細胞生命力の強さから斃す際飛び散った肉片から新たな怪獣が再生する可能性を示唆されたマルメは動揺する。
 後に『ダイナ』の【二千匹の襲撃】で似たような話があったが、ギアクーダの死体が川を流れていくシーンに戦慄を覚えた。
 草笛を吹きながら帰宅途中だった少年タカシ(声・小原 乃梨子さん)はワニみたいな小動物を発見する。
(ローカル番組『おにぎりあたためますか』によればワニの肉を骨から外しても一時間くらいは動き続けるらしい。だから名前がワニゴドンとか)
 宿舎の廊下でうろうろするマルメを寝間着姿の同僚が気遣う。意外と私服シーンは少ない。
 翌朝最悪の調査結果を聞かされたマルメは基地を飛び出し、タカシは動物を洞窟に隠した。
 下校中タカシは男に話しかけられた。それは隊員服を着たマルメだったが、それに気付いていないタカシがおかしい。
 その際マルメはペットを飼う覚悟を諭す。
 連絡を受けたアキヤマはタカシを引き離すよう指示。現場に向かった時洞窟を破壊しながら昨日の怪獣が出現した。
 下手な対策は前日の二の舞となる。対策を考えようとする中出現するウルトラマン。
‘彼’の足元をすり抜けていくムツミ達。くるぶしあたりが彼女の身長位だったが・・・・。精査したら嫌な予感がする。
(おなじく『おにぎりあたためますか』に出た原寸大のRX-78は大泉 洋君の腰辺りがくるぶし付近だった)
 一方マルメによって現場から引き離されたタカシは怪獣出現とそれを引き止めるマルメの姿にようやくマルメの正体に気づく。いくらなんでも遅すぎる。
 苦戦中二体追加。今後に禍根を残さない倒し方のヒントを求められたマルメは動物が海を怖がっている態度をとっていた事を思い出す。
 昔から言えることだけど、ウルトラマンに呼びかけるの相手理解出来てると思って叫んでるのかな?一応理解しているからいいけど。
 一方タカシは怪獣とペットが同じだと信じられず、納得する為に草笛を吹いた。皮肉にも残っていたのはペットのペロだった。
 事件解決。タカシは怪獣がペットだった事を悲しみ、マルメはタカシがペットを飼う責任を全うしたと言い続けた。
 毛色の違うSFを両立させている星山氏の研究はもう少し突き詰めて欲しい。
記事編集 編集
二話【光るペンダントの秘密】
投稿日 : 2010/09/30 15:08
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【すばらしい誕生日】
製作番号:四番
脚本  :吉川 惣司
演出  :古川 順康
絵コンテ:(表記はなかったが)鳥海 永行


 吉川氏初参加話。
 タイトルだけ見ると変身道具がペンダントかと勘違いしたのは当方です。
(実は当方も反発組だったが、邂逅シーンが気になって二話の途中から観始めた)
((((((((((((((((((((((((((((((((((((((._.;)

 仮題で判る通り、数少ない誕生日話。
 相手はヒロイン・ムツミ。
 それを軸にして隊員達の性格を明確にする話となりました。
 製作番号通りに放映されると四月二十五日になっただろうけど、四月十一日に放映したのは正解だと感じる。

 ちなみに、LD解説書によるとキャラデザインはヒカリとムツミはすぐ決定になったものの、他隊員トベとマルメはかなり苦労したそうです。
 結果としてトベはどこから見てもパート一のイデ隊員、マルメは髪型整えたみみずくの竜になりましたが。
((((((((((((((((((((((((((((((((((((((((((^_^;)
(兼本氏の起用は通称‘恐竜三部作’に全部出演している時点で明確だったと思います)


