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「美しき罠 〜残花繚乱〜」
投稿日 : 2015/05/11(Mon) 15:37
投稿者 久保田r
参照先
2015年1月8日〜 毎週木曜夜9時放送 TBS系 木曜ドラマ劇場

<スタッフ>
製作:共同テレビジョン、TBS
原作:「残花繚乱」岡部えつ
脚本:浅野妙子
プロデューサー:栗原美和子、後藤庸介
演出:光野道夫、岩田和行
編成:永山由紀子、吉本香苗
主題歌:「恋詩」安田レイ

<出演>
田中麗奈/若村麻由美/青柳翔/三浦理恵子/高橋かおり/吉田里琴/平泉成/池畑慎之介/村上弘明、他
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最終話
投稿日 : 2015/07/23(Thu) 15:06
投稿者 久保田r
参照先
 家出した美津子を見つけた圭一は、家へと送り届けた。りかも美羽を家へと送り、その夜は実家には戻らずに圭一との部屋で過ごした。帰宅した荘太は、美津子に何も問わない。そんな両親の姿にいたたまれなくなった美羽は、圭一に電話して「どうしたらいいんだろう」と相談する。圭一は、りかと共に荘太と美津子の家を訪ねて話し合いをすることにする。話し合い当日、憮然とした表情の荘太に圭一は兄の話を始める。圭一は兄と荘太との間に起こったことを洗いざらい打ちあけ、謝罪を求めるも荘太は応じない。美津子の胸の内の苦しさを聞いてもなお謝罪の言葉はなく、ただ一言「野心だけで結婚するわけがないだろう」と吐き出すように呟いたのみであった。だが、荘太には自分なりの男としてのプライドで行動していたのだった。話し合いの後、圭一はりかに「大阪に移ろう」と切り出すが、りかはそれを拒否。自分の過ちを許せないりかは離婚して欲しいと頼み込む。しかし、圭一の子を妊娠しているりかのお腹が大きくなった頃、りかの目の前に圭一が現れる。それはりかの父親の取り計らいであった。

 元凶は荘太。薄々そうではないかな、と感じていたことがどんぴしゃりと当てはまった展開。だが、ここまでのクズな男だとは思わなかった。もっとスマートな思考の持ち主の都会の男かと思っていたが、根っこにあるのは貧乏な育ちで培った価値観。都会で伸し上がるための苦労を苦々しく語るシーンでは、コンクリートではなく土くささが漂っていた。そう簡単に自分の非を認めないその姿には、思わず昭和の男かよ!とツッコミを入れたくもなるが、荘太を演じたのが何故「村上弘明」だったのかがよく分かる演技だった。

 圭一とりかは、お似合いの夫婦となって本当によかった。それが一番。よからぬ関係からスタートした二人ではあったが、それを乗り越えてなお愛し合う関係となれたのだからそれで良し。雨降って地固まるとはこのこと。しかしその雨が時に嵐だったのは災難。

 最後に。
 折角綺麗にオチが着いたのに、あのラストシーンは何なのだろう。一抹の不安を予感させるBGMと美津子の姿に背筋がヒヤリとした。苦い後味のラストシーンのため星一つ減。
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第9話
投稿日 : 2015/06/22(Mon) 15:10
投稿者 久保田r
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 美津子は社長の座を下ろされた弟から「姉さんは義兄さんに利用されたんだよ!」という言葉を投げつけられて激しく動揺する。帰宅した荘太に説明を求めるも冷たく突き放される。一方、りかと圭一は話し合いをし「過去のことは忘れる」という約束で仲直りをする。情緒不安定となった美津子は、たくさんのケーキを持ってりかを訪ねて圭一と男女の関係にあったことを告白。りかは激しく動揺。帰宅した圭一から「体の関係はない」と聞かされるが、「しばらく距離を置きたい」と実家へ。会議のため本社へ出向いたりかは、荘太と泉が自分のことについて話しているのを立ち聞きする。荘太の口から思いもよらない言葉が発せられ、りかは悪女になることを決意する。

