トップページ > 記事閲覧 
「宇宙戦艦ヤマト2199」
投稿日 : 2012/06/08 17:20
投稿者 久保田r
参照先
2012年4月「第1章」劇場公開〜Blu-ray・DVD発売〜インターネット配信〜レンタル〜TV放映という映像展開

<スタッフ>
総監督・シリーズ構成:出渕裕
原作:西崎義展
キャラクターデザイン:結城信輝
ゲストキャラクター・プロップデザイン:山岡信一
チーフディレクター:榎本明広
チーフメカニカルディレクター:西井正典
CGディレクター:今西隆志
メカニカルデザイン:玉盛順一朗、石津泰志、山根公利、出渕裕
セットデザイン:高倉武史、小林誠、渡部隆
コンセプトデザイン協力:宮武一貴
撮影監督:青木隆
美術監督:前田実
色彩設計:鈴城るみ子
音響監督:吉田知弘
音響効果:西村睦弘
音楽:宮川彬良、宮川泰
CG制作協力:SUNRISE D.I.D.
アニメーション制作:XEBEC、AIC
製作:宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会

<キャスト>
沖田十三:菅生隆之/古代進:小野大輔/森雪:桑島法子/島大介:鈴村健一/真田志郎:大塚芳忠/徳川彦左衛門:麦人/佐渡酒造:千葉繁/加藤三郎:細谷佳正/南部康雄:赤羽根健治/相原義一:國分和人/太田健二郎:千葉優輝/AU09:チョー/山本玲:田中理恵/原田真琴:佐藤利奈/篠原弘樹:平川大輔/榎本勇:藤原啓治/山崎奨:土田大/平田一:伊勢文秀/星名透:高城元気/薮助治:チョー/アベルト・デスラー:山寺宏一/レドフ・ヒス:秋元羊介/ヴァルケ・シュルツ:島香裕/ゲルフ・ガンツ:チョー/古代守:宮本充/山南修:江原正士/芹沢虎鉄:玄田哲章/土方竜:石塚運昇/藤堂平九郎:小川真司/スターシャ・イスカンダル:井上喜久子、他

記事編集 編集

Page: | 1 | 2 |

第4章 第11話「いつか見た世界」
投稿日 : 2013/06/07(Fri) 14:33
投稿者 久保田r
参照先
 帰る艦を失ったガミラスのパイロットのメルダは、ヤマト艦内に身を置いたまま身体検査並びに尋問を受けていた。乗組員にはガミラスに肉親を殺された者が多く、彼女の処遇を巡る対立意見が相次いだ。古代は、沖田艦長の命令によりメルダを尋問する。機関部の山崎は、ガミラスとの最初の戦いの生き残りであり、その戦いの出来事について箝口令が敷かれていたがそれを破って島大介に事実を話す。しかし話を聞いた島は「そんな話は信じない」と怒りを露にする。突如、係留していたメルダ機とそれを追うようにコスモファルコンが発進。ヤマトからの通信を切ったコスモファルコンは、メルダ機に照準を合わせる。

 冒頭で、まさかのガミラス vs ガトランティス戦。始めにドメルの格好いい戦闘指揮振りが映し出されたので、これは出来る男であるドメルの有能さをアピールする演出なのだろうと何の気なしに見ていたら、聞き覚えのあるメロディーが耳に入ってきて「ん?」と引っかかりを覚えつつ映し出されている敵艦をよくよく見たらよもやのガトランティス艦。そしてバーガーの「ガトランティス恐るるに足らぬ」の台詞で確実なものに。何てこった。ガトランティスはドメルと戦っていたのだな。だったらドメルのような男を抱えていたデスラーを「惜しい」と思って助けるよね。ふむふむ、これで納得。と、勝手な思考を膨らませつつ、私がもっと驚いたのはそういうエピソードではなく音楽だ!この戦闘シーンで流れていたのは、かの「ニュー・ディスコ・アレンジ」よねっ!?なんとなくちょこっとアレンジが加えられているような気がしなくもないけど、でも「ニュー・ディスコ・アレンジ」だっ!(大事なことなので2回言いました)どぇーい!!これは『2』ではなく『1』のリメイク作品であるにも拘らず「ニュー・ディスコ・アレンジ」(注:3回目)をBGMに使うだなんてどんだけ貪欲〜〜〜!!(と、ほんのちょっと韻を踏んでみる)ちなみにこの曲は、『2』の「第20話」で使われてます。いやっはー。それにしても『2199』は、細部にまで小技が効いてます。ところでこれって「サントラ Vol.2」に入る?

