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「銀河英雄伝説」
投稿日 : 2001/09/14 23:34
投稿者 久保田r
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原作:田中芳樹

宇宙歴796年、帝国歴487年の初頭。帝国軍2万隻。自由惑星同盟軍4万隻。場所アスターテ。ここから二人の英雄の物語が始まる───。

〈主な登場人物〉
★ 銀河帝国‥‥‥ラインハルト:堀川亮、キルヒアイス:広中雅志、アンネローゼ:藩恵子、ミッターマイヤー:森功至、オーベルシュタイン:塩沢兼人、ビッテンフェルト:野田圭一、ミュラー:水島裕、ケスラー:池田秀一、ヒルダ:勝生真沙子、他山ほど
★ 自由惑星‥‥‥ヤン:富山敬、ユリアン:佐々木望、フレデリカ:榊原良子、シェーンコップ:羽佐間道夫、キャゼルヌ:キートン山田、ムライ:青野武、アッテンボロー:井上和彦、ジェシカ:小山茉美、コーネフ:鈴置洋孝、ポプラン:古川登志夫、他山ほど
★ フェザーン‥‥‥ルビンスキー:小林清志、ルパート:鈴置洋孝、ボルテック:仁内建之、ドミニク:平野文、他地球教など
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第11話 「女優退場」
投稿日 : 2001/10/24 23:04
投稿者 久保田r
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アンネローゼのいる宮廷内部を表した回。原作は「外伝1巻」に書かれていますが、ストーリー自体は異なっています。キルヒアイス、ロイエンタール、ミッターマイヤー、オーベルシュタインの4人が活躍するストーリーということで、割合気に入っている回です。藤田淑子さんのベーネミュンデ侯爵夫人に感服。

第11話「女優退場」
「陛下は何故わらわの元に来て下さらぬのか。全てはあの女。あの女が悪いのだ」アンネローゼに対して憎しみの炎を燃やすベーネミュンデ侯爵夫人。同じくラインハルトに憎悪を抱くフレーゲルは、「力を貸しましょう」と、ベーネミュンデ侯爵夫人に取り入ります。
ラインハルトのところへ、「G夫人に対しB夫人が殺意を抱いている」という密告書が届きます。この密告書をキルヒアイスに見せたラインハルトは、「早速オーベルシュタインに調査させよう」と言います。
部屋で寛ぐアンネローゼの元へ侍女が血相を変えて報告に来ます。「ローエングラム伯が演習視察中に大怪我をされたので、すぐに来て欲しい」と、告げる侍女。アンネローゼはすぐに邸を出ます。
アンネローゼの乗った車とロイエンタール、ミッターマイヤーがの二人が乗った車が擦れ違います。ただならぬ様子を感じた二人は、キルヒアイスへ報告します。ラインハルトへ連絡しようにも軍事会議中の為に連絡が取れず、キルヒアイスはロイエンタール、ミッターマイヤーの二人を伴ってアンネローゼを探しに出ます。
車が襲撃され、アンネローゼは、1軒の山荘へ連れて行かれます。そこでアンネローゼはベーネミュンデ侯爵夫人と会います。ベーネミュンデ侯爵夫人はグラスに酒をつぎ、指輪に仕込んだ毒薬を入れ「さぁ、お飲み」と、アンネローゼへ迫ります。飲まされようとするアンネローゼ。と、そこへ、外から激しい銃の音が響き渡ります。
アンネローゼの乗った車を探し当てたキルヒアイス達は、山荘の外にいる男達を連係プレーで倒し、中へと突撃します。飛び込んだ3人は、ベーネミュンデ侯爵夫人がアンネローゼの喉元へナイフを突き付けているのを見て、足を止めます。「銃を捨てろ」と言われ、銃を床に置くキルヒアイス。次の瞬間、突然部屋の明りが消え、3人はこの機に乗じて発砲します。「アンネローゼ様っ!」「ジーク!」窓が割れる音がして、明りがつきます。既にベーネミュンデ侯爵夫人の姿はなく、アンネローゼだけが床に倒れているだけ。そこへ、部屋の電源を落としたオーベルシュタインが現われます。
事の次第を聞いたフリードリヒ4世は、「苦しまずに済むようにしてやるがよい」と、リヒテンラーデに告げます。
自害するよう宣告されるベーネミュンデ侯爵夫人。取り乱したベーネミュンデ侯爵夫人は、見届け人として立っているラインハルトを見つけて「あの女の弟!」と、唾を吐きかけます。ラインハルトは寸分も動かずにただ見下ろします。薬を飲まされ、息絶えるベーネミュンデ侯爵夫人。
廊下でフレーゲルと会ったラインハルトは、「この次も逃げおおせると思うな」と、一言叩き付けます。
