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「TAKE FIVE 〜俺たちは愛を盗めるか〜」
投稿日 : 2013/04/26(Fri) 15:50
投稿者 久保田r
参照先
放映:2013年4月19日 夜10時〜 TBS金曜ドラマ

<スタッフ>
原案脚本:櫻井武晴
脚本:藤井清美、丑尾健太郎
演出:岡本伸吾、渡瀬暁彦、川嶋龍太郎
プロデュース:伊與田英徳
音楽:菅野祐悟
音楽プロデュース:志田博英
主題歌:「GIVE ME LOVE」2PM
劇中歌:「Take Five」JUJU
製作著作:TBS

<出演>
唐沢寿明/松雪泰子/松坂桃李/六角精児/入江甚儀/千葉雄大/福田彩乃/江田結香/阿部進之介/駿河太郎/でんでん/JUJU/倍賞美津子/稲垣吾郎/峰竜太/小林隆/菅原大吉、他
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最終話
投稿日 : 2013/06/28(Fri) 13:19
投稿者 久保田r
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 帆村正義の逮捕後、盗品倉庫に「ルクレツィアの肖像」を見に行った笹原瑠衣は、何者かにスタンガンを当てられ気を失ったままどこかに連れ去られてしまう。取り調べの最中に瑠衣の上司の増田からそのことを知った正義は、手錠を外し芝大門署から逃走する。正義はTAKE FIVEの仲間と合流し、南と均に絵の行方を追うよう指示し、自分と晴登は笹原瑠衣の行方を追った。瑠衣の命には危険が迫っていた。古賀美術館にいることを突き止めた二人は、瑠衣を盗み出すために美術館へと急行する。

 巡り巡って物語がスタートした第1話の内容とちゃんとリンクして終わっているすっきりとした最終回。言い換えれば第1話の時点で物語の着地点を見据えていたということであり、きちんとした構成のストーリーの基、後味のよいドラマとなっていて良かった。

 最終話は「ルクレツィアの肖像」を巡って起きた20年前の刑事殺人事件の真相解明に焦点が絞られているため、全体的にシリアスかつドラマチックさを演出する映像が多くやや冗長気味ではあったが、しかし20年間抱え続けた正義の父と瑠衣の父の死の真相がようやく明かされるとあって最後まで緊張感を持って見ることができた。

 総合としてキャスティングがよかったと思う。ロマンスの要素を盛り込みつつも決して一線を超えずに甘いムードに流されずに最後の最後まで笹原瑠衣は笹原瑠衣のまま、帆村正義は帆村正義の立場のままで物語の終わりを迎えたのがとてもよかった。こういう微妙な距離感こそ泥棒を扱ったドラマの醍醐味かと。

 また、正義と瑠衣を取り巻く登場人物たちにも魅力的な個性が揃っており、それぞれの役割の中で人物の年齢に応じた個性が発揮されていて良かった。ホームレスの女性役を演じた倍賞美津子さんは流石の貫禄。ルーズな格好をしつつも知的さを漂わせた絶妙なバランスを見事に演じていた。TAKE FIVEの5人のメンバーは、それぞれの個性に魅力があってよかった。特に9話と最終話では、岩月櫂がスマートで格好いい。正義との連携を全く悟らせないクールビューティーさが光っていた。そして最終話では、矢野昇太郎役の千葉雄大さんが若手刑事の熱さを全力で演じていた。

 視聴者にそれとなく匂わせつつ各話のストーリーの中でゆるやかにリードし、最後にきちんとした大団円。始まりと終わりがきちんとしているドラマを見るのは実に気分が良い。そして全てが終わった後の隠し球。「TAKE FIVE」を歌う彼女の正体を知った時、これまでの繋がりと”愛”が一気に目の前に開けたような気がした。そしてバーテンダーの存在。捉えようによっては彼が主役だったかも知れないという、なくてはならない存在。「TAKE FIVE」は、大人の距離感を楽しめる良いドラマだった。
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第9話
投稿日 : 2013/06/20(Thu) 16:10
投稿者 久保田r
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 舞台の上で銃口を向けられる帆村正義。父を殺した犯人の息子が正義がであることを知った笹原瑠衣は、刑事として正義に銃を向けていたが撃てずにいた。そこへ天井から大きな白い布が落ちて来て瑠衣を覆い、その隙に正義は逃げた。正義は仲間から叱咤され、やがて落ち着きを取り戻す。瑠衣もまた銃を撃てなかったことに対して落ち込んでいたが、部下の矢野からの「ぼーっとしてる暇はないですよ!」の声に自分を取り戻す。正義らTAKE FIVEは、20年前の真相を知るために芝大門署の留置所から小堀杏子を盗み出すことにする。その動きに合わせるように積極的に岩月が正義に協力していた。