 という驚きを冒頭で喰らいつつ、ストーリーはシリアスな内容へと。メルダをどう扱うべきかという難題が、乗組員の心情を表へと引き出させ、どう行動することが正しいのかの答えが見え辛く難しい事態となっている。冷静な判断と感情のバランスが非常にデリケートで、肉親をガミラスに殺されている乗組員が多いだけに苦慮するところ。こういう事態にあって強い意志で決定を下す沖田艦長の内面の強さに感動した。沖田艦長の強さは、事実を承知し、多くの仲間を喪う悲しみを抱えてきたからこそ。この口数少ない沖田艦長の思いが島大介に届くことを願うしだい。

 ガミラスとの開戦の事実描写は、リメイクならではだろうと思う。かつてのシリーズと照らし合わせると違和感を覚えなくもないが、こういう描写が可能となったのが現時点に於ける社会の風潮なのだろうと思う。殊にこれまでに作られた日本のアニメーション作品の風潮がこういう描写に表れているように思う。”たかがアニメ。されどアニメ”の精神で来た日本のアニメーションの意識ではないだろうか。

 メルダは、一応の決着を得てヤマトを離れた。彼女がこのままヤマトに残るという選択肢もあったのでは…と考える余地があるところが今回のエピソードの良い点であるように思う。彼女とは再会する機会があるだろうか。ヤマト乗組員に大きな波紋を投げかけていったインパクトのあるキャラクターであった。

 追記。
 入浴シーンいらないのよねん。ストーリーの内容が深刻だから視覚で楽しむ感じなのかな。だったらね、私ゃプールのシーンがよかったよ。雪と玲にビキニやワンピースを着せてさ。想像出来る方がより萌えるんじゃないか。それにプールだったら男性乗組員がいてもいいわけじゃん。そしたら例え遠くて小さくてボヤけててもついでに男性キャラのボディも見れて女性ファンは嬉しいわけだよ。んでプールサイドのジャグジーで雪と玲があの会話をしてるんだよ。その方がよかったよ、あたしゃ…。何だい…あのいきなり大浴場でふたりっきりって…。ぶつぶつ…。

記事編集 編集
第3章 第10話「宇宙の墓場」
投稿日 : 2013/04/17(Wed) 16:37
投稿者 久保田r
参照先
 ワープに入ったヤマトだが、いつもと様子が違うため艦長と真田は自動航法システムの異常かと察し、雪を向かわせる。自動航法システムの前には岬百合亜が倒れており、百合亜は雪を見るなり驚愕する。そしてヤマトは次元の狭間である異次元断層にはまり込む。そこには様々な星の艦が漂流しており、まるで宇宙の墓場の様相であった。ガミラスの艦と遭遇したヤマトは、使者を受け入れ、この断層から脱出する方法を聞く。それには互いの協力が必要とのことから、艦長はこれを受諾。使者はそのままヤマト艦内に残り、協同作戦が決行される。使者を監視する任に就いていた山本は、ガミラスより使者として送られて来た女性パイロットのメルダをじっと睨みつけていた。

 各キャラクターの動きと演出の効果がピカイチに光っている第10話。この辺りになって来ると各キャラクターの個性や性格や背景といったものが飲み込めて来ているので、第一艦橋で島や南部や太田たちの交わす会話とか古代と山本の行動にそれなりの意味が伴っていて見応えあり。一つ一つのシチュエーションの描写が美しく且つ切れがあるので、「宇宙の墓場」という奇妙な場所で行われるガミラス艦とヤマトという奇妙な組み合わせの協同作戦が良い緊張感を保って描かれてあって良かった。

 異次元断層の描写が水中のような深海のような美しさと圧迫感があって良かった。登場人物についても、ガミラスの様々な人種のそれぞれの立場で分かりやすく描写されてあったし、予期せぬ事態にも勇気ある決断を下す沖田艦長の断固たる姿勢というものが渋くかっこよく描写されていて良かった。ガミラス兵との交渉の席に着いた古代の冷静な行動と、いつ感情を爆発させてもおかしくない山本との対比がほどよく描かれてあったのも良かった。