 荘太は、ある意味もの凄く会社人間であり、よりよい社会的地位を手にするためにあらゆるものを利用するエゴイストが服を着ているような人物であることがよく分かる内容だった。いちいち相手の感情を考慮せずに我が道を行く姿は、男としての野心に満ち溢れていて実に魅力的だが、好意を持ってくれていると信じている相手にしてみれば突き放された瞬間に裏切られたと感じるかも知れない。そこをフォローできれば非の打ち所のない一流の男と言えるのだが、そうではないのが荘太という男。他人に対する愛情の欠落が泥沼劇のそもそもの発端となっているよう。だが殿様というのはえてしてそういうものではないだろうか。

 脆い繋がりのようであった圭一とりかが、今では本当に愛し合っている仲となっていてよかった。人間関係の言い難いこともきちんと言い合える仲になれれば、これぞ本当の夫婦。お互いを味方につけてどんな困難にも打ち当たっていける。しかし、柏木夫妻はなかなかの難敵で二人には越えなければならない苦難がまだ待ち受けているよう。

 御台所の美津子のご乱心にはほとほと困り果てたもの。可哀想な自分に酔いしれている様が哀れなことこの上ないが、自分のためにあると信じていた男たちが離れていくとあっては平常心ではいられないのだろう。「子どもがいたって…」と呟く美津子は母親失格を宣言したようなもので、彼女もまたエゴイストが服を着ているような人物。ある意味荘太とお似合いの夫婦と言えよう。

 最後に。
 圭一の秘密とやらが最終回へと持ち越し。「剣」の書を挟んで圭一とりかは何を話し合ったのか。それを知るまでは気が抜けない。
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第8話
投稿日 : 2015/06/19(Fri) 14:29
投稿者 久保田r
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 美羽からりかと荘太の過去の不倫関係を聞いた圭一は、その夜のうちにりかに事実を問い質し、りかが認めると「しばらく会社に泊まる」と言い残して別居する。りかは猛烈に反省し、会社を辞める手始めに人事部宛てにメールを送る。美津子は、情緒不安定になり精神安定剤を服用し始める。美羽は、両親を嫌って家を空けがちになる。圭一は、暗く塞ぎ込んだまま美津子を訪ねて真相を問い質し、荘太とも話をしようとしたが会社の部屋に荘太とりかが二人きりでいるのを見て話をせずに退却する。そんな中、社長交替劇が勃発する。

 誰一人として正直者がいない息が詰まるストーリーとはこのことか。通常こういう八方塞がり系は登場人物の中に一人ぐらい悪意を持たない息抜き的存在がいるものだが、最後の砦と思えた書道教室の先生までもが一連のからくりに絡んでいるようでは、ドラマを見る方が疲れてしまう。美津子が精神安定剤を服用するのも無理なかろう…というか、これドラマを作ってる方もしんどくはないのだろうか?

 前半は、娘の美羽が大活躍。圭一の前ではしおらしく、ママとりかの前では強気な女子高生を振る舞っている。異性の前と同性の前とでは態度が変わる様を見ていると、やはり美津子の子供だなという思いを新たにする。両親の裏の顔を知ってショックを受けるのも分かるが、堕ちようとするのも早過ぎる。10代の女の子は脆い、を実感するエピソード。

 徐々にストーリーの締めを匂わせる伏線が張られており、圭一に何かしらの秘密なり思惑があるような雰囲気。そして、荘太の思惑も。美津子との今後のことや女性関係など、何らかの告白なり動きがありそう。そして、狭い人間関係に翻弄されるりかの動向に注目。

 最後に。
 美羽を演じた吉田里琴さんは、年齢的にアイドル出身なのかと思ったら子役から活躍している女優だったのだね。「リーガル・ハイ」で天才子役を演じた子だったと知って納得。なるほど、美羽のような少女役がハマっている。
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第7話
投稿日 : 2015/06/03(Wed) 15:03
投稿者 久保田r
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 圭一と美津子の抱擁シーンを目撃して動揺したりかであったが、圭一の悪びれない「貧血みたいだ」という言葉を信じその場は美津子を介抱する。帰宅後、圭一に「抱き合ってるのかと思った」と打ち明けると、圭一は「そんなことあるわけないよ」と否定する。だが、圭一の心には染みが広がっていた。その頃、泉は仕事の契約を取る代わりに荘太と体の関係を持つ。この事は美津子の知ることとなり、美津子は興信所を使って荘太と泉を調べる。そして美津子は遂にりかを家に呼び寄せ、二人っきりで会う。