衰退するゴールデンバウム王朝。翌日、ベーネミュンデ侯爵夫人の病死が発表された。
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第10話 「ジェシカの戦い」
投稿日 : 2001/10/20 23:47
投稿者 久保田r
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ヤンとジェシカとラップの士官学校時代の姿が見られる回。若々しく描かれていますので、微笑ましい思い出として見たいところなんですが、現在二人が置かれている立場を思うと少々切ない感じが致します。
選挙に立つことになったジェシカの台詞。
「私は権力を持った人達に常に問いかけて行きたいのです。あなた達はどこにいるのか。兵士達を死地に送り込んであなた達はどこで何をしているのかと」
現実的に戦争が行われる限り、悲しみを抱える人は後を断たない・・・。

第10話「ジェシカの戦い」
士官学校の創立日記念式典に出席するためテルヌーゼンを訪れたヤンは、空港へ降り立つなりいきなり大勢の記者団に迎えられられて驚きます。何事かも分からずに求められるまま握手をし、花束を受け取ったヤンは、トリアチの演説を聞いているうちに自分が政治ショーに利用されたことに気付き、苦い顔をします。
ホテルの部屋でユリアンと寛いでいるところへ、突然数人の男達が殴り込みにやって来ます。壁に頭を打ち付け、頭を抱えるヤン。そのヤンへ再び男達の拳が振り下ろされようとした時、「やめなさい!」と、鋭い制止の声が男達の動きを止めます。声の主はジェシカ。ジェシカはヤンに仲間の非礼を詫びます。
今度行われるテルヌーゼンの補欠選挙の運動で、主戦論者のトリアチよりも優勢であったのに、ヤンとトリアチの握手の映像が流れてしまったことで、立場が逆転してしまった。と、語るジェシカ。「だから明日の式典には出て欲しくない」と、ジェシカはヤンに頼みますが、ヤンは「軍上層部からの命令だから断れない」と告げます。
食事をした店を出たヤンとユリアンは、通りかかった路地で喧嘩と遭遇します。喧嘩相手の一方が憂国騎士団と知るや、ヤンはその喧嘩を止めます。負傷している男から行き先を聞き、反戦市民連合本部のビルへ男を送り届けたヤンは、再びジェシカと出会います。
ヤンとジェシカは夜の街を士官学校へと歩きます。そして学校内に潜り込み、1本の木の下で思い出を語ります。「私自惚れていたの。もう一度あなたからダンスを誘われるんじゃないかって。もし誘われていたら踊っていたわ」「ラップが君にぞっこんだったからね」見詰め合う二人。と、そこへ、大きな爆発音が辺りを支配します。
急いで反戦市民連合本部ビルへ向かうヤンとジェシカ。爆破されたビルの前で、二人は候補者のソーンダイクが死んでいるのを見つけます。
式典に出席し、帰る空港で再びヤンは記者団に囲まれます。その時にジェシカが亡くなったソーンダイクの代わりに選挙に立候補すると聞いて、ヤンは静かに空を見上げます。
その後行われた選挙で、ジェシカは主戦論者のトリアチに大差を付けて当選します。テレビで花束を受け取るジェシカの様子を見ていたヤンは「ジェシカ。辛いだろうけど、がんばれよ」と、心の中で呟きます。
それから1週間後、自由惑星同盟軍の最高評議会は同盟軍による帝国領内への侵攻作戦を決定。ヤンの願いとは裏腹に戦火は拡大するばかりであった───。
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第9話 「クロプシュトック事件」
投稿日 : 2001/10/16 23:37
投稿者 久保田r
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銀河帝国の歴史が引き起こした事件の回です。この回を見ていると、華やかな貴族社会の裏で行われる黒い欲望の闘争が貴族を支えていることが分かります。
そして、音楽。パーティの華やかさを演出する音楽に、クロプシュトックの運命を表した音楽など、クラシック音楽を30分の中で巧みに使用しています。「銀英伝」は、映像に合わせて音楽を作るのではなくて、クラシック音楽に映像を合わせるという作りのために、一般のアニメ作品とは作りが若干異なる、と、聞いたことがあります。音楽。それは「銀英伝」のもう一つの顔であると思います。

第9話「クロプシュトック事件」
現在の皇帝、フリードリヒ4世には二人の兄弟がおり、実際はその二人の兄弟が次期皇帝争いをしていたが、それぞれ闘争に破れて死亡した為にフリードリヒ4世が玉座に座ることとなった。この時の皇帝争いで破れた陣営に与していたクロプシュトック侯爵は、社交界から追われ、長く陽の当らぬ生活を送っていたが、パーティーの日、ある決意と共に家の財産であるルドルフ大帝の絵画をブラウンシュバイク公に贈った。
「嫌だ。出たくない」ラインハルトは、ブラウンシュバイク公のパーティに出たくないと本心から不機嫌さを表しますが、キルヒアイスはそんなラインハルトをなだめてラインハルトをパーティ会場に送り届けます。車から降りた時にラインハルトとキルヒアイスはクロプシュトック侯と出会います。ろくに挨拶もせずに立ち去ったクロプシュトック侯を怪訝な顔で見送っていると、同じくパーティに呼ばれてやって来たヴェストパーレ男爵夫人から、今のはクロプシュトック侯であると教えられます。そして「30年以上も社交界から遠離っていたのに、おかしなこともあるものね」とも聞かされます。
パーティ会場で所在なげに絵を見上げていたラインハルトは、フレーゲル男爵と例によって小さな言い争いを始めますが「皇帝陛下がいらっしゃる」という報告で、言い争いはエスカレートせずに終わります。そして、いつの間にかクロプシュトック侯は会場から姿を消します。持っていた杖を置いて。
車の横を通り過ぎたクロプシュトック侯に気付いたキルヒアイスは、「おかしいな。あの老人、確か杖を」と呟き、同時に先ほどのヴェストパーレ男爵夫人の言葉を思い出し、「確かにおかしい」と車を飛び出します。そして、「皇帝陛下は急な腹痛で急遽来られなくなった」という知らせでざわつくパーティ会場の入り口で、「ローエングラム伯を呼んで欲しい」と頼んだ直後、時間7時、会場は大きな爆発に包れます。「しまった!」中へ駆け込むキルヒアイス。「ラインハルト様ーーっ!どこにいらっしゃるのです。返事をして下さいっ!」必死に声を張り上げるキルヒアイスの声に、弱々しく答えるラインハルト。「キルヒアイス」「ラインハルト様!ご、ご無事で」二人は無事の再会に安堵します。
自分の家に戻ったクロプシュトック侯は、杖に仕込んだ爆薬が失敗に終わった報告を家臣より受けます。そして家に火を付け、自殺します。「奴め。自ら火を放ったか」討伐に駆け付けたブランシュバイク公の舌打ちが燃え盛る炎の前で響きます。
銀河帝国の歴史は、飽くなき政治闘争の歴史である。その歴史は、一般に語られることはない───。
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第8話 「冷徹なる義眼」
投稿日 : 2001/10/12 23:34
投稿者 久保田r
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オーベルシュタイン進退窮まるの回。今後最終回までラインハルトの影として、ラインハルト陣営に大きな影響を与えるオーベルシュタインが主役の回。今までゼークトの幕僚であった為に見せ場のないオーベルシュタインでしたが、元帥授与式の日にキルヒアイスに接触したりと、抜け目のなさは所々で表していました。
オーベルシュタインがラインハルト陣営に加わることでこれから色々なことが起きますが、オーベルシュタインを取り入れたことはラインハルト陣営にとって、いえ、ラインハルト自身にとって是であったのか、非であったのか・・・。一つの分岐点とも言える回。

第8話「冷徹なる義眼」
難攻不落と言われたイゼルローンが落ち、帝国内に激しい衝撃が走ります。リヒテンラーデは、事の次第を慎重に言葉を選んで皇帝に伝えますが、皇帝は静かにワイングラスを持つだけで何も言いません。
イゼルローン司令官の中で唯一人生きて帰ったオーベルシュタインは、職務を全うせずに脱出したとして、その責を取らされる立場となります。ラインハルトの元へ現れたオーベルシュタインは、キルヒアイスを退室させ、自らの思いを打ち明けます。義眼を外し、訴えるオーベルシュタイン。「私は、ルドルフ大帝と彼の子孫と彼の生み出したすべてのものを憎んでいるのです」。発言を聞いたラインハルトは、キルヒアイスを呼んでオーベルシュタインを逮捕するよう命じますが、オーベルシュタインは動じず「キルヒアイス中将には丸腰の私を撃てまい。貴官はそういう人だ」とキルヒアイスと自分との違いを語ります。事態を見ていたラインハルトは「言いたいことを言う男だな」と評し、「よかろう。卿を貴族どもから買おう」と約束します。息を飲むキルヒアイス。