 美しい演出だと思ったのは、牽引ビームの描写がワイヤーの動きを模しており絵に動きがあって良かったのと、山本とメルダのいる室内に飾ってあったリンドウの花。このリンドウの花がさり気なく大きな効果を生み出している。殺風景な室内を装飾する役割はもちろんのこと、女性同士のシーンに華を添え、メルダの肌の色と何気ないグラデーションの美を描き出している。そして、メルダの心情を表すかのように床に散ったリンドウの花。帰る場所を失ったメルダの今後が気になるところ。
記事編集 編集
第3章 第9話「時計仕掛けの虜囚」
投稿日 : 2013/04/17(Wed) 16:34
投稿者 久保田r
参照先
 土星の衛星エンケラドゥスで捕獲したガミラスの機械化兵から情報を引き出す任務についたアナライザーは、機械化兵を「オルタ」と名付け、地球の言葉を教えることから始めた。やがてオルタは、手から触手のようなものを伸ばしてヤマト艦内の回線に入り込むようになる。そこでオルタはヤマトの「女神」と出会い、「お前は何者だ?」と尋ねられる。ある日、オルタは脱走を図る。艦首に向かって進むオルタを保安部の伊東が破壊しようとするが、それを真田とアナライザーが止める。そして、甲板上に出たオルタに向かってアナライザーが穏やかに近づいてゆく…。

 今回も出だしは、ラジオヤマトのシーンから。ここのところ岬百合亜嬢の出番が多め。今回のラジオヤマトは、少し古い物語を朗読するという内容。その物語の流れとシンクロするようにアナライザーとガミラスの機械化兵「オルタ」との交流が描かれてゆく。それと同時に、真田の存在もクローズアップされており、どんな時でも沈着冷静な真田の思考の展開がアナライザーや伊東との会話を通して示されており、真田の真の姿について何かを匂わせるような内容のストーリーともなっている。

 最後の方には涙腺が緩んでしまった。岬百合亜嬢が朗読する物語の内容が良かったし、並行して描かれるアナライザーとオルタの友情にも似た機械同士の交流に心が揺さぶられた。感動のSF作品だった。中学の頃にブラッドベリなどの作品を読んで受けた時の感動が蘇り、当時の初心を思い出させてくれた。機械と人間の関係性は、機械を人間に近づけようとするあまりに生ずる葛藤。これはSFの永遠のテーマであり魅力的なテーマ。今回のストーリーは、自分が忘れかけていた十代の頃の爽やかな感動を思い出させてくれる良い内容だった。

 多少センチメンタルさとロマンチックさが多いかも知れない。美しく描写すればするほど切なさは募る。それゆえ最後は悲しみに覆われた。しかし悲しみがどん底まで落ちないのは、立場をわきまえた行動に徹したアナライザーのおかげ。アナライザーは、オルタに寄りつつも常に真田の傍らにあって人間の役に立っていた。アナライザーは、やはりヤマトになくてはならない。
記事編集 編集
第3章 第8話「星に願いを」
投稿日 : 2013/02/22 14:40
投稿者 久保田r
参照先
 ガミラスの帝都バレラスでは国を挙げての式典が行われていた。式典後デスラーは閣僚たちが集う場で、”ある余興”を見せる。その余興とは、デスラーが自ら立案した作戦でヤマトを殲滅するというものであった。その頃、ヤマトはワープを終えて恒星グリーゼ581の付近を航行していた。ヤマトを追うシュルツの艦隊がこの作戦のためにデスラーから賜った「デスラー魚雷」を発射。ヤマトはこれを魚雷で迎撃するも、爆破されたミサイルからガス生命体が出現しヤマトに襲いかかる。逃げるヤマトの前方には灼熱の巨大なフレアが出現。ヤマトは最大のピンチに包まれる。

 出だしは、ラジオヤマトのシーンから。岬百合亜がDJを務めるラジオヤマトが流れ、展望デッキでは森雪が手に何かを持って佇んでいるというもの。艦長室では沖田艦長の健診が行われており、佐渡医師が「くれぐれも無理はしないように」と釘を刺す。そこへ新見薫が訪れ、移住の可能性のある惑星探査の許可を艦長に進言するが、沖田から「いずも計画は破棄されたのだ」と却下される。何やら新見薫にはいずも計画に関するいわくがあるよう。

