第一期シリーズをかすった程度の私は、実は長いことこの作品の存在を知らなかった。「ウルトラ」っていうのは、あくまで『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』が出発点で、その前があったなんて知りもしなかったのだ。
関西圏じゃこまめに再放送などされたようだけど、こちらではやらなかったのか、或いは気付かなかったのか・・・。いずれにせよ第三期のブームが起こる頃までは、殆ど内容を知らなかったし興味もなかったのである（同様の例が『キャプテンウルトラ』。ま、これは東映製作だから番外編扱いだけど）。
初めて見たのは、ビデオが出てかなり経ってから。
元々『ゴジラ』を始めとする東宝特撮映画すら古い、と敬遠していたくらいだ。それが続々とビデオ化され、友人たちの強い薦めで少しずつ見るようになってから宗旨変え。コロっと円谷英二万歳！になるんだからいい気なもんで、その東宝特撮映画の延長線上という捉え方でこの『ウルトラＱ』も見た。
リアルタイムで接していた世代は、盆暮れのお楽しみの怪獣映画が、毎週茶の間で見られるということで興奮していたのだろうが、東宝特撮映画をしこたま見てからこの作品に触れたので、その気分はなんとなく味わった感じでもある。
で、やはり面白かった。正直に言えば古さを感じるし、予算も多くないせいかライブ・フィルムの流用も気になるし、試行錯誤の連続で完成度が高いとも言いかねるんだけれども、全体的な作品の質、それにセンスは現在においても決して色褪せることはない。というよりも、これだけの志を持った作品が今どれだけあるんだろうか、と考えさせられてしまう。リアルタイムで見ていたら、間違いなくこの作品の虜になっただろうな。やはり＜ウルトラシリーズ＞は、『ウルトラＱ』あっての『ウルトラマン』『セブン』なのは間違いないところだ。
　

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