 りか本人は割といい子だと思うのだが、周りにいる女性たちがりかの”いい子な部分”を嗅ぎ取って、良い方向にも悪い方向にも関わろうとしているのが何とも大きなお世話というか暇人というかそれがこの手のドラマの見どころというか。

 りかと圭一が結婚したことにより、事態はりかと荘太の不倫問題から次のステップへと移るのかと思いきや、蒸し返してまだまだ火種となるよう。桐谷麻紀がわざわざ美津子に電話して「りかちゃんを懲らしめたいなら力になります」と首を突っ込んだり、美津子と荘太の娘の美羽がクローゼットの中で興信所の書類を発見してりかと父親がかつて不倫関係にあったことを知ったり、それよりも何よりもりか本人が圭一に打ち明けるべきかと悩む。結婚したならそこで線引きをして心機一転頑張ればいいのに、と思うのだけれどそうもいかないよう。

 今回の一番の見どころは、りかと美津子の一騎打ち。美津子は興信所の書類を見せつけて全部知っていたことを告げ、圭一との出会いは自分が仕組んだことだと打ち明け、さらに泉と荘太を調べた書類も見せた。ショックを受けたりかはひたすら謝っていたが、確かにそれしかすべきことはないだろう。しかし、不倫は女だけが悪いのかという思いも沸き上がる。次から次へと女を取り替える夫をなぜ責め立てない?

 美羽が圭一にりかの不倫のことをバラしたところでストーリーは次回へ。これで最大の隠し事が明らかになりいよいよ結婚生活も危ういものに。これぞみんなが待っていた展開…?いや、最後は丸く収まらなければ救いがない。

 最後に。
 りかにアドバイスをする書道教室の先生役の池畑慎之介さんが良いアクセント。声の抑揚が美しい。
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第6話
投稿日 : 2015/06/02(Tue) 15:09
投稿者 久保田r
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 初夜でも圭一はりかと別々に寝てしまい、りかの心は傷つく。圭一のスマホに麻紀からベッドの上で撮ったツーショット写真が送られて来て、圭一は慌てて削除する。圭一から関係を解消された麻紀は、りかの店を訪れるもりかは休みを取っており代わりに滝本泉に圭一とセフレであったことを明かす。それを聞いた泉は麻紀に口止めを強要するが、りかの家を訪ねた際に麻紀と圭一の関係を話す。ショックを受けたりかは圭一と話し合いをし、圭一の謝罪を受け入れてようやく二人は結ばれる。一方、美津子の父親が脳梗塞で倒れ、美津子の献身的な看病の甲斐もなく亡くなるのは時間の問題であった。死の間際、父親は美津子に「欲しいものは手に入れるのが寺内家の血筋だ」と告げる。その言葉を聞いた美津子は、父を偲ぶ会と称して圭一を家に招く。同じ頃、泉が荘太のもとを訪ね、りかと不倫していたことをマスコミにばらされたくなかったら自分の独立する会社と契約するよう迫る。そして、遅れて柏木家を訪ねたりかは、ダイニングで抱き合う圭一と美津子を目撃する。

 泥沼必死の展開。いや、始めから泥沼ではあったが、りかの新婚生活を妬むかのように取り巻く女性たちの本性と怖い部分が露骨に描かれていて不快感を煽る展開となっている。

 現時点で最もふしだらなのは誰か?となると、美津子以外にいないだろう。正義感を振りかざして「不倫する女は絶対許せない!」と言っていたのはどの口か。今はその口で他の女性の夫となった圭一を必死になって口説いている。父が死んだことすらも利用し、ほんの少し前に「この家はわたしの城なの!それを壊す人はたとえ圭ちゃんでも許さない!」と豪語したその城の中で年下の男に迫る姿ほど哀れなものはなく、その厚かましさや太々しさはいっそ天晴なほど。