 ガミラスの式典の描写は、演説するデスラーの姿が立体投影されていて格好よかった。感激した様子で笑顔で聞き入っているヒルデが可愛らしい。ガミラス語は何を言っているのかさっぱり。だが字幕が出るので大丈夫。そして広間には閣僚大集合。この辺からは日本語による会話。デスラーもそうだがなかなかの美形と渋いおじさんが揃っている。彼らの中にあってミーゼラ・セレステラが細い肢体ながらも知的さと優雅さを備えていていい雰囲気。そして「総統も相当冗談が…」のシーンが見れる。

 デスラーの作戦によってピンチに直面したヤマトの第一艦橋内の緊張感が格好いい。それぞれの担当の仕事をビシっと決めている。沖田艦長の状況の見極めと判断が素晴らしく、それに応えるクルーの姿が立派。しかし、途中で沖田艦長が倒れるというアクシデントが。この時はすぐに持ち直すも、一抹の不安を残す。そして、巨大フレアを波動砲で撃ち抜いてピンチ脱出。炎をバックにしたヤマトのシルエットが格好いい。
記事編集 編集
第3章 第7話「太陽圏に別れを告げて」
投稿日 : 2013/02/20 15:20
投稿者 久保田r
参照先
 ガミラスの冥王星基地を破壊し一路イスカンダルへと向かうヤマトは、地球との通信の限界である太陽圏と恒星間空間の境界のヘリオボーズを通過しようとしていた。沖田艦長は、クルーに地球との最後の交信を許可。それと同時に赤道祭を催し、地球及び太陽圏との別れのひとときを過ごす機会を設けた。徳川、南部、島らが地球と交信をしている間、ガミラスとの戦いで家族を失っている古代は、甲板の修理を手伝う。同じく家族を失った山本も手伝いに向かう。そして雪は、そんな二人を赤道祭が行われている会場の窓から見ていた。

 サブタイトルに「真赤なスカーフ」と付けるのがしっくり来る内容の第7話。今回は、地球に別れを告げるヤマト艦内の様子を描いている回であるので、戦闘シーンやガミラスの描写は一切なし。ただただひたすらに地球との別れのひとときを過ごすクルーの様子をじっくりと見ることのできる内容となっている。

 任務とかけ離れた時間を過ごすだけに各キャラクターの性格が表れており、普段見ることのできない表情や思いといったものが窺え、「艦を動かすのは人」の部分にぐんと厚みが増して後に生きる良い内容だったように思う。沖田艦長や徳川の世代と若いクルーとでは別れの時の過ごし方が違うし、またガミラスとの戦いで家族を亡くした者の胸中や、地球に家族がいる者の最後の交信に伴うえも言われぬ寂しさといった様々な立場にあるキャラクターの表情が情感を持って描かれてあり、楽しさや悲しさや切なさの入り交じった様子が描かれてあってよかった。

 ラジオヤマトが抜群のタイミングで登場。劇中で「真赤なスカーフ」を効果的に流す見事な演出。作品のキャラクターと作品を見ている者が同じ気持ちで同じ歌を共に聞く至福のひととき。そして、この回は随所で細やかなBGMが効果を発揮している。『2199』は、「ヤマト」の音楽の力を十分に活かしている。

 追記。
 原田真琴嬢のメイド姿の絡み酒が今回のMVP(笑)。
記事編集 編集
第2章 第6話「冥王の落日」
投稿日 : 2012/10/06 16:02
投稿者 久保田r
参照先
 真上より反射衛星砲の直撃を受けて冥王星の海に沈んだヤマトは、じっと息を潜めて航空隊の報告を待った。艦内には負傷者が溢れ、各部署は応急修理に追われた。シュルツは、ガミラス総統のデスラーに直接勝利の報告をする。そこへ、加藤から基地発見の報告が入り、応急修理を終えたヤマトは潜水艦行動の形態で浮上する。その頃、古代と山本は敵基地の本拠地を発見。コスモゼロの武器で基地の遮蔽フィールドを破壊する。そして、ヤマトは反撃へと転じる。