 「ルクレツィアの肖像」を巡って20年前に起きた刑事殺人事件の真相解明に向けて全力で動き出した第9話。真相を知る以外にも、刑事を殺した犯人の息子の正義と殺された刑事の娘の瑠衣の”愛”の行方も気になるところ。出会ってはならない禁断のふたりゆえ、どんな形の”愛”へと行き着くのかに興味が募る。そして、ふたりを取り巻く人物たちの正体も気になるところ。

 今回、バーテンダーの正体が明らかになり思わぬ隠し球に意表を突かれたが、そういえばこれまで意味ありげにバーテンダーを映すショットが度々あり、それがこういうことだったのかと納得のいく正体ですっきりした。すっきりしないのは、警察の面々。盗品倉庫係の香川竜一は、過去にどんなことがあって今の部署へと配属になったのかということと、最大の謎は岩月櫂。岩月は、第1話の東都銀行の事件の際にHトラストのデータを巡って単独で”何か”を探っており、そのデータを欲してTAKE FIVEに近づいた経緯がある。今回の”ユダ”のような行動は、果たして岩月の目指したゴールなのであろうか。いや、まだその先に”何か”があるようなニュアンスを笹原瑠衣との会話で交わしているので、第10話での活躍に期待したいところ。

 今回は、この岩月櫂が見せ所。バー「スウィングタイム」で正義から「何かを隠している」と指摘された後の表情が、美形ならではの整った妖しさに包まれていてさすがの雰囲気。またこのシーンでは、岩月の眼鏡の端が一瞬小さくキラリと光ったのも効果抜群。照明の演出がとても綺麗に決まっている。そして今回は、カメラワークが格好良く決まっていたのも良かった。ほどよい角度と心理描写を表す動きがドラマを盛り上げている。
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第8話
投稿日 : 2013/06/19(Wed) 14:41
投稿者 久保田r
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 ある夜、とある邸に”美しき泥棒”が現れる。追っ手の警備を華麗に躱し夜の街に姿を現したのは、見るからに”スター”のオーラをまとう女性5人組の窃盗団「TEAM FIVE」。彼女たちは宝塚の各組のスターで、”愛ある盗み”をイディオムとして主に関西方面で悪から盗んで弱者を救うという活躍を繰り広げていた。彼女たちは、TEAM FIVEを統括する宝塚のプロデューサーの五十嵐から個人的な盗みの依頼を受ける。それは、ある女性から「ルクレツィアの肖像」の盗むという依頼で、盗みに成功したTEAM FIVEは、いつもの通りチーム名を記したカードを残していた。

 敵を欺くには先ずは味方と視聴者から&宝塚スターの華麗なる姿を堪能する回。といった内容の第8話。宝塚スターが5人も出演するということでゲストの見せ場がメインの少々お気楽な内容なのかと思いきや、予想に反してストーリーの核心に触れる大切な役割を担っている。宝塚スターらと共にプロデューサー役でゲスト出演した宮川一朗太さんが鍵となる人物を演じており、20年間に渡って「ルクレツィアの肖像」を隠し持っていたホームレスの女性、小堀杏子の正体を明かす。正義らTAKE FIVEがこれまで追って来たのは小堀杏子が五十嵐の父親の協力のもと描いた贋作であったことが発覚するも、贋作とはいえこの肖像画を巡って後藤が殺されるなど重要な謎を抱えているため、未だ明かされぬ真実を求めてTAKE FIVEの活動はこれからも続く。

 今回は、登場人物を演じる俳優それぞれの個性を活かした芝居を見ることができて楽しかった。ホームレスの女性役を演じる倍賞美津子さんの絵に対する焦りや正義への態度、何でもきちんとしたい主義の岩月の無表情さの奥にある微妙な表情、正義にライバル心を燃やす晴登の若者らしい傲慢さ、何事にも臆することのない正義の堂々とした姿勢、父親を殺したTAKE FIVE逮捕への執念を抱き続ける笹原瑠衣のブレのない行動、そしてゲスト出演の5人の宝塚スター特有のオーラ。これらの個性がドラマの中でそれぞれの人物の役割として演じられてあってなかなかに見応えがあってよかった。

