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「宇宙刑事ギャバン」
投稿日 : 2001/12/08 22:44
投稿者 Excalibur
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お茶の間に怪獣ブームを持ち込んだ『ウルトラQ』の後を受けて、巨大ヒーロー物の先駆けとなった『ウルトラマン』。
対する等身大ヒーローの雄にして変身ブームの立役者『仮面ライダー』。
そしてヒーローのグループ化、集団ヒーロー物の走りとなった『秘密戦隊ゴレンジャー』。
日本のこども番組にはいくつかエポック・メイキングなヒーローが誕生しているが、これらに続く存在なのが、’80年代を代表するNEWヒーロー『宇宙刑事ギャバン』である。
では『ギャバン』の魅力とはなんだろうか?
まずはその斬新なデザインにあるだろう。銀色に輝くメタリックなスーツに身を包んだ姿は文句無しのカッコ良さ。西洋騎士の鎧(甲冑)を模したと言われるそのコンバット・スーツは、またハイテクを駆使した個人用のスーパー・ウェポン。従来のこども番組よりもちょっぴり背伸びしたSFマインドを感じさせてくれる。『ロボコップ』を引合いに出すまでもなく、海外作品への影響も大である。
またギャバンの操る数々のメカニックも、当時としては画期的。単体ヒーローでこれだけの装備があるのも、やはりバック(組織)がしっかりとしている証拠。改めて「職業」としてのヒーロー像を実感させてくれる。
次に、宇宙規模のスケールを持った作品の世界観。ギャバンは銀河連邦警察に所属する刑事。宇宙の平和を守るために全銀河に散らばっている戦士の一人に過ぎない。この壮大なイメージは、遠くM78星雲にあって宇宙警備隊を組織し、「怪獣退治の専門家」として活躍するウルトラマンに近いものがあるが、同時に「警察」という単語を被せることによって、我々にとって身近なものにも感じさせてくれる。悪役であるマクーにしたところで、絶対悪などではなくて「宇宙犯罪組織」。街中の凶悪犯罪者と市民を守る警察官という図式の拡大版に過ぎないのだが、宇宙にはもっともっと色んな奴等がゴロゴロしているんだと考えれば、逆に作品世界のスケール感を高める結果にもなっているように思う。
音楽の魅力も捨て難い。ヒーロー番組の作曲家としては横綱格である渡辺宙明は、パターンともいえるフレーズを用いることによって未知なる新ヒーローを馴染みあるものに変えると同時に、今度は全く新しい手法を注入することによって際立たせることにも成功。アクション・シーンで多用された挿入歌の数々や毎回のクライマックス、ギャバンの必殺技「ギャバン・ダイナミック!!」が炸裂するシーンに流れる通称<レーザーブレードのテーマ>などは、後にいくつかの亜流を生むに至った。
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よろしく勇気 (承前)
投稿日 : 2001/12/08 22:45
投稿者 Excalibur
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個々のエピソードは、新たな犯罪を企むマクー、狙われる人々、それを阻止すべく活躍するギャバン、という公式に沿って展開しているが、それとは別にシリーズ全体を貫く一本の糸が存在する。それがギャバンの父捜しの物語だ。
ギャバン=一乗寺烈は宇宙刑事だったバード星人のボイサーと、地球人・一乗寺民子の間に生まれた混血児という設定。幼い頃に父に連れられてバード星へやってきたギャバンは宇宙刑事となるべく訓練を受けるが、そんな中でボイサーは、同じ宇宙刑事仲間であったハンターキラーの裏切りによって行方不明になってしまう。そのハンターキラーは、今ではマクーの幹部として君臨している。ギャバンにとってマクーと戦うことは、同時に父の行方を求める戦いでもあるのだ。これによってギャバンは正義感や倫理観、義務感だけで戦うヒーローではない人間臭さを強調されることになった。
そして、それを見事に体現したのが、大葉健二という役者である。
中学卒業後にJACに入会し『人造人間キカイダー』や『ゴレンジャー』等でスタントを務めた大葉健二は、当時既に在籍10年の大ベテラン。これ以前に『バトルフィーバーJ』バトルケニア=曙四郎、『電子戦隊デンジマン』デンジブルー=青梅大五郎役で子供たちの人気者となっていただけに、正に満を持しての初主演作。スーツを装着しなくても宇宙刑事は強いんだ!というイメージを植え付けたそのアクション、スタントも物凄いが、一年間のシリーズを通じて役者としても大きく成長。演技としてのアクションもこなせる稀有な存在となった。また、バリバリの二枚目ではない親しみやすさも、その魅力である。
『ギャバン』の放映が始まったのは、丁度<第三次怪獣ブーム>が終焉を迎えた時期。復活した『ウルトラマン80』や『仮面ライダースーパー1』が次々と終了し、ヒーロー番組は戦隊シリーズ一本だけという、いわば冬の時代。決して恵まれた環境だったわけではないのだが、そんな中にあってもスタッフ・キャストは挑戦を続け見事に作品は大ヒット。<宇宙刑事>は一つのブランドとしてシリーズ化され、その後も新たなジャンル路線として定着させたのである。
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