 今回のメカニックの見せ場は、ヤマトの潜水艦形態。第三艦橋を真上にしての真っ逆さまな姿は、その名のごとくの潜水艦。潜望鏡を扱う沖田艦長がかっこいい。お見事なアイデアに感動した。メカニックと言えば、真田の補佐役の新見薫嬢の活躍が目覚ましくてかっこいい。エキスパートな感じがストイックな雰囲気を作っていてかっこいいので、このままこういうキャラで活躍して行って欲しいと願うしだい。

 デスラー初お目見えが、のんびり優雅なお風呂の中の裸体姿。キャラクターデザインが旧作よりもやや若くてニヒルなイケメン風となっているので、これはよもやの女性ファン獲得路線?!側近のミーゼラ・セレステラの雰囲気も良く、なかなか魅力的な総統閣下の身辺となっている。デスラーの声の雰囲気はベリー・グッド。旧作のイメージをまといつつ現在のキャラクターデザインに見合った雰囲気の声となっている。

 山本の目の良さは航空隊向きなのだなということが、今作のでよく分かった。加藤を援護しに行った仲間たちの愚連隊並のノリの良さも航空隊ならではの絆と空気感が表現されていて良かった。機関室での薮と山崎の会話も良く、部署ごとの表情が描かれてあったのが良かった。

 反射衛星砲の砲台発見の報告を受け、ヤマトの艦体が海上に出る動きを見た際、『復活篇』での氷塊を割って現れるヤマトを思い出して思わず(『完結編』さながらに沈んだヤマトがもう『復活篇』!)と、心の中で叫んでしまった。作品上では『完結編』から『復活篇』まで17年の歳月があったのに、ここでは僅か数時間で。『2199』は展開が早い(笑)。
記事編集 編集
第2章 第5話「死角なき罠」
投稿日 : 2012/10/05 16:55
投稿者 久保田r
参照先
 地球を変貌させた遊星爆弾は、冥王星にあるガミラス基地から発射されていた。沖田艦長は、この基地を叩くことを決意する。作戦内容は、波動砲を使わずに航空隊との連携で行うというもの。真田は、エンケラドゥスで確保した敵兵の分析に取りかかる。エンケラドゥスで古代たちを助けた山本玲は、主計科から航空隊へと転属となり、古代と同じコスモゼロで出撃。メ2号作戦が発動されたヤマトに、ガミラスの反射衛星砲の攻撃が襲いかかる。

 初の大きな作戦行動であることからメカニックの見せ所が盛り沢山。取り分け注目すべきは、艦載機の発進システム。旧作とは打って変わったその発進システムに目が釘付けになること間違いなし。そして、コスモゼロが複数機あることにも驚いた。細かな各部署にキャラクターがいて主要キャラと会話を交わすシーンがきちんと入っており、なかなかに手の込んだ作りとなっていて、ヤマトに乗り込んだ大勢の乗組員の交流といったものが感じられ良いシーンとなっている。

 メカニックでは、ガミラスの反射衛星砲のシステムが実にスマートで美しい。リフレクターが展開する際に羽の表面が一瞬細かくキラキラと光って綺麗。応用範囲の広いこのシステムは、本当によく考えられていると思う。この攻撃を仕掛ける際のシュルツの表情が自信に満ちていたのも頷けるほど。

 山本玲が案外あっさりと航空隊に転属になったのには多少肩すかしな気もするのだけど、今までミステリアスな存在として見る者の興味を引きつけていたのだからこの辺でいいのかも知れない。でも結果オーライとはいえ、山本玲の取った行動は罰せられるものではないんだろうか?「ヤマト」はこの『2199』で軍事色が濃くなったので、そういったシーンがあるのかと思いきや何のお咎めもなし。というか、そもそもヤマトの主計科って具体的にどんな仕事なのかよく分からないままの転属であった。

