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「蒼い瞳とニュアージュ」
投稿日 : 2012/02/06 17:24
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:水谷俊之
プロデューサー:青木泰憲、平部隆明、梶野祐司
原作:松岡圭祐「蒼い瞳とニュアージュ 完全版」
脚本:青島武
撮影監督:小松原茂
音楽:窪田ミナ

<出演>
深田恭子/萩原聖人/佐津川愛美/柄本佑/寺田農/佐藤江梨子/田口浩正/片桐仁/山崎一/丸山智己/大鷹明良/田代さやか/橋本じゅん/小林且弥/笠木泉/上野なつひ/土肥美緒/松岡佳音/稲葉さゆり/松岡璃奈子/藤田朋子/篠井英介/松重豊/麻生祐未/石橋凌、他

2007年11月25日 WOWOW放映
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Re: 「蒼い瞳とニュアージュ」
投稿日 : 2013/09/04(Wed) 23:16
投稿者 Excalibur
参照先
『催眠』嵯峨敏也、『千里眼』岬美由紀に続く第三のカウンセラー、一ノ瀬恵梨香が活躍する松岡圭祐のベストセラー小説『蒼い瞳とニュアージュ<完全版>』をWOWOWがドラマ化した作品。

この『<完全版>』というのが曲者なんですよねぇ。
松岡圭祐作品の場合、単行本から文庫化される際に加筆訂正は当たり前。版元が変わったりすれば、それはどんどんエスカレートしていく。
中には殆ど改稿されてしまったり、もしくは全く別の物語になってしまっていることもしばしば。題名だけ同じで別のストーリーだったり、或いは題名もストーリーも全く別のものになってしまったりと、刊行順に追いかけて行かないと収拾が付かない有様。
『催眠』シリーズも『千里眼』シリーズも途中までは読み続けていたけれども、丁度この『蒼い瞳とニュアージュ』の<オリジナル版>が出た頃から、遠ざかってしまっておりました。
なので、この作品もどんなお話かは知りません。
そして<完全版>で、どこがどう変わったのかも。

ドラマは、歌舞伎町のキャバクラで立て篭もり事件が発生したところから始まります。
事件そのものは犯人の自殺で幕を閉じるのですが、PTSD(外傷後ストレス障害)予防のため、人質となったキャバクラ嬢たちは警察に保護されることになり、そこに現れたのが臨床心理士・一ノ瀬恵梨香。ど派手なファッションで周囲からは煙たがられますが、その能力は抜群。立ち会った警察庁特別捜査支援室の宇崎は、その彼女の能力に感服します。
その頃、警察庁には爆弾テロを予告するビデオ映像が届いていました。警察が駆けつけたときには既に犯人は自殺しており、ビデオが残されていたのです。そしてその背景にあるのは、謎の青酸カリばら撒き事件。実は立て篭もり犯もこの男も、同じ青酸カリを服毒して自殺していたのです。
捜査は難航し、打つ手のない警察陣。そこで宇崎は、一ノ瀬恵梨香の協力を得ようとするのですが…。

TVドラマということもあるでしょうし、元々の原作がそういうお話だったからなのかも知れませんが、それほどの大仕掛けはありません。犯人とその動機も今一つ伝わってきていない部分もありましたが、それでも面白かったですね。
そして原作を読んだ人がどう感じるのかはわかりませんが、このドラマを見る限りでは主演の深田恭子は適役だと思います。
派手なファッションも、他を圧倒する行動力や奇抜な発想も、彼女なら納得してしまいます。結構胸元の大きく開いた服を着たりもしてるのですが、本人に媚を売ろうという姿勢が見られないせいもあって、下品にはなっていません。これで品がなかったら、ドラマは一気に低俗化してしまったでしょうけれども。
キャリアであっても低姿勢、恵梨香とコンビを組む宇崎を演じた萩原聖人、現場を仕切っている石橋凌、キーパーソンとなる麻生祐未、脇を締める寺田農らも何れも好演です。
まぁ、難を言えば宇崎の上司を演じた佐藤江梨子でしょうか。ちょっと狙いすぎかなぁ…。