 親身な振りをして実は厄介な存在である滝本泉が本性を現し始めた。泉もまた野心家で、相手のことを思いやる振りをして実は相当にタフな神経の持ち主。独立するからにはどんな手段も厭わない心の冷たさが現れている。

 圭一もりかも穏やかに暮らしたいだけなのに出会いのスタートからして間違っていたためにいつまでたっても”普通の夫婦”になれない。この二人に幸が訪れるのかは今後の展開しだい。

 最後に。
 登場人物の中で最も立場をわきまえてるのは、荘太だという事実。
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第5話
投稿日 : 2015/05/22(Fri) 14:36
投稿者 久保田r
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 柏木家からりかの部屋へと戻った圭一とりかは体の関係を持とうとするが、何故か圭一が途中でやめてしまう。圭一は麻紀とは関係を持てるものの、りかの前では美津子とのことが思い出されてその気になれずにいた。一方、荘太のスーツのポケットからりかの部屋の合鍵を見つけた美津子は荘太を問い詰めるが、荘太はりかとの事は終わったと宣言。そして美津子に「これ以上下品な女に成り下がるな」と言い渡す。結婚式前日、圭一は柏木の家を訪ね美津子にクラムチャウダーを作ってもらう。誰もいない家の中で二人は胸中を明かし合うが、美津子はきっぱりと圭一を拒否。家を守ることを誓う。やり切れない圭一はその夜、麻紀と体の関係を持つ。麻紀は圭一が寝入っている隙にこっそりツーショット写真を撮る。結婚式当日。仲人の美津子は新婦のりかに「結婚は地獄よ」と耳打ちする。

 モテモテりかちゃん妬まれる!?の回。そもそもこんな結婚、常人の神経じゃとてもじゃないが出来る筈がなく、いくら相手が人の好さそうな会社の社長であってもするべきじゃないのは自明の理。どんなに相手から強引に口説かれようとも必死に突っぱねなかったりかは、どう弁解しようと押しに弱過ぎる。お相手の圭一もまた実らぬ初恋を拗らせている姿が哀れで仕方ない。出来る男の隠れた裏面と言えばギャップにも見えるが、その行動が周囲の人間の人生をどう振り回しているか思いやれない時点で少年のまま成長の止まった大人にしか見えないのが悲哀。明るい材料が何一つないまま、流されるようにして結婚するりかと圭一の世にも悲しい結婚式が描かれている。

 りか、荘太、美津子、圭一の4人の中で何も知らないのは圭一だけ。それもまた不憫な話で、いっそのことりかの口から圭一に洗いざらい話してしまえばいいのにと思うのだが、そうはならないのがこの手のストーリー。もしそうはなってもそれはそれで新たな展開が生まれそうだが、ここは一先ずりかと圭一が結婚するという展開で進んでいる。こんな関係の結婚は式を挙げたところで揉め事が終わる筈がなく、今後も波瀾万丈が手ぐすね引いて待っているよう。はたしてどんな愛憎劇が待ち構えているのか。

 最後に。
 女の敵は女、とはよく言ったもの。
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第4話
投稿日 : 2015/05/21(Thu) 14:09
投稿者 久保田r
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 徐々に圭一のことを受け入れ始めりかは、「また会えますか」とメールを送る。麻紀と一夜を共にした圭一であったが、りかのメールに承諾の返信をする。二人はデートを重ね、圭一はりかの実家の縁側と庭のリフォームの手配をして父親からすっかり気に入られる。りかは、圭一の兄の墓参りについて行き、圭一の両親と会う。そして圭一はりかに正式にプロポーズをし、答えに迷ったりかであったが数日後に承諾。そして圭一は柏木夫妻に仲人をお願いすると言い出す。

 一見、順調に行っているりかと圭一カップルは微笑ましい限りなのだが、その裏ではどろどろとした男女の欲望の絡み合いが進行しており、見ているこちら側まで胃の痛くなるような展開に。

 こんな結婚、幸せになれっこないのは最初から分かっていたことだろうに、周囲の押しに弱いりかは戸惑いながらも流されてゆくし、美津子への思いを吹っ切ろうと必死の圭一の行動は身勝手だし、美津子とて欲求不満を拗らせて鬱々としているし、唯一クールな男前と思えた荘太は仕事のために女性を徹底利用する野心家であることが見えて来て、一人一人は良い人なのに何でこうなっちゃったかなぁ…という愛憎劇が繰り広げられている。それを水面下で掻き乱そうとする麻紀の行動は嫌悪以外のなにものでもない。

 それにしても荘太は女性に対する気配りがなさ過ぎやしないか。愛人宅の合鍵を他のとまとめてキーケースに付けていたりして関係を断つと決めたら情の欠片さえ失ったかのよう。荘太の中心にあるのはいつも仕事のことで、女のことは二の次というのは見ているうちに分かって来たが、あまりにもクールな態度でりかも美津子も可哀想になって来る。荘太の態度を見ているとすべての元凶は男なのかもなぁ…と思えて来る。

 最後に。
 圭一は、次男なのになぜ名前に「一」がついているのだろう?今時長男だから次男だからという縛りは関係ないというのは理解しているが、でもこのストーリーは基本的に設定が分かりやすいところが良かった筈なのに圭一の名前に関してだけはちょっと引っ掛かる。
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第3話
投稿日 : 2015/05/18(Mon) 15:46
投稿者 久保田r
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 泣きながら歩いているりかの前に荘太が現れ、ふたりはりかの部屋へと向かう。りかは、優しく抱きしめる荘太を押しとどめ「この鍵は自分で捨てて」と、先日別れ話の際に荘太が置いて行った部屋の鍵を渡す。受け取った荘太は鍵をスーツの内ポケットに入れる。りかは、柏木家との関わりを断とうと先日、落合圭一からもらったネックレスを圭一の会社に郵送するも、りかの勤めるレストランに圭一が現れ、圭一の会社の社員の前で「付き合ってます」宣言をされてしまう。戸惑うりかのもとに弟からお父さんが歩道橋の階段を踏み外して救急車で運ばれたという電話が入り、りかは圭一の車で実家へと向かう。

 りかちゃんモテモテの回。地味ではあるけれども美人のりかが圭一からも荘太からもちやほやされ、美津子は大変ご立腹。全ては自分が撒いた種なのに思うような結果が得られず苛々する美津子を見ていると同情よりも強い憐れみが湧いてくる。ブレスレットの自作自演には誠に痛ましい限りかったが、美津子はそれで良しとしているのだから悲しい女性だとしか言いようがない。

 また、美津子と荘太の一人娘の美羽が思いの外活躍。16歳の高校生らしい遠慮のない物言いにドキっとさせられるものの、なかなかに核心を突いた発言をするところは差し詰め強烈なスパイス。悶々とした大人のストーリーを引き締めている。

 普通の感性のりかがモテるのは当たり前だが、それに対抗心を燃やす美津子にもいつか執着心を捨て去り格好よく生きる女性の幸せといったものを掴んで欲しいもの。しかし物語は始まったばかり。まだまだ嫉妬に苦しむ彼女が活躍するのだろう。

 そして何をしたいのかよくわからない男性陣。荘太に至ってはいるだけでO.Kの人物なのでよしとするとして、落合圭一は何故にりかにこだわるのかが謎。りかと付き合うことで美津子への当てつけなのかも知れないが、それは何とも女々しい。とっとと桐谷麻紀に鞍替えするとよろしい。…と思うが、そうはならないのがこの手のドラマだよねぇ…。

 最後に。
 書道教室仲間の滝本泉さんがよきアドバイザーとなっていてホっとする。
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第2話
投稿日 : 2015/05/13(Wed) 14:24
投稿者 久保田r
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 美津子と落合圭一の関係を疑ったりかは、一旦は断った圭一との縁談を一転して「受ける」と返答する。一方の美津子は、圭一から「あなたを忘れるために(りかと)お付き合いします」と告げられ激しく動揺する。りかは恋愛上手な振りをして圭一とデートをし、悪女になろうと決意する。二人の進展を不快に思う美津子は、新たな罠を思いつき圭一と二人きりで会う。

 美津子は不倫をする女が大嫌いと言ってりかを目の敵にするが、確かにそれは妻の立場からは正論であるものの、矛盾とも取れる行動をするところを見ると悪役は美津子という気がしてくる。弱い立場に置かれているりかをつい応援したくなるのは見る側の人情か。

 あれだけ優位な立場にいる美津子は、何故不倫をする夫を責めないのかが不思議。不倫は女だけが悪いのではないのに。それに美津子は夫に黙って圭一と二人きりで会っているのも不倫の入口に足を踏み入れてる気がしてならない。圭一の気持ちを知りながら「不倫する女は大嫌い」と言って結界を張りつつ自分の欲を通す美津子の方こそ悪女と呼ぶに相応しいのでは。

 さて、思わせぶりな態度と台詞でそこにいるだけでおいしい立場の荘太が、泣き顔で歩いているりかの前に登場。会社ですれ違った時はあんなにクールだった彼が何を今更な行動。またりかとの関係を始めようというのか、どうなのか。そして圭一の前には、りかの通う書道教室仲間の桐谷麻紀が現れ、新たな波乱の予感が。

 最後に。
 田中麗奈さんの「私の負けだ」と言った時の声のトーンが秀逸。
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第1話
投稿日 : 2015/05/11(Mon) 15:39
投稿者 久保田r
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 岡部えつさんの小説を原作としたドラマ。会社の常務柏木荘太の愛人西田りかと荘太の妻の美津子との対立を描く。演出は、フジテレビで数々のヒット作を手掛けた光野道夫さんと岩田和行さん。脚本は、「大奥」(フジテレビ)や「純情きらり」(NHK)の浅野妙子さん。

 冒頭にて不倫関係にある荘太とりかのベッドシーンを描写し、妖しい雰囲気を漂わせてのスタート。愛人としての自分なりのルールを決めて付き合うりかのいじらしさが可愛くもあり、どこか寂しさをまとった表情が地味ながらも美しい。

 社長の娘であり荘太の妻である美津子は、りかの存在に気づいており、不倫をする女を許せない気持ちから荘太を兄と慕いまた美津子に思いを寄せている圭一をりかに近付かせる。りかと圭一の戸惑う心情を他所に美津子は画策を進めていく。

 愛人 vs 正妻の構図と全体に漂う雰囲気が前にも見たことがあるような気がする…と思ったら、脚本が「大奥」の浅野妙子さんと知って納得。なるほど、これは確かに現代版「大奥」とも言える構図で、側室 vs 正室と捉えるとなかなかなエンターテインメント性を期待できそうな気が。尤も、原作ありきなのでストーリーがどのように流れるかは今後のお楽しみということになるが。

 となると将軍役は荘太ということになり、確かにこの荘太、鷹揚な態度で流れに逆らわず利口そうな人物。仕事はやり手で社内では「ミスター」と呼ばれ、社長である義父からは信頼され、娘からは甘えられ、愛人は取っ替え引っ替えのよう。そのため妻から不倫を疑われるとあっさりとりかとの関係を切ってしまう。第1話にして荘太が「別れよう」と切り出して合鍵を返すシーンでは、これではドラマが終わってしまう…と感じたが、美津子がわざわざりかの様子を見に行ったところからこのドラマの真のストーリーが動き出すという展開に。

 突っ込み所は多少あり。美津子は、夫が愛人を取っ替え引っ替えすることを知っているが、何故りかにだけ執着するのか。今までの愛人たちとは何が違うのだろうか。今後もし夫に新しい愛人ができた時は共通の敵となるのだろうか。そしてりかは、荘太が自宅に来ると毎度おでんを出していたが、さすがにそれはワンパターン過ぎやしないだろうか。まさか夏もおでんを出していたとか?レストランの店長なのだからもう少し工夫が欲しかったところ。それからベタな台詞が多いのも少々気になった。関係が複雑なため分かりやすい台詞の方が効果的なのは分かるが、判で押したような決まり文句の応酬は少々面白味に欠ける。今後は登場人物の性格が感じられる台詞のやりとりに期待したい。

 最後に。
 池畑慎之介さんの所作が美しい。
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