 島が、沖田艦長のところに思いを伝えに行ったシーンが良かった。艦長というのは、乗組員みんなの言葉を聞く大変な役目なのだと思うけれど、沖田艦長は相当に懐の深い人物なのだということがこういうシーンから分かる。そして島は今回も活躍。ヤマトを操艦し、冥王星の海に着水。だが、ヤマトは反射衛星砲の攻撃を受けて姿勢を保てずに沈む。その姿は、まるで『完結編』へのオマージュ。引いたカットと効果音に思わず目頭が熱くなった。
記事編集 編集
第2章 第4話「氷原の墓標」
投稿日 : 2012/10/04 17:07
投稿者 久保田r
参照先
 ブリーフィングの最中、冥王星にあるガミラス基地を攻撃すべきかどうかで古代と島が言い争う。そこへ機関部の一部が溶け出しているため至急修理が必要だとの連絡が入る。更に救難信号をキャッチし、信号が発せられている土星の衛星エンケラドゥスに修理に必要な資源があることから、ヤマトはその衛星へと急行する。雪とアナライザーは、古代と原田真琴を伴って救難信号の発信源へと向かう。資源回収を行っているヤマトにガミラスの偵察揚陸艦が襲いかかる。一方、古代たちにも敵が襲いかかり雪がさらわれてしまう。駆けつけたコスモゼロの救援を受けて助かった古代は、難破船の艦名を発見し大きな衝撃を受ける。

 多くの登場人物とてきぱきと進むストーリー展開により盛り沢山な内容。事態の進行に合わせて各セクションのキャラクター達が少ない台詞ながらもしっかりとドラマを紡いでいるため、多角的に興味を持つことのできる視野の広い展開となっている。多くの登場人物達が触れ合うシーンは、必然的にキャラクターの性格や人間性を知ることが出来るのでより一層愛着が湧きやすい。真田が食堂で中原中也の詩集を読んでいたシーンは、真田の性格と人間性を知り得るシーンとしてさり気なく描かれてあってよかった。また、キャラクター間の会話の中に細かな伏線が織り込まれてあり、何気なく発せられるそういった台詞を見つけるのも楽しい。

 旧作より女性キャラクターが多い分、見た目にも内容的にも楽しくなったように思う。旧作では雪が一人で担っていた役割が分担され、各女性キャラクターの個性と相俟って今後どんな展開が繰り広げられるのかに期待が持てる。岬百合亜嬢は、雪の信奉者なのだろうか?真琴嬢のずっこけ振りは、ナイス。そして、アナライザーの「敵ですよ」の一言に「関係ない!」ときっぱりと言い切った真琴の姿に、自分の仕事に対する誇りが感じられて良かった。

 お互いの意見をぶつけ合う古代と島の姿がよかった。二人とも臆せず自分の意見を言うところがかっこいい。その後で仲直りするところもグッド。星名透君は、やっぱり可愛かった。古代と島とは違うタイプでよし。山崎奨さんと平田一さんが渋くてナイス。

 ところで…シュルツが段々とかわいそうになって来た…。
記事編集 編集
第2章 第3話「木星圏脱出」」
投稿日 : 2012/09/28 16:17
投稿者 久保田r
参照先
 地球を発進したヤマトは、火星軌道からワープのテストを行うことにする。真田と新見からワープと波動砲について説明を受けた乗組員たちは、初めて聞く内容に戸惑いを隠せない。雪は、ワープの前にサーシャの眠る火星に花束を投げる。ワープ明けした場所は、予定していた宙域ではなく木星であった。ヤマトは木星の重力に引かれて落下し、浮遊大陸に軟着陸する。アナライザーの解析により浮遊惑星はテラホーミングしてきたものだということを説明する真田。エンジン修理を施すヤマトの前にガミラス艦が接近する。

 冒頭での土方の乗る「きりしま」の見送りを受けるシーンに胸がちょっと熱くなった。この「きりしま」のシーンは、コミックを読んでいると単なる見送りではない土方と沖田の友情が感じられ胸が熱くなる良いシーン。

 「火星でサーシャが一人で眠っているのね」という雪の台詞を聞いた時、多少の唐突さが感じられ、まさかここで早くも何かの告白か!?と思いきや、次の古代のサーシャへの手向けの言葉を聞いて(何だそういう意味合いか…)とちょっとカクっと来た(笑)。雪は時折、意味深な台詞を言うので目が離せない。

