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「ルパンの消息」
投稿日 : 2011/11/07 16:53
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:水谷俊之
プロデューサー:青木泰憲、平部隆明
原作:横山秀夫「ルパンの消息」(光文社)
脚本:田辺満、水谷俊之
音楽:窪田ミナ
企画協力:越智貞夫

<出演>
上川隆也/岡田義徳/佐藤めぐみ/新井浩文/柏原収史/津田寛治/正名僕蔵/中村靖日/山田辰夫/吹越満/街田しおん/下元史朗/俵木藤汰/江畑浩規/宮地真緒/相馬一之/遠藤憲一/塩見三省/羽田美智子/長塚京三、他

2008年 WOWOW
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Re: 「ルパンの消息」
投稿日 : 2011/11/07 16:54
投稿者 久保田r
参照先
 2008年9月のWOWOWドラマ作品。原作は、「半落ち」「震度0」などのベストセラー作家の横山秀夫氏がデビュー前に書いた作品。社会を震撼させた三億円事件と複雑な糸で繋がるスリリングな作品。

 刑事の溝呂木は、三億円事件の容疑者の取り調べ中に時効が成立してしまい、逮捕できなかった悔しさを抱えて生きてきた。ある日警察へ「15年前の女性教師の自殺は、実は他殺だ」という密告があり、時効成立まで後25時間ほどしかない中、捜査の指揮官に溝呂木が任命される。奇しくも三億円事件と同じ日だということに因縁を感じながら、溝呂木は事件の真相を突き止めるために当時の関係者の取り調べを続けてゆく。そして、捜査を続けていくうちに意外な繋がりが浮上する。

 ドラマの冒頭で三億円事件のあらましを見せ、取り調べの最中に時効が成立してしまうという刑事にとって最大級の屈辱を丁寧に見せているのがよかった。溝呂木刑事の悔しさと対して容疑者の悠々とした態度が妙に印象に残る映像となっており、これを踏まえた上で「女性教師殺害事件」の捜査の展開を見ていくと、次第に明らかになってゆく事件の意外な繋がりと接点に、いやがうえにも事件解決への期待が高まってゆく非常に丁寧な作りの作品であると感じた。

 警察署の取調室の中という薄暗い室内の描写が多いが、場所の質感を出す映像が綺麗で、光の捉え方が実に美しい。キャストも光っており、外見から性格が伺えるような分かりやすい人物像を、各キャストがそれぞれに丁寧に演じているのがよかった。全体的にとても丁寧というのがこのドラマの印象。時間の経過の描写の丁寧さ、演出の丁寧さ、台詞の丁寧さといったドラマに必要なあらゆる点が丁寧に作り込まれていてよかった。事件の真相がわかって「ハイ。これで終わり」ではなく、関係した登場人物の気持ち一つ一つにまで目配りがなされており、観賞後の印象がとてもよかった。じっくりとドラマに向き合える良作。

 追記。
 タイトルがわりに奥深い。かの「ルパン」とは直接には何の関係もないが、作品の中でこの名を使った意味について考えると、なかなかの奥深さに考えさせられる。
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