 ストーリーが真相の追求へと迫ったため、以前のようなコミカルなシーンがなくなってしまったのは残念なところではあるけれども、それを補っているのが宝塚スター5人の存在。彼女たちの持つ宝塚ブランドのオーラは、ドラマの中で異彩を放ちつつも目新しさを加えているためこれまでとは一風変わった映像美となっていて美しかった。普段宝塚の舞台を見ない私でも独特の格好よさに思わず引き込まれたほど。このような個性の強いオーラをまとった宝塚スター5人であるが、ドラマの主役である帆村正義役の唐沢寿明さんの存在がしっかりとドラマの流れを握っているため、場の空気が飲み込まれるということは一切なし。しっかりと『TAKE FIVE』のドラマとして宝塚スターが活きており、予想以上の出来映えになっていると感じた第8話であった。

 今回のベストアシスト賞は、正義の助手の柿沢なな役を演じた福田彩乃さん。天然な無邪気なキャラが役立っていた。
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第7話
投稿日 : 2013/06/04(Tue) 14:31
投稿者 久保田r
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 偽TAKE FIVEとの勝負に勝利した帆村正義であったが、銃を向ける後藤に「ルクレツィアの肖像」を奪われてしまう。しかし後藤は何者かに背後から釘打ち機で喉を撃たれて殺害され、再び絵の行方は分からなくなってしまう。現場に落ちていたイヤリングからTV局の美術スタッフである堂城一馬が容疑者として浮かび上がる。実は一馬は2年前、笹原瑠衣が窃盗で逮捕した少年であり、少年院から出所し保護監察中の身分であった。警察と同時に正義らTAKE FIVEのメンバーも一馬と接触。だが、見学と称してTV局に来ていた岩月櫂を目撃した瑠衣は、岩月に対して疑念を抱き、夜、岩月を尾行する。

 偽TAKE FIVEとのシリアスな勝負から一転し、後半戦に向けて仕切り直しをした感のある第7話。前回のシリアスなムードを引きずったまま見始めると途中から若干の違和感を覚えるものの、それでも正義らTAKE FIVEのメンバーと笹原瑠衣との間に進展があり、新たな関係と緊張感が生まれる中、今後のドラマの行方が気になる内容での締めくくりとなっている。

 今回のストーリーは、正義と笹原瑠衣の次への関係のステップを描きながら「ルクレツィアの肖像」絡みの別事件の真相を告白するという展開となっているためTAKE FIVEの華麗な活躍はほとんどなし。正義がいつどのタイミングで今回の事件の真相を知ったのかという伏線となる描写がほとんどないままラストの謎解きのシーンへと進んでおり、全体の作りの雰囲気は推理ドラマ風。差し詰め正義が名探偵という役どころであり、心理学の教授らしい読み解きで真実を見抜いている。

 睡眠薬入りの矢で眠らせるというそのままのパロディ描写はないものの、劇中劇の主役の俳優にイヤホンを通して台詞として事件の謎解きを語らせたり、全ての告白の後に「大河内さん、後はお任せします」といった優雅かつ鮮やかなお手並みは、某任三郎さんの雰囲気が漂っているなど幾つかの推理作品の面影が見えて楽しい謎解きのシーンであった。こういう遊び心がドラマ「TAKE FIVE」の魅力の一つではないかと。

 ドラマのもう一つの魅力であるジャズナンバー「TAKE FIVE」を歌うJUJUさんの歌唱シーンがあったのも今回の見どころ。流れるように美しいメロディーを歌うJUJUさんの雰囲気がよく、思わぬタイミングでバーで対面することになった正義と岩月と笹原瑠衣の緊張感あるシーンをゆるやかなムードで包み込んでいる。良い演出。