 実験中の潮流発電所が竜巻に襲われ壊滅した。その調査を命じられるヒカリとムツミ。
 廊下に出た後命令に躊躇した彼の態度を問う彼女に「キャップもきついよなって・・・明日は君の誕生日なのに・・・」と返す。
 裏展開が色々あったような印象が生じる。
 一方マルメはトベに頼んで彼女に渡すプレゼントを作ってもらって受け取りに向かう。
 部屋は真っ暗。訝った直後閃光が部屋に満たされた。
 なんとこのシーンが逆転への伏線。
 ペンダントを受け取ったマルメはサポートロボット・ピグ<デザインは想像通り>から話半分で出張の件を聞き、ヒカリを自室に監禁。
 自室なのに「誰だい?いたずらはやめて開けてくれよ!」とノックしてしまう彼がいい。
 ムツミの出張に同行し、勢いでプレゼントを渡すマルメに対し頑なな態度をとる彼女の態度にカッとなってプレゼントを投げ捨てる。
<ちょっと短気過ぎる・・・>
 思わず拾った直後ヒカリが追いつく。<どうやって出たのか永遠の謎>三機で水力発電所を襲う竜巻を怪獣と判断。手の形した竜巻はちょっとなぁ。
<このシーンだけだったが>
 とかなんとかしているうちムツミの乗った小型機・バーディが竜巻に巻き込まれてしまった。
 ムツミ救出に向け、基地動力を囮に竜巻をおびき寄せる作戦に出る科学警備隊。
 現れた竜巻にミサイル攻撃がきかない。(やるしかない・・・例え、勝ち目がなくても・・・)とヒカリが無謀な戦いを挑む決意を固めた時、トベはマルメに作ったペンダントに閃光弾を仕込んでいた事を告げた。
<十数年前、トベと同じような理由で部屋で花火上げてぼやを起こした事件聞いた記憶がある>
 その言葉を背に別行動を開始するヒカリ。マルメが乗ったバーディも巻き込まれた竜巻にいきなり必殺技・プラニウム光線を放つのはよく考えたらかなり乱暴。それすらも弾き飛ばしたからよかったけど。
 竜巻はバリア代わりであって、本体は心臓に毛が生えたような姿。更にアメーバ風な動きを見せるというアニメでないと難しい怪獣。
 事件解決。ムツミの誕生パーティを開く隊員達。「誕生日おめでとう」と大きな箱を渡すトベの隣で「これ、僕の・・・」と小さな箱を差し出すヒカリの顔がいい。
 宴のさなか、ピグがケーキを持ってきた。添えられたカードには隊長・アキヤマの名が。
 慥かに最終企画書や『戦え!(略)セブン』の企画書にもそんな記述があったけど、印象強いシーンに花を添えていた。

 さいご。
 ウルトラマンの話題が出た時、ヒカリの笑顔がちょっとやーらし。
記事編集 編集
一話【新しいヒーローの誕生!!】
投稿日 : 2010/09/19 01:15
投稿者 ZAP01533
参照先
仮題  :【来た!神秘の使者が】
脚本  :阿部 桂一
演出  :石田 昌久
絵コンテ:(表記はなかったが)鳥海 永行


 諺に≪新しい酒袋には新しい酒を入れよ≫というのがある。
 アニメという【新しい酒袋】にどのような【酒】を入れていくのか、それをファンは納得するのかという最初から要となった話。
 まず特筆すべき点がある。
 今までの中で、第一話でありながら一番コミカルさとシリアスが同居し、人命が失われなかったという展開である。(主人公含む)
 もうひとつ付け加えるならば、初期シナリオの段階よりもヒカリに焦点が絞られている点である。

 初期シナリオでは冒頭宇宙ステーションEGG-3(エッグスリーと読ませる)でのやりとりはなかった。
 それがヒカリ達が異常現象を目撃してただならぬ気配を感じるシーンから始まっている。
 異常現象を重視した地球防衛軍は新組織・科学警備隊を各地に設立。日本を中心とした極東ゾーンにも立ち上げられた。
 隊長として選出された男は人選一任を条件に承諾。隊員たちが決まっていく過程はややコミカル。
 そしてヒカリが辞令を受け、地球へ帰還する。その際彼は先輩に家族に対する伝言を買って出ている。さりげなく。

 地球へ戻る途中、移動艇は謎の輝きに包まれた。
『ティガ』のイルド以降、当方は誰が何と言おうともこの行為は襲撃だと言い張っている。
 イルドは問答無用、‘彼’は説明はしたものの、同意する前に実行。その上場所も悪い。
 初期シナリオでは気を失うと記述されていたヒカリは視聴者が気を失ったかどうか認識する前に場所が一変。
 輝く白い空と何もない地平、靄の向こうから何者かが歩いてくる場所に彼は立たされていた。
 対峙する格好で現れたウルトラマンと名乗ったものは、異常現象は自分が行った事と、ヒカリの肉体が必要だと告げて彼を眠らせる。
 目撃者がいた上に変わっていく過程を実感出来たイルドと違って眠ったヒカリは夢だと想い込む。
 故に一瞬言いかける。
「そう言えば地球へ戻る時に、妙な事が・・・・妙な気が・・・・夢を見てたのかなぁ・・・・?」

