「仮面ライダースペシャル 10号誕生!仮面ライダー全員集合!!」
投稿日 | : 2003/07/12 22:44 |
投稿者 | : Excalibur |
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リバイバル・ブームに乗っかって復活した第2期「仮面ライダー」シリーズが、『仮面ライダー(新)』と『仮面ライダースーパー1』の2作で終了することが決定した時、ファンは行動を起こした。その熱意は原作者をはじめとする製作スタッフをも動かし、遂に新しい仮面ライダーが誕生することになる。TVという制約を離れることによって、より大人向けの展開も可能な、いわば外伝としての10人目の仮面ライダー。ファンからのネーミング公募も行われ「ZX(ゼクロス)」と名付けられた10号ライダーは、結局は児童誌を舞台に一年以上の長きに渡って活躍することに。そしてその締めくくりとして一度限りのTV化が試みられた。それが正月特番として放映された本作、『仮面ライダースペシャル/10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』なのである。
物語は悪の秘密結社バダンによってパーフェクト・サイボーグ<ZX>に改造された村雨良が、失われた自我に目覚めバダンを脱出し、バダンを倒すことを決意するという基本設定部分をダイジェストで冒頭で描き、以後本編ではバダンを追う村雨良と、同じくバダンを追って日本に集結した歴代の9人ライダーとの出会いから、バダンの総帥・暗闇大使を10人ライダーが倒すまでの展開をスピーディーに描いている。素顔で登場する先輩ライダーは三人。V3こと風見志郎、ライダーマン・結城丈二、それにスーパー1の沖一也。変身シーンもなくほんの数シーンのみの登場は寂しいが、以降の作品では声の出演すらなくなることを考えると貴重。殊に結城丈二を演じた山口豪久(山口暁)にとっては、これが事実上の遺作となってしまった。また姿こそ見せないが、佐々木剛が2号ライダーの声を演じているのも嬉しい配慮。また本作でそのライダーマンのスタントを演じていたのが、無名時代の唐沢俊明だったのもファンには有名な話である。
1号ライダーはいても素顔の本郷猛はおらず、立花藤兵衛や谷源次郎といった「おやっさん」も不在なために、風見志郎がリーダーシップを取って歴代ライダーとZXとの橋渡し役になっているが、なんとその紹介にあたって歴代ライダー大活躍のダイジェスト・ビデオ(素材はTVスペシャル『全員集合!7人の仮面ライダー』などからの抜粋)を村雨良に見せながら、というのが驚愕。一体誰がいつどこでそんなものを撮影し、編集したというのだろう???
他にも単独作品ということで主題歌はイメージソングの転用、BGMも新録されずに既成作品からの流用・・・と、ツッコミどころも満載。ファンならばその出典探しも楽しいのでは?(ちなみに、シリーズ以外に『超人バロム・1』からも流用がある) 最近、コミック『仮面ライダーSPIRITS』の影響からZXが再評価されているようなので、ここで映像作品にあたってみるのも悪くはないだろう。
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