 さぁ、とうとう笹原瑠衣とTAKE FIVEのメンバーが直接顔を会わせた。今後の展開が見もの。
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第6話
投稿日 : 2013/06/03(Mon) 16:02
投稿者 久保田r
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 偽TAKE FIVEのチームリーダーは、かつて正義の父親がチームリーダーをしていた頃のTAKE FIVEのメンバーの後藤であった。晴登はその後藤に嵌められて警察に捕まり、連日笹原瑠衣の取り調べを受けていたが「何もわからない」を通した。正義は後藤と20年振りに再会する。後藤は「他のメンバーも晴登と同じ目に遭わせる」という警告をし、正義はメンバーに「勝手に動くな」と強く指示し一人で行動を開始する。正義が単独で倉庫を偵察しているところへ偽TAKE FIVEのメンバーの女性、ナルミが現れる。正義は、「俺たちが先に「ルクレツィアの肖像」を手に入れたら晴登の無実を証明して欲しい」と勝負を持ちかけ、ナルミは「私たちが負けるはずがないわ」とこれを受けて立つ。

 「勝手に動くなよ」は「動け」のサインの巻。といった内容の第6話。チーム戦による泥棒対決という図式になっており、泥棒としてキャリアのある後藤が、あの手この手で相手チームを不利な状況へと追い込んで条件の上では有利に立ちながらも、性根の違いから自ずと進むべきルートが決まっている…というシナリオ。結果的には正義率いるTAKE FIVEが勝つと予測出来るものの、最後まで不利な状況が続くため始終シリアス且つスリリングな展開を楽しめる内容となっている。

 TAKE FIVEのメンバーについては、今までのドラマの内容からそれぞれの人間性や役割や信頼度といったものが概ね把握出来ているので、少ない出演シーンでも存在が感じられて良かった。転じて偽TAKE FIVEの方は、チームリーダーの後藤の人間性や正義とは違うやり方の持ち主であるということを説明する台詞が多く、そのため早くから”敗者フラグ”が立っており結果が先読みできる格好ではあったが、それはそれで役者がどう演じるのかという芝居を観る楽しみがあって良かった。非情なリーダー役を演じた峰竜太さんは年齢に応じた渋みが表れていたし、紅一点の実行役を演じた黒木メイサさんは美しき女泥棒の勝ち気さがよく表れていた。

 今回は、偽TAKE FIVEとの勝負というシリアスな内容のためコミカルなお約束シーンはなかったが、その代わりに人間の心理を表した巧みな言葉遣いの台詞が多くて見応えがあった。印象的かつ心理表現のある台詞を耳にすると、ドラマはこうでなくてはという鑑賞の基本を思い出す。スタイリッシュな映像や細かなカメラワークといった技術面も視聴者の興味を惹き付けるのに不可欠であろうとは思うが、ドラマはやはり役者の表現力が要。登場人物の生き様を感じさせる見事な表情と表現力を目にすると、このドラマを観て良かったと心から思う。今回は、正義の教授室で笹原瑠衣役の松雪泰子さんが演じた表情と声の表現力が良かった。

 お約束シーンはなかったものの他に楽しめるシーンが用意されてあり、演出の心意気が感じられた。第4話では「マトリックス」さながらの動きがあったが、今回は正義が忍び込んだ倉庫の中で「ミッション・インポッシブル」さながらのワイヤーアクションがあって楽しめた。天井から降りるポーズもそっくりだし、途中でワイヤーがずるっと伸びて床スレスレになる動きも同じ。映画ではジャン・レノが鼠をナイフで刺した際にずるっといったことになっていたが、ドラマでは火岡均の操作ミス。未熟な若者によるミスという火岡均にとってはちょっとお恥ずかしい理由であった。

 もう一つ個人的に楽しめたのは、刑事役の千葉”ゴセイレッド”雄大さんが、泥棒役の松坂”シンケンレッド”桃李さんを連行していたシーンと、同じく千葉”ゴセイレッド”雄大さんが、移送コンテナを襲撃した偽TAKE FIVEのハッキングの上手い若者役の相葉”シンケンブルー”裕樹さんを抑え込んだシーン。思わぬところで「シンケン vs ゴセイ」を見ることができて嬉しかった。
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第5話
投稿日 : 2013/05/29(Wed) 15:01
投稿者 久保田r
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 正義は、ホームレスの女性から「ルクレツィアの肖像」の在処について話を聞く。持ち主は、商事会社を営む水無月弘といいダ・ヴィンチ専門のブローカーであり盗品をも扱っている人物であった。肖像は10日後に日本から持ち出されるという。折しも、とある美術館からダ・ヴィンチの絵画が盗まれる事件が発生する。現場に残っていた遺留品から警察は犯人はTAKE FIVEとして捜査を開始するが、20年間TAKE FIVEを追い続けていた笹原瑠衣は、本当にTAKE FIVEなのかどうか疑念を抱いていた。身に覚えのないTAKE FIVEのメンバーは、単独行動の多い新美晴登がやったのではないかと疑うが、晴登はこれを強く否定。晴登は、瑠衣からも疑われ、孤立感を深める。そこへ、珍しい香水をまとった髪の長い女性が現れて晴登の身分証をスる。