 そう言えば、その後似たような体験した場合、実写ではすぐ信じる人が多いのに、アニメでは一瞬、夢だと想いかける。『ライジンオー』にしろ『エクスカイザー』にしろ『フィギュア17』にしろ『バーディーDECODE』にしろ。

 初出動でエレベーターに乗り込もうとしたヒカリは何故かよろける。その直後紅一点ムツミは星飾りを拾って彼に渡す。
 それが変身道具だったのだが、一番最初にそれを手にしたのが主人公でなかったという展開は今後難しいと思う。

 怪獣出現、苦戦中ヒカリの乗る小型機不時着。気を失っていたヒカリは‘夢’の声に起こされ、変身方法を告げられる。
 第二期では本能的に変身していたのに対し、方法を教わり、それでも信じ切れずに逡巡する姿は本来着目すべき点だったと思う。

 変身後の戦闘シーン、場所が東京湾近くで海上を凍らせて出来た足場という設定なので比較対象がない。しかしそれが逆に人命被害がない話におちつく状態でもあった。
 投げ飛ばされて氷上を滑る怪獣の姿は賛否両論というより否が多かったようだが。


 今回、数年ぶりの後十数年作られず、アニメを中心に活躍するスタッフが多い事も手伝って関わったのはこの作品が最初で最後、というスタッフが多数。
 阿部 桂一氏もその一人で『アイゼンボーグ』には関わったものの、これにはこの一話にしか関わってはいない。
 しかし彼は後に続くスタッフに宿題と根幹に関わる伏線を残した。
 対峙した時ヒカリは怪我ひとつ負っていない状況だった点と、やっと信じ始めたけど疑問符が募る彼に対し「それ(の疑問)はやがて判る事だろう。君自身の手で」と‘彼’に言わせた点である。
 何故‘自分達’の事を秘密にしなければならないのか。

 その宿題を吉川氏が継ぐのだが、これは後日に回す。
記事編集 編集
企画が似てる・・・・。
投稿日 : 2010/09/15 23:33
投稿者 ZAP01533
参照先
 昔いくつかの遊園地で巨大だけど実物の半分の大きさだったウルトラマンとバルタン星人のアトラクションが開催されてた時、岩見沢の遊園地で立ち読みした話です。
 要約すると超初期企画書のあらすじはこんな風な話だったらしい。

 有人宇宙探査機が事故を起こし、漂流を続けていた。
 それを発見したM78星雲の人々は搭乗者・ヒカリ 超一郎を救出。修理された探査船と命の恩人と共に彼は地球へ帰還した。
 だが、一年ぶり、の地球では十五年の歳月が流れていた。
 やがてヒカリは新設された組織・ウルトラレンジャーに配属され、エミリー=ベンソン、フルハシ隊員と共に様々な事件に直面していく・・・・。

 読んだ直後『宇宙刑事シャイダー』【ミュータントの恋】を髣髴とし、フルハシ役として毒蝮 三太夫氏の起用を示唆、そして“ウルトラレンジャー”という単語に何故か見覚えがあった。
 某同人誌によればこの企画書を提出後テレビ局が提示した予算はかなり落胆させられる金額だったらしい。
「これはアニメの予算だなぁ」このぼやきが数奇な展開への入り口だった。
 そのぼやきからアニメ化の企画に変更され、とんとん拍子に決まっていったという。

 さて、帰宅後気になっていた“ウルトラレンジャー”を雑誌『宇宙船』で調べてみるとあっさり発見した。
 後にLD版の解説書にて最終企画書が掲載されたのだが、おおまかな部分は違うものの、詳細が妙に“ウルトラレンジャー”が記載されていた没企画書『戦え!ウルトラセブン』と酷似していた。
 実際、隊員服の雰囲気と変身方式は『セブン』を髣髴とさせている。

 数奇な人気を背負わされたこの作品はこうして始まった・・・・・。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -