大童澄瞳の漫画「映像研に手を出すな！」のアニメ化で、2020/1/6から3/23までＮＨＫ総合テレビにて全１２話を放送。
原作の第１巻から第３巻までを、４巻以降の要素も絡めながら比較的忠実に描いている。

これ、主人公たちが暮らす日常（現実）と、彼女たちの妄想を表現している場面、それに彼女たちが実際に作ったアニメ映像、という具合に異なる世界を重ねて描写しなければならず、しかもその切り替えは唐突に始まって唐突に終わることも多いので、映像化するには非常に難しい漫画だったろうと思う。
しかもアニメーション作品の中で、劇中劇として更にアニメーション作品が出てくるのだからその境界線はより曖昧になる。

しかしスタッフは漫画作品を単に映像に置き換えただけでなく、きちんとアニメーションならではの「動く愉しさ」を表現しているのだから大したもの。
主人公たちのアニメーションの製作過程はより具体的に、より細かく（時にはよりマニアックに）なっているが、それも原作の世界観を壊すことなくより昇華させている。

構成を組み替えてキャラクターの出番を増やしたり、その登場場面を前倒ししたり、アニメ版オリジナルのキャラクターを出してオリジナルの物語を加えたり、といったアレンジも決してマイナスにはなっていない。
原作漫画は現在単行本の５巻まで出ているが、続きとなる第２シリーズの製作にも是非期待したい。

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