 技術科士官の新見薫嬢が、キャラの絵を見た時には萌え要素の濃いキャラかと思ったら声を聞いてみたら低めの落ち着いたインテリっぽい声だったので、意外にもシリアス派なキャラなのか!?と、自分の想像していたキャラとのギャップにちょっと驚いた。でも、まだ登場したばかりなので今後の出番を楽しみにしたいところ。

 ワープの描写は、旧作のイメージを若干被せつつも新たな表現を打ち出しているといった感じ。時空の歪みを表現しているため、見る人それぞれの感覚によって捉え方が色々あると思うのだけど、私は”落下”のイメージで捉えた。時空の一方の頂点から一方の頂点へ落下するイメージ。宇宙空間ゆえ落下という重力的な表現は相応しくないと思うのだけど、あくまでも私個人のイメージということで。

 シュルツが、可愛い女の子が映るビデオメッセージを見ていたので驚いた。まさかのシュルツ娘溺愛説。今後どんな父娘関係が描かれるのか要注目。

 波動砲の威力の凄まじさが予想を超える破壊力といった雰囲気で描写されてあり、痛ましさも感じられて良い表現だったと思う。撃った直後の南部の発言も人間の持ち合わせる一面であり、結果を粛々と受けとめ大人な会話を展開した沖田艦長と真田の姿も人間の持つべき理性。若者の反射的な反応とベテランの理性的な反応の対比がよく描かれてあり、こうしたことの積み重ねがクルーの成長と絆を深めて行くのだということを感じ取った。

 今回の私的MVPは、島大介。大いに活躍していた。切羽詰まった真面目なシーンがとてもいい。声の張りも格好いい。『2199』でも惚れた。
記事編集 編集
第1章 第2話「我が赴くは星の海原」
投稿日 : 2012/06/08 17:24
投稿者 久保田r
参照先
 武装されていないコスモゼロで出撃し、不時着した古代と島は、遊星爆弾によって赤く干上がった大地に同じく赤く錆び付いた大きな沈没船が上半分を晒して埋まっているのを発見する。敵機は、その沈没船に向かって攻撃。やがて沈没船の砲塔が動き始め、敵の母艦を砲撃し、撃沈する。この戦いの後、広い会場に大勢の人員が集められ、沖田艦長より「ヤマト計画」の発表がなされる。ヤマトの波動エンジンにサーシャによって届けられたエンジンのコアがはめ込まれ、また世界各地から電力の供給を受けて、いよいよヤマト抜錨の時。戦術長の古代の指示のもと、敵の冥王基地から放たれた巨大ミサイルをショックカノン砲で撃破し、ヤマトは遥か16万8千光年彼方のイスカンダルに向けて発進した。

 一言叫ぼう。燃える!!もうこれしかない。ヤマトの発進は、いつ見ても燃える!!そして、大きな感動。重い船体を奮わせて赤い大地を蹴って飛び立つヤマトの勇姿を、爽やかな希望を感じさせる美しいメロディーが盛り上げている。映像と音楽の絶妙なコンビネーションに胸が熱くなって目頭が熱くなった。この重要な最初の発進シーンを、親子共演の音楽で最大限に盛り上げていることにとても感動した。これぞ「ヤマト」。そう感じられるシーンとなっていて本当に良かった。

 ヤマト発進に至るまでに今後に繋がる伏線が幾つも張られてあり、覚えておかなければならないシーンが随所にある。雪の「必ず帰る」という台詞や、ミステリアスな雰囲気の山本玲の存在や、不思議な言語を話すガミラス人など。これらの伏線と平行してヤマトに乗り組むクルーの家族の様子が描かれてあり、徳川が家を出るシーンでは息子の太助と孫のアイコが登場し、島の見送りには弟の次郎が登場する。こうした家族関係が描かれてあるのは、作品の奥行きに厚みをつける大切なシーンとなっているので興味深く鑑賞した。今回の一番の収穫は、徳川一家の家族構成が明らかになったことかと。

 スクリーンに映し出されるスターシャが聡明で美しい。このスターシャのいるイスカンダルに向かってヤマトは進む。ここまで見た印象として、「2199」は、ナレーションがなく、かと言って各キャラクターに説明的な台詞を長々と語らせるわけでもなく、キャラクター間の会話の流れの中で必要最低限の説明的言葉を盛り込みながらストーリーが進行している点がとても巧みであるように感じられた。登場キャラクターが多いため、一人一人の台詞量は少ない。だが、必要な情報を盛り込んだ映像とキャラクターの反応と表情とでストーリーが淀みなくスムーズにあるべき姿に沿って流れている。なかなかに質の高い構成と仕上がりになっているのではないかと感じられた。今後の展開に期待。