イゼルローン陥落の責任を取ろうと、三長官が辞表を提出します。皇帝はラインハルトを呼び出し「どの職が欲しいか」と尋ねますが、ラインハルトは「自分が功績を立てた訳でもないのに、席をいただく訳には参りません」と辞退します。ラインハルトの辞退でお咎めなしとなった三長官は、ラインハルトがオーベルシュタインを自分の元帥府に移したいと希望していると聞いて、苦い顔をしながらも「断る訳にもいかんだろう」と不承不承ラインハルトの申し出を承知します。
ラインハルトの部屋では、キルヒアイスが「オーベルシュタインは危険な男です」とラインハルトの注意の喚起を促します。ラインハルトは「あの男は私を利用しようとしているだけだ。だから私もオーベルシュタインを利用する。オーベルシュタイン一人御し得ないで宇宙の覇権を望むなど不可能だと思わないか?」と言い、キルヒアイスの理解を得ようとします。
キルヒアイスと入れ違いでラインハルトの部屋に入るオーベルシュタイン。ラインハルトはオーベルシュタインに言い放ちます。「私の役に立て」。
庭で薔薇の手入れをしている皇帝のところへリヒテンラーデが訪れます。皇帝はリヒテンラーデの胸の内を看取し、一瞬リヒテンラーデをほっとさせますが、口から出た言葉はリヒテンラーデの思いもよらぬものでした。「よいではないか。余の代で銀河帝国が絶えて悪い道理がなかろう。どうせ滅びるならせいぜい華麗に滅びるがよいのだ」。狼狽え、後ずさりするリヒテンラーデ。皇帝の切り落とした薔薇の花弁が華麗に散る・・・。
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第7話 「イゼルローン攻略」
投稿日 : 2001/10/08 23:20
投稿者 久保田r
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敵の心理をついた作戦に、用兵家としてのヤンの手腕が光った回です。新設されたばかりで、まだ互いの信頼関係が出来上がっていない時期であるのに、自らの作戦を信じ、シェーンコップを信じたヤンが素晴らしいと思います。
帝国でただ一人オーベルシュタインが「ヤンの作戦に乗ってはいけない」と度々上官に申告しますが、これを一向に聞き入れない上官は本当に頭が固いです。
トゥールハンマーを一度発射した後の一連の会話に感動しました。「我々は、提督の下で戦うことを光栄に思います。とても」───この台詞の重み。心に沁み入りました・・・。

第7話「イゼルローン攻略」
損傷した艦を要請通りに入港させたイゼルローン要塞。帝国軍の軍服を着て変装メイクをしたシェーンコップは、大怪我を装って要塞の警備兵に訴えます。「要塞司令官に至急お目にかかりたい!」
一方、反乱軍と交戦中という通信を真に受けて要塞を飛び出した駐留艦隊は、目的の宙域に達した所で、交戦は囮であったと気付きます。急いで要塞へ帰る駐留艦隊。
主砲の射程距離内で1艦ずつ突出しては退くという艦隊運動を繰り返すヤン艦隊の動きを見たシュトックハウゼンは、堪り兼ねて担架の上で寝ているシェーンコップに尋ねます。「あの艦隊運動は何だ?要塞を無力化するとはどういうことだ?」「それは・・・」と、間を取るシェーンコップ。そして次の瞬間、「それはこういうことです。司令官閣下!」と、シュトックハウゼンに掴み掛かります。
遠くから要塞を見守るヤンの旗艦ヒューベリオンでは、ムライがヤンに作戦が失敗した時に起こりうる事態を述べます。ですがヤンは言い切ります。「私はシェーンコップを信じる。これはこの作戦の大前提だ。だから最後までシェーンコップを信じてみることにするさ」
そのヤンの言葉が聞こえたのか、要塞司令官を捕縛したローゼンリッターは、引き続き要塞警備兵の隊長をも倒し、見事要塞占拠に成功します。入港表示が出て次々と入港するヤン艦隊。
要塞の外で事態の動きを掴みかねてただ様子を見ることしか出来なかった駐留艦隊は、同盟軍艦隊が次々とイゼルローンへ入って行くのを見て、ようやく動き出そうとします。しかし、オーベルシュタインは「今は動いてはいけない」と進言します。ですがゼークトは、先刻から自分と反対意見ばかり言うオーベルシュタインに遂に怒ってしまい「もうよい。出て行け!」と、オーベルシュタインを退出させます。
「イゼルローンは完全に占拠した。降伏を勧告する。降伏出来なければ逃げるように。追撃はしない」というヤンの通信に、ゼークトは「死して武人の魂を見せつける」と、返信します。その返答に正直に怒りを覚えたヤンは、ゼークトの乗る指揮艦を狙ってトゥールハンマーを発射。残った帝国軍艦隊は四散して逃げて行きます。