 新たな展開へと進んだ第5話。ライバル登場のストーリーとなっており、TAKE FIVE内に疑心暗鬼の種を巻き、暗躍するライバルの動きがスリル感を高める内容となっている。泥棒のチームであるためか仲間を疑う言葉や態度が厳しく、盗んでいないにも拘らず追い込まれていく晴登の強がりが孤独感と相俟って、どうしようもない苛立となって表現されているのがよかった。チームリーダーとして抑え込もうとする正義と元々一匹狼である晴登のスタンドプレーのぶつかり合いが見どころとなっており、衝突しながらも晴登を根底から否定せず”チーム”としての有り様を示す正義の姿勢がよかった。

 ライバルチームのメンバーは、TAKE FIVEとは異なる構成となっていて一味違った魅力を有しているが、能力に長けている分他者を見下している点が好感を持てないところ。しかし、正義よりも年長者のリーダーと岩月よりもハッキング能力のある若者と紅一点の美女をメンバーとしているのは、TAKE FIVEにはない魅力となっているため、次回の勝負の行方が気になるところ。

 今回は1話完結ではなく次回へと続きが持ち越し。そのためすっきりとしない気持ちのままで次回を待たねばならないが、敗北を喫したTAKE FIVEが起死回生を果たすことを期待。正義が求め続けている「ルクレツィアの肖像」を手に入れることが出来るのか、同時に晴登を救い出すことが出来るのか。TAKE FIVEの「盗みには愛がなくてはならない」の信条が、ライバルチームをどう負かすのかその手口に期待したい。

 演出は、第3話と同じ方のためかお約束のシーンは、ほとんどなし。かろうじて教授室での正義と岩月の2ショットシーンのみ。シリアスな内容であるだけにコミカルな演出はそぐわないかも知れないが、少々寂しい感じ。今回は松坂桃李さんの演技がよかった。仲間から疑われて孤立感を深めた際の顔と声の表情がよかった。「シンケンジャー」の終盤でレッドの座を追われ行き場のない孤独を演じた頃の桃李さんを思い出した。「シンケンジャー」と言えば、ライバルチームのハッキングの上手い若者役に相葉裕樹さんが出演。こちらはシンケンブルーの時とは違って前髪を長く下ろし目を隠し、切れ者といった暗い雰囲気の青年役。車で逃げる際に舌を出す仕草が役に嵌っていた。
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第4話
投稿日 : 2013/05/15(Wed) 14:16
投稿者 久保田r
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 とある夜、新美晴登は単身で侵入したマンションの一室で、突然窓を割って侵入して来た男と鉢合わせする。男は、部屋の住人の兄であり、晴登のことを警察に通報しない代わりに「弟のところから”あるもの”を盗み出して欲しい」と依頼する。”あるもの”とは、ノーベル賞もののATT細胞の研究で誕生した「奇跡のマウス」のことで、弟が兄から盗んだこのマウスを取り返して欲しいという依頼であった。TAKE FIVEのリーダーの帆村正義は、マウスの存在を「愛」と語る兄の気持ちを酌んで受諾する。弟が研究している大学は、なんと正義と同じ大学であり、マウスは厳重なセキュリティのもと管理されていた。刑事の笹原瑠衣が正義に対して疑いの眼差しを向ける中、TAKE FIVEは行動を開始する。

 今回のテーマは「兄弟愛」。共同研究者であった兄からマウスを盗んだ弟と、刑事の姉を持つ心理学を学ぶ妹の笹原姉妹という二組の兄弟が登場し、兄弟だからこそ生ずる葛藤や愛情について正義が授業の中で講義し、ドラマの進行とシンクロしながら進むという見応えのある内容となっている。