原作はシリーズ化され、『千里眼』シリーズともドッキング。
ということで映像版の方も嵯峨敏也=稲垣吾郎、岬美由紀=水野美紀、そして一ノ瀬恵梨香=深田恭子の共演で作って欲しかったところですが、どうも自主映画のような形での『千里眼』リメイクや、『万能鑑定士Q』シリーズの映画化が細々と動いているようで、ビッグバジェットとは無縁のようですねえ。

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Re: 「蒼い瞳とニュアージュ」
投稿日 : 2012/02/06 17:24
投稿者 久保田r
参照先
 「催眠」「千里眼」シリーズで知られる松岡圭祐さん原作のドラマ化。臨床心理士の一ノ瀬恵梨香は、クラブで起きた立てこもり事件の被害者たちの話しを聞くために、警察庁の宇崎に呼ばれて病院に来た。髪は明るい茶髪、胸元の開いたブランドの服、ブランドものの派手なバッグと小物を身にまとった彼女は、およそ臨床心理士とは思えない姿であったが、瞬く間に被害者の女性たちの心を掴んだ。後日、甲斐塚英人と名乗る男性が、国家的テロを匂わせるビデオを残して服毒自殺をした。すでに3つのうち1つの爆弾が爆発しており、警察庁は特別捜査班を設置し、極秘裏のうちに捜査を開始した。宇崎は、独自の判断で一ノ瀬恵梨香に協力を要請する。犯人の残したビデオを見た恵梨香は、てきぱきと行動を開始し、そして徐々に犯人の真の理由と目的へと迫って行った。

 ストーリーに二つの軸があり、一つは3つめの爆弾の在処と、もう一つは主人公の一ノ瀬恵梨香の心の中。この二つの軸が、事態の進展と共に巧妙に絡み合いながら、且つドラマが進むにつれて次第に謎が解けてゆくという、一見複雑な様相の中で登場人物達の心理描写をドラマチックに見せている見応えのある内容となっている。

 ドラマに登場する物事のリアリティさを追求し始めると、色々と分かり難い部分や説明不足な点などが目につくが、「人間の心理」に焦点を絞って見ると、なかなかに魅力的な作品であると感じた。ドラマの中の一番の謎は、一ノ瀬恵梨香の心の闇なのだが、彼女の身に起きたことや心理的な事柄を描写したイメージ映像が、見る側に対して彼女が何故臨床心理士となったのかを抽象的に伝えており、彼女が何故ああもしなやかで強い精神力で他人と接することを恐れずに前へと進んで行けるのかが感覚的に分かる内容となっていて良かったと思う。

 一ノ瀬恵梨香と接しているうちに影響を受けた警察庁の宇崎の存在がよかった。彼は、恵梨香のことを認め、偏見なく接し、キャリアでありながら縦社会のことに疎く、飾らない人物。かと思うといざという時に頼れる芯の強さを持っており、恵梨香のよき相棒という雰囲気が表れていてよかった。相棒と言えば、捜査一課の須藤も人の言うことに耳を貸す好人物で、頼り甲斐があってよかった。

 冒頭からずっと様々な伏線が張られてあり、何がどこで繋がるのかといった謎めいた展開が見る側の興味を引っ張っていてよかったと思う。最後に複雑な事態と人間関係が明らかになった時、私は思わず目頭が熱くなった。このドラマが伝えようとした「親の愛」が、一気に胸を込み上げ涙が流れた。サスペンスドラマではあるけれどいくつもの親の愛情の形が描かれている。

 見どころは、やはり何と言っても主役を演じた深田恭子さんのファッション。美しさを存分に堪能できる着こなしとスタイル。
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