宇宙歴796年5月14日イゼルローン攻略。味方に一人も犠牲を出さなかったヤンを人々は「奇跡のヤン」「魔術師のヤン」と賞賛して迎えます。軍に辞表を出すヤン。ですがその辞表は受理されません。「君の第13艦隊はどうする。彼らはどうなる」シトレの言葉に、返答を詰まらせるヤン。
軍指令部を出たヤンに第13艦隊の乗組員が駆け寄ります。「俺達本当に敬服出来る指揮官のもとで働きたいんです」「辞めないで下さい」。彼らの前を無言で通り過ぎたヤンは、受け取られなかった辞表をシェーンコップに投げ渡します。背を向けるヤンの後ろでシェーンコップの手で破られた辞表が風に舞う───。
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第6話 「薔薇の騎士」
投稿日 : 2001/10/04 23:53
投稿者 久保田r
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いよいよヤンが動き出します。同盟一の知将と言われることになるヤンの最初の重大な任務イゼルローン攻略。過去6度に渡って大軍で押し寄せて失敗しているだけに、中から落とすというヤンの作戦が見せ場となりますが、今回はその前振りの段階として、今後ヤン艦隊に欠かせぬ存在となる主要メンバーの登場が見せ場となっています。
それにしても良いですね。結成式でのヤンの演説。こういう率直な言葉がヤンにはとても似合うと思います。

第6話「薔薇の騎士」
ヤンの家に目覚ましの音が鳴り響きます。「うたた寝を邪魔するものは重罪にする」と寝ぼけるヤンにユリアンの渇が入ります。「今日は、第13艦隊の結成式ですよ!」
結成式の会場では、トリューニヒトが相変わらず熱弁を奮っていますが、肝心の席にヤンの姿はありません。時計を見てそわそわするキャゼルヌ。そこへ、慌てて駆け込んだヤンが登場。
「え〜っと。つまり。祖国のためとか命をかけてとかじゃなくて、旨い紅茶を飲めるのは生きている間だけだから、みんな死なないように戦い抜こう」。ヤンの演説をきいて将兵達は拍手喝采。トリューニヒトはヤンを睨み、キャゼルヌは苦笑します。
ヤンとキャゼルヌが喫茶室でお茶を飲んでいる所へ、ウェイトレスが軍人にお茶をかけてしまうという騒動が起きます。かけられた軍人が少女に凄みを利かせたところへ「少女相手に喧嘩を売るとは情けない限りですな」と、ローゼンリッター登場。軍人から少女を助けたシェーンコップは、「軍の腐敗は、帝国も同盟も同じことだな」と、呟きます。一幕を見ていたヤンは、キャゼルヌへ「ローゼンリッターを我が艦隊へ」と要請します。
ハイネセンを発つヤンの元へ、ヤンの副官となる人物が訪れます。フレデリカ・グリーンヒルと名乗った女性の姓を聞いてヤンは驚きます。「キャゼルヌめ。企んだな」と、苦い顔をするヤン。
イゼルローンを落とすには中から落とすしかない、というヤンの説明に艦隊首脳陣は頷きます。しかし、潜入させるローゼンリッターに問題があるのではないか、とムライは心配します。
「もし私が裏切ったらどうします?」と、問うシェーンコップにヤンは一言「困る」。「私はこの作戦が成功したら退役するつもりだ。私が望んでいるのは、これから先たかだか数十年の平和なのだ」と、語るヤンにシェーンコップは「やってみましょう。永遠ならざる平和のために」と、重大な任務を引き受けます。
イゼルローン回廊に入り込む艦影。迎撃に出るべきか否かを論じる二人の司令官のところへ「反乱軍と交戦中」という通信が入ります。すぐに飛び出すと言うゼークトに、オーベルシュタインが忠告します「敵の陽動作戦かも知れません」しかし、友軍を見捨てるわけにはいかないとゼークトは全艦出撃を命じます。
要塞から艦隊が出撃したところへ、先ほど通信を送って来た艦から再び通信が入ります。「損傷が甚だしく、緊急入港したし」。その要請をシュトックハウゼンは受け入れます。
かくして、ヤンによる要塞攻略作戦は始まった───。
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第5話 「カストロプ動乱」
投稿日 : 2001/09/30 23:28
投稿者 久保田r
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ラインハルトの補佐役に徹しているキルヒアイスの真の実力が示された回。艦隊指揮官となってからもその丁寧な物腰は変わらず、ベルゲングリューン、ビューローに対しても丁寧に指示を下します。キルヒアイスの指揮官振りを見ることが出来るのは数少ないので、貴重な回と言えると思います。
始まってすぐにカストロプが写るので、おんや?と思わされますが、帝国は首都星オーディンだけではないのよ、というこの幅広い設定が「銀英伝」の壮大な世界を物語っていると思います。

第5話「カストロプ動乱」
先の財務尚書であったカストロプは、その職権を乱用し私服を肥していたが、帝国よりその不正に得た資産の返還を求められ、叛乱を企てた。
「名門が滅びるのを見るのは忍びない」というマリーンドルフ伯の説得に、マクシミリアンは全く耳を貸さず、「『アルテミスの首飾り』がある限り帝国など恐れるに足らん」と嘯きます。
現に3000の艦隊がこの『アルテミスの首飾り』の前に破れており、事態を考慮した帝国は、ラインハルトの腹心であるキルヒアイスに「2000の艦隊でもって討伐に当るべし」という勅命を与えます。
討伐に向かう艦の中で、将兵達がキルヒアイスへの不満を洩らします。酒を飲み管を巻くベルゲングリューンを諌めるビューロー。キルヒアイスは動じず、討伐の為の自分の考えを冷静に二人に述べます。
頼みの『首飾り』がなくなることで、そのまま降伏してくれれば良いのだが。と、考えるキルヒアイス。「甘いかな・・・」と、呟くキルヒアイスの脳裏に、アンネローゼとの会話が蘇ります。「私には他に頼る人がいないのです」「お任せ下さい。アンネローゼ様。私に出来る限りのことは、この身に代えましても」。迷いを振り切るように決心するキルヒアイス。「やってみよう。ラインハルト様のために。そして・・・」
見事、キルヒアイスはゼッフル粒子を用いて『首飾り』を破壊します。成功を喜ぶベルゲングリューンは、指揮官席のキルヒアイスを見上げます。「やはり本気か・・・」内心呟くベルゲングリューン。
「この上は無益な抵抗を止めて降伏するよう勧告します。寛大な処置が下るよう私が責任を持って・・・」通信を一方的に切るマクシミリアン。「嘘だ!帝国に逆らった者を生かしておく筈がない。第一生かしておかれた試しがない!」マクシミリアンは死の恐怖から取り乱し、手当りしだいに八つ当たりします。そのあまりの暴君振りに耐えかねた家臣達は、次々とマクシミリアンを刺します。そして「我々は悪逆な支配者から解放された」と、通信を送ります。
結果、戦闘もなく占領に成功したキルヒアイスをベルゲングリューンはこう評します。「真の名将か」
わずか2日の無血占領。その功績への報いとしてキルヒアイスは中将に昇進します。そして、ローエングラム陣営のNo.2と誰もが認めることとなります。
首謀者の血を流してしまったことを詫びるキルヒアイスに、ラインハルトは「あれは今までの帝国の影がカストロプを死なせたのだ。お前が気にすることはない」と気遣います。一礼し、部屋を去ろうとするキルヒアイス。そこへ「キルヒアイス。お前は優しいな」ラインハルトの静かな呟きが・・・。
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第4話 「帝国の残照」
投稿日 : 2001/09/26 23:37
投稿者 久保田r
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ラインハルトとキルヒアイスの深い繋がりを知ることが出来る回。
冒頭の式典のシーンで、オフレッサーのラインハルトに対する嫌悪感や、それを軽く諌めるミュッケンベルガーのやりとりがあり、帝国内でのラインハルトの立場を窺い知ることが出来ます。
そして、チャンスは逃さずという感じでキルヒアイスに近付いたオーベルシュタイン。この接近の仕方や話し方、その内容からただ者でない雰囲気を既に発しています。
そうは言っても、ラインハルトとキルヒアイスの幸せな少年期がこの回最大の見せ場でありましょう。(多分そう。私にとってはそう(笑))。

第4話「帝国の残照」
アスターテ会戦で帝国に大勝をもたらし、元帥に叙されることになったラインハルトは、宇宙艦隊副司令官にも任ぜられ、宇宙艦隊の半数を預けられる身となります。
控えの間で所在なげに佇むキルヒアイスにオーベルシュタインが話しかけます。注意深く見つめるキルヒアイス。その視線を受けたオーベルシュタインは、「用心深い方だ。私はあなた方の敵ではありません」と言って去ります。
武勲を上げたラインハルトは、姉、アンネローゼに会うことを許されます。邸の前に立ち、二人を出迎えるアンネローゼに駆け寄るラインハルト。キルヒアイスは、そんな二人の姿を優し気に見詰めます。見詰めるキルヒアイスの脳裏には、在りし日のラインハルトとアンネローゼと3人で過ごした日々が蘇ります。
ラインハルトとキルヒアイスの初対面。ラインハルトは「ジークフリードか。俗っぽい名前だね」と言って、キルヒアイスを驚かせます。「でも、キルヒアイスっていう名字はいいな。僕はこれから君のことをキルヒアイスと呼ぶことにする」そう言って、握手を交わします。そして、紹介を受けたアンネローゼは、「ジーク。弟と仲良くしてやってね」と、キルヒアイスの赤毛を撫でながら微笑みます。その一言をキルヒアイスは大切に胸に仕舞い込みます。
それから3人は幸せな日々を送りますが、ある日王宮からの遣いがやって来て、事態が一変します。アンネローゼが王宮に上がることになったのです。皇帝にアンネローゼを奪われたラインハルトとキルヒアイス。悔しさに暮れるラインハルトは、堅く決意します。「皇帝を凌ぐ力を手に入れる」と。「一緒に来い」と、キルヒアイスに手を伸ばすラインハルト。キルヒアイスはアンネローゼの姿を思い浮かべ、「うん。それが望みなら」と、堅くラインハルトの手を握り返します。
「何をしている?」というラインハルトの声で現実に帰ったキルヒアイスは、ラインハルトとアンネローゼの元へ近寄ります。「アンネローゼ様がラインハルト様の元へお戻りになるのはそう遠くはありません」と、意志を込めて言うキルヒアイス。「それだけではない。宇宙も手に入れる。そうだな」。誓いを新たに決意する二人の姿がそこに・・・。
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第3話 「第十三艦隊誕生」
投稿日 : 2001/09/22 23:22
投稿者 久保田r
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この回は、アスターテ会戦の後という設定を利用して、自由惑星の内的事情とヤンの人格について触れています。自由という言葉の背景で錯綜する登場人物達の思い。それは、嫌々軍人を勤めるヤンの心情であったり、婚約者を失ったジェシカの心情であったり、自由という言葉を使って君臨するヨブ・トリューニヒトのカリスマ性であったり。この回のお話を見ていると、架空のお話ではないリアルさが伝わって来ます。ここに出て来る会話は、今まさに地球のどこかで交わされているのではないだろうかというリアル感。現実に聞いたことのある台詞だと思ってしまうのです・・・。

第3話「第十三艦隊誕生」
アスターテ会戦戦没者の慰霊祭の式典に呼ばれているヤン。ですが、戦傷を理由に欠席します。そこへキャゼルヌから電話が入ります。会話の途中でヤンは、自分が英雄扱いされていることを知ります。「私は敗戦の将ですよ?」「だからこそ英雄が必要なんだ」と答えるキャゼルヌ。
やるせない表情のヤンにユリアンが自分の進路ついて相談します。軍人になろうと思う、と言うユリアンに反対するヤン。「准将はそこまで軍人がお嫌いなんですか?」という問いに「ああ、嫌いだ。今度の戦争でもっと嫌いになった。出来ればこんな商売からさっさと足を洗いたい」とヤンは答えます。
慰霊祭のTV中継を見るヤンとユリアン。「友よ死を怖れるな。我々は戦おう。自由なる祖国のために!」壇上で熱く弁を奮う国防委員長ヨブ・トリューニヒト。その彼の前に ジェシカが歩み寄ります。「あなたは今どこにいます?私は婚約者を犠牲に捧げました。国民に犠牲の必要を説くあなたのご家族はどこにいます?」強く問い詰めるジェシカ。
その場面をTVで見たヤンは家を飛び出します。ジェシカの今の発言は、過激な国家主義者の集団であり、トリューニヒトの影の軍隊とも言われている憂国騎士団に狙われる、と、ジェシカの身を心配したのです。慰霊祭の会場を出たジェシカに近付く憂国騎士団。そこへヤンはアッテンボローと共に車で乗り込み、ジェシカを助け出します。行き場のないジェシカを自分の家へ連れて帰ったヤンは、待ち構えていた憂国騎士団と相対します。散水器を使って応戦するヤン。やがて消防車が到着し、騒ぎの拡大を恐れた憂国騎士団はこの場を撤退します。そしてヤンは、トリューニヒトの元へ自ら出向いて、ジェシカの身の安全の保証を約束させます。
その後。ヤンはシトレに呼ばれます。少将に昇進。そして新設される第十三艦隊の艦隊指揮官としてイゼルローンを攻略せよ、と。間を置き「微力を尽します」と、静かに答えるヤン。
ハイネセンを離れるジェシカは、別れる前にヤンに礼を述べます。「色々とありがとう」。それぞれの道が離れて行くヤンとジェシカ・・・。
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第2話 「アスターテ会戦」