 正義と晴登の関係を疑う刑事の笹原瑠衣が良い勘の働きをしており、TAKE FIVEの邪魔役として多少都合の良い行動が見受けられるものの、でもそれが刑事の持ち味として表現されているのでスリル感のある存在で良いと思う。笹原瑠衣の勘の良さは同僚の岩月櫂にも向けられており、パソコンで緒方研二のことを調べていた岩月に対して瑠衣が「何故調べているのか」と質問した際の岩月の返答に興味あり。きっと上手い言い訳があったのだと思うのだけど、時間の関係からか描写がなくて残念だった。

 今回は、その岩月櫂と新美晴登の二人が一緒に緒方研二の研究室のセンサーを潜り抜けるシーンが見どころ。正義が講義中にインカムを使って出す指示に従って動く仕草が楽しい。本当にそんな動きが必要か!?というサービス心のある動きになっていて、SMAPメンバーの稲垣吾郎さんと「侍戦隊シンケンジャー」出身の松坂桃李さんによる「マトリックス」さながらの動きに注目。そして、桃李さんが稲垣さんをお姫様抱っこするシーンは必見。若者の腕力と二人の年齢差に思わず萌えた(笑)。

 萌えと言えば、エチルアルコールで酔っぱらうシーンを演じた唐沢寿明さんの芝居がよかった。任務遂行はシリアスに、でも酔っぱらっちゃってるからちょっとコミカルに。一連の行動の中でこの二つをスムーズに使い分けて演じている唐沢さんが流石。そして床に突っ伏して寝る姿に萌え(笑)。

 今回の演出は、1話と2話の流れを汲んでいたのでバランスの良い進行となっていて見やすかった。演出に関しては今後どのように変化するのか定着するのかという点に於いて個人的に注目。そして今回は、松坂桃李さんと世良公則さんの共演ということで、先月他局系列で放映されたスペシャルドラマを思い出し、そっちのドラマの続きもちらと気になった。
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第3話
投稿日 : 2013/05/13(Mon) 14:54
投稿者 久保田r
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 刑事の笹原瑠衣と矢野昇太郎は、国宝級の四天王像の移送の警護に就くが、停車中に傷害事件と遭遇し対処している最中に4体のうち3体を盗まれるという失態をしてしまう。現場に残された1体は、芝大門署の倉庫に保管されたものの、襲撃を受けた際に仏像を守ろうとした昇太郎が倒してしまい、左手首を破損していた。捜査から外された笹原瑠衣は警察での立場が危うくなり、そのことを知った新美晴登は、破損した仏像を修復して戻す作戦を実行する。だが、倉庫から持ち出した仏像は贋作であった。本物はどこへ?

 前の2話とは演出をガラリと変え、刑事の笹原瑠衣の立場に焦点を当てている内容。ストーリーの展開順は前話とほぼ同じで、始めに晴登が作戦指示をして次の展開へと進み、正義の大学での講義とストーリーのテーマとがシンクロし、後半に正義が大胆な作戦指揮を執って大団円という流れ。この流れの中、前2話まであったお約束のシーンが今回は鳴りを潜め、笹原瑠衣の父親の形見である腕時計への執着と、仏像の所有者である住職の金への執着とをシンクロさせた”盗み”のストーリーが描かれている。

 今回は、住職の本性を暴くことと、襲撃犯を誘き出すことと、本物の仏像を見つけ出すことの3つの任務を同時に行っているため一つ一つの手口の細かな描写はなし。ざっくりとした大まかな手口を映し出しつつキャラクターの表情と会話とでかっこよくスマートに見せている。そのためか、今回はコミカルなシーンなどなし。お笑いの要素が作品のメリハリの一つであると思っていただけにちょっと残念。しかし、今回は岩月櫂の活躍がその部分を若干担っており、倉庫から破損した仏像を持ち出す一連のシーンは楽しかった。

 お約束シーンのパターン化はマンネリへのルートではあるけれども、ある程度のことは作品の”らしさ”を作り出すので入れて欲しいところ。今回はJUJUさんの歌う「Take Five」のシーンがなくて寂しかった。
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第2話
投稿日 : 2013/05/10(Fri) 15:05
投稿者 久保田r
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 TAKE FIVEのメンバーの南の妻が通おうとしていた相良ビジネススクールが経営破綻で倒産する。南の妻は入学金として既に100万円を振り込んでおり、その金が返って来ないことを知った南は怒る。たまり場となっているバーで愚痴をこぼしているところへ、新美晴登が現れ「俺が取り返してやる」と宣言。晴登と南と均の3人でスクールの理事長の相良光代に接近して接触を試みるも相手にされず失敗。ちょうどその頃、正義のところへ刑事の岩月櫂が現れ、先日盗んだHトラストのデータのコピーを渡すように要求される。正義は「コピーは持っていない」と返答するが、岩月は「一週間待つ」と重ねて要求。正義は、ビジネススクールの隠し財産と岩月の要求の二つの問題に立ち向かう。

 1話目の印象的なシーンをトレースしている内容。事件の現場で正義と笹原瑠衣が壁を挟んで接近するというスリルのあるシーン、正義がほんのちょっとアルコールを舐めただけで寝落ちしてしまうというコメディなシーン、猫嫌いな均が猫と出会って軽いパニックになるシーン、晴登が笹原瑠衣にちょっかいを出すシーンなど。もう一つ、正義がホームレスの女性と会話をするシーンもお約束ではあるが、ホームレスの女性は「ルクレツィアの肖像」の行方と正義の過去を知っている人物のため、今後の展開の鍵となる人物として注目。

 さて、今回の見どころは、何と言っても正義と岩月櫂のやりとり。”何事もきちんとしていないと気がすまない”という岩月の潔癖性を思わせるほどの性格が、ドラマの展開と鮮やかにハマっていてお見事。刑事という肩書きから一見すると岩月の方が正義よりも立場が上のように思えるが、正義は動揺することなく応対した上で岩月の誘導に乗るように見せかけて巻き込んで行くという鮮やかなお手並みを披露している。

 岩月の加入によりTAKE FIVEはこれでその名の通りの5人に。今後の活躍が楽しみ。
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第1話
投稿日 : 2013/04/26(Fri) 15:53
投稿者 久保田r
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 主演は、18年振りのTBS連続ドラマ出演となる唐沢寿明さん。シリアスな役からコミカルな役までこなす唐沢さんが演じるのは、表の顔は心理学を教える大学教授、裏の顔は伝説の大泥棒「TAKE FIVE」のメンバーという2つの顔を持つ帆村正義という名の男。共演に泥棒を憎む刑事役として松雪泰子さん、セキュリティ会社に務めながら泥棒の顔を持つ役に松坂桃李さん、謎のホームレスの女性役に倍賞美津子さん、薬剤師として病院に勤務しつつ「TAKE FIVE」のメンバーである男性役として六角精児さん、そして後にメンバーとなる刑事役に稲垣吾郎さんらといった豪華俳優陣。

 帆村正義は盗みから足を洗っていたが、ある日ホームレスの女性からレオナルド・ダ・ヴィンチの「ルクレツィアの肖像」の在処を知らされる。帆村は、夜の東都銀行の担保倉庫に忍び込むもののそこには肖像画はなく、代わりに同業者である若い男と出会う。警察が駆けつけピンチとなった二人は共同で脱出する。泥棒を憎む刑事の笹原瑠衣は、執拗に東都銀行の件にこだわり続けた。担保倉庫で帆村と出会った新美晴登は、帆村をライバル視して接触をはかる。帆村はかつての仲間の自殺未遂をきっかけに、彼の息子を仲間に加えて再び東都銀行へと忍び込む。今度の狙いは、最高のセキュリティを誇る東都銀行の機密部にあるデータであった。

 「盗みは人を不幸にする。でも盗むならそこには愛が必要だ!」のテーマがずっと流れているストーリー。愛があれば盗みなどしないというのがごく一般的な感覚だが、このドラマは”愛ある盗み”をテーマとしているため、そこにちょっと複雑な大人の心理が働いている。単純な欲望ではない盗みに込められた愛は、そこに至るまでの過程がドラマチックであるし、また、かつて盗みの被害に遭って不幸になった女性が相対する刑事となって現れているのは実にスリリング。このドラマチックなスリリングを、さり気なく流れるジャズの調べが複雑に絡み合う大人の関係を彩っている。

 クールなかっこよさの中にもところどころに笑いがあり、それを唐沢寿明さんが真面目な顔してしれっと演じているところが楽しい。かと思うとシリアスなシーンではびしっと決めるし、ロマンスを匂わせるシーンの雰囲気もさすが。気構えず柔軟な流れの中で見せる演技のめりはりに見応えがある。

 脇を固める出演者も役柄と雰囲気がぴったりと合っている。第1話はまだ顔見せ程度。それぞれがどんな活躍をするのかに注目。
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