1960年の実写版、1963年のアニメ版、1980年のリニューアル版（『太陽の使者　鉄人28号』）、1992年の続編（『鉄人28号ＦＸ』）に次いで今春から５度目のＴＶシリーズ化。原作者の横山光輝は惜しくも先ごろ亡くなったが、深夜帯にもかかわらず放映は好評のようだ。

原作は未読なのでどこまで原作に近いのか、雰囲気を伝えているのかはわからないが、現代的なアレンジを施すことなくレトロ調で復活させたのが勝因だろう。鉄人は旧日本軍の秘密兵器だったという設定に基づき、声高に戦争反対を訴えかけるのではなく、生まれるべきではなかった悲しい怪物として描写し、従来のロボット・ヒーロー路線とは一線を画している。またそれを物語できちんと描くべく舞台を昭和３０年代と設定し、その時代考証にもこだわりが感じられる（路面電車、オート三輪、建設途中の東京タワーなど）のも新鮮に映る。
監督が今川泰宏だけに、ＯＶＡ『ジャイアントロボ』ほどではないものの、連続物としての「引き」や「けれんみ」もタップリ。毎回毎回が楽しみな作品である。

実は既に製作はほぼ終了し、今は仕上げの段階なのだとか（全１３話？２６話？どっちだ）。そしてその後は完全新作で劇場版の製作も始まるとのことで、こちらも楽しみ。公開は来年になるようだが、実写版の新作映画も来年公開のはず。実写版とアニメ版のスクリーン対決も見物になりそうだ（それとも同時上映とか？）

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