 追記。
 チョーさん、薮の声上手い。
記事編集 編集
第1章 第1話「イスカンダルの使者」
投稿日 : 2012/06/08 17:21
投稿者 久保田r
参照先
 日本のアニメーションの金字塔作品「宇宙戦艦ヤマト」のリメイク作品。「宇宙戦艦ヤマト」を見て育ったスタッフによって制作され、監督は、出渕裕さん。キャラクターデザインは、結城信輝さん。音楽は、「宇宙戦艦ヤマト」の音楽担当であった故・宮川泰氏のご子息である宮川彬良さん。沖田艦長の声には、菅生隆之さん。若き主人公の古代進の声には、小野大輔さん。古代の親友の島大介の声には、鈴村健一さん。森雪の声には、桑島法子さんが演じている。後に登場するデスラーの声には、ゲームや『復活篇』で古代進を演じた山寺宏一さんが担当されることが決まっている。

 物語のスタートとなる第1話は、旧作の「宇宙戦艦ヤマト」の第1話のイメージとほぼ同じ感覚で作られている点が好印象でありスムーズな滑り出しとなっている素晴らしい構成。旧作をトレースしつつもざっくりとした切り口であった旧作のストーリー設定を、現代のテイストを織り交ぜながらよりリアリティを持たせ、整合性を図りながら作られているので説得力のある納得のいく作品となっている。

 お馴染みのキャラクターに加え、旧作の「part 1」には登場しないその後のシリーズ作品で登場したキャラクターが自然な形で登場している他、新キャラクターもたくさん登場し、旧作よりもキャラクター設定に厚みのついている点が「2199」の特徴。若者キャラクターのデザインが目がパッチリとしてかわいい系で特に女性キャラは”萌え”要素が盛り込まれているものの、彼らを育てる上層部のおじさんキャラクターは”漢”な渋いデザインとなっているので、シリアスなストーリー展開の中で繰り広げられる若者キャラとおじさんキャラの交流と対比が今後の見どころの一つになっていくのではないかと期待する次第。

 この第1話を見て所々で涙腺が緩んだ。特に冒頭の冥王星会戦では、圧倒的にやられてばかりの地球艦隊の姿に込み上げるものがあり、胸が苦しくなった。古代守の艦が単艦で敵艦隊に突っ込んで行く流れのシーンでは、乗組員の歌う歌に感情が揺さぶられ、涙がこぼれた。未来の話でありながらアナログな部分を持ち合わせる「ヤマト」らしい演出に感動。

 随所に見られる旧作の台詞と、これから築かれる新作のストーリーとの融合が、心地いいバランスで納まっていると感じた。旧作をリスペクトするあまりの突出感などなく実に丁度いい配分。リメイク「ヤマト」が、この丁度いいバランスで航海して行くことを期待。

 DVDには第1話のオーディオコメンタリーが特典として付いており、出渕監督と小野大輔さんと桑島法子さんのコメントを聞きながら第1話を振り返ることができるようになっている。苦節数年の末に漕ぎ着けた出渕監督の「2199」に賭ける熱い思いが篤と語られている。

 追記。
 音楽について。「2199」の音楽担当が宮川彬良さんとなり、遂に念願の親子共演がで叶ったことが「ヤマト」音楽ファンとして何よりも心の底から嬉しい。本当に、本当にありがとう。

 彬良さんのアレンジによって甦った旧作の音楽の数々は、きっちり旧作のイメージを引き継ぎながらも現代の音で美しく奏でられており、自然な流れでの音のお色直しに静かに深く感動した。

 また、彬良さんによる新曲が随所でドラマを盛り上げており、そこには彬良さんが培ってきた彬良さんならではの音楽がしっかりと表現されている。新たな時代の「ヤマト」音楽の誕生にも感動。

 願い続けてようやく叶った親子共演の「ヤマト」音楽。シリーズの最後までたっぷりと味わいたい。
記事編集 編集

Page: | 1 | 2 |

件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -