毎年恒例となった『ルパン三世』の新作ＴＶスペシャルも１３作目。
今回は＜ザ・ロック＞ことアルカトラズ島が舞台――ということで、意識してかしないでか映画『ザ・ロック』を彷彿とさせるシチュエーションもあったりするが、考えすぎ？
表向きは豪華客船を装ったカジノの紙幣強奪が目的と思わせて、実はサンフランシスコ海底に眠る金塊がルパンのターゲット。だがそれも単なる金塊ではなく・・・という二転三転のストーリーはちょっと盛り込み過ぎ。特にアルカトラズの真の姿やＪＦＫ暗殺の謎（！）にまで迫ってしまうのは、やはり時間を考えると未消化なのかなぁ。
またルパンたちレギュラー・キャラクターも、仕方ないとはいえパターンにはめられた行動をとってしまうのもちょっと物足りない。五右エ門には一捻り加えられているが、これも深みが感じられない。マンネリが悪いとは言わないが、先が読めすぎるのも淋しいもんである。かといってゲスト・キャラでなかなか魅力的な人物を作り出すのは難しいし。
それになによりも気になったのは、声！　かなり「老い」が感じられるので、もうそろそろ一新すべき時が来たように思う。聴いていてかなり辛いもの。まだまだシリーズを続行させるのならば、検討すべきだろう。
そういえばＴＶシリーズの再開は考えていないのかなー。まぁ３０分だと窮屈そうなエピソードも多いし、下手に週一のスケジュールで粗製濫造されるよりは、年一回のイベントとして作ってもらったほうがクオリティーは維持出来るのかもしれないけど。

声、といえば今回どう考えても＜刑事コロンボ＞もどきのキャラが出てくるが、これを演じているのが石田太郎。そんな意識して演じていたわけじゃないと思うけど、思わずニヤニヤしてしまいました。

映画『ザ・ロック』にもＪＦＫ暗殺に関する小ネタがあったっけ。
まさかそこからの発想？

原作：モンキー・パンチ
監督：殿勝秀樹
脚本：柏原寛司
脚本プロデューサー：飯岡順一
音楽：大野雄二

（声）
栗田貫一／小林清志／井上真樹夫
増山江威子／納谷悟朗／石田太郎／滝口順平

2001年