投稿日 : 2001/09/18 23:10
投稿者 久保田r
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この「アスターテ会戦」は、『銀英伝』本編の始まりとして印象深い会戦なのですが、私は実はOVA本編を見る前に映画「新たなる戦いの序曲」を見ていたので、台詞とか音楽の記憶が映画の方と混ざっている箇所があって、時折(あれ?あのシーンはOVAには入っていなかったんだっけ?)と混乱することがあります(^^;)。
映画は、ヤンとラップとジェシカの関係や、アンネローゼがラインハルトを心配するシーンや、ミッターマイヤー、ロイエンタール、メックリンガーが外された経緯など、会戦に至るまでのドラマが入っています。そして何よりもメインとなるアスターテ会戦が細かに描かれていますので、ラインハルトとヤンの対比をより深く知ることが出来る作品となっています。

第2話「アスターテ会戦」
「全艦隊近接戦闘準備」。ラインハルトの号令が下り、飛び出すワルキューレ部隊。その攻撃を受けた同盟軍の艦は避け切れずに第2艦隊旗艦パトロクロスへ衝突。衝撃でパトロクロスの艦橋が激しく揺れます。艦橋にいた誰もが弾き飛ばされ、その際重傷を負った艦隊司令官パエッタは、気を失う寸前にヤンに託します。「君が艦隊の指揮を取れ」。
「全艦隊紡錘陣型を取れ」。完勝を目指す帝国軍。同盟第2艦隊の中央突破を計ります。だが───。その作戦は、ヤンの知略によって逆手に取られます。「艦隊が私の言う通りに動いてくれれば」と、心配するヤンですが、同盟第2艦隊はヤンの指示通りに”帝国軍に中央突破をさせ、擦れ違い様に逆進し、帝国軍の後ろ”を取ります。歯噛みするラインハルト。彼は全艦隊にこのまま時計周りに進み、同盟第2艦隊のさらに後ろにつくように命じます。
呼吸を合わせて双方戦線離脱。ヤンの元にラインハルトから電文が届きます。この時ヤンは「返信しますか」というアッテンボローの問いに「いいさ。しなくて」と答えます。後にこの時のことを指摘されることになろうとは思わずに。
ラップが戦死し、婚約者を失ったジェシカ。墓地でヤンと会います。「ジャンは戦争に殺された。あなたを恨みはしないけど、あなたの仕事は戦争でしょ」。ヤンの胸に重くジェシカの言葉がのしかかります。心が擦れ違うヤンとジェシカ・・・。
その頃帝国軍首都星オーディンでは、ラインハルトを気遣うアンネローゼが心配気に夜空を見上げていた・・・。

アスターテ会戦へ出兵した兵士の数。帝国軍245万人。同盟軍406万人。戦死者の数。帝国軍15万人。同盟軍150万人。
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第1話 「永遠の夜の中で」
投稿日 : 2001/09/14 23:40
投稿者 久保田r
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先ず「銀英伝」を見るうえで覚悟しなければならないのは、登場キャラクターの多さ。銀河系を2分する勢力、それがラインハルトのいる銀河帝国とヤンのいる自由惑星です。この両国家の間を行き来し利益を得ているのがフェザーン自治領。このフェザーンの存在が、銀河帝国vs自由惑星という図式を複雑なものとしています。この3者に属する軍人、政治家、商人、民間人、etcが物語が進むにつれて続々と登場して来ます。しかも、妙に長い名前で・・・。
登場人物の数が多ければその数に相応しいだけの艦艇数が登場するということで、この第1話からそのスケールの大きさを我々に見せて来ます。帝国軍の艦艇の数2万隻。対する自由惑星の艦艇の数4万隻。計6万隻。画面に収まりきらないほどの艦艇を率いて彼らの戦闘は行われます。

第1話「永遠の夜の中で」
総司令官であるラインハルトのもとに5人の提督が訪れます。4万の艦に囲まれては勝つ見込みがない。撤退せよ、と。しかし、ラインハルトは彼らの主張を退けます。「負けるなど思いもよらぬ。我らが圧倒的に有利な態勢にある」。
一方ヤンは、敵の司令官がラインハルトであると知って、新たな作戦を上官に提出します。ですが、倍の艦で包囲することで勝利を確信している上官は、「何故、今更負けない算段をしなければならないのか」と、その作戦を却下します。
大半の人間が同盟軍が勝つであろうと予測して行われたアスターテ会戦。ところが同盟軍は、帝国軍の各個撃破によりまさかの窮地に立たされます。
第4艦隊が破れ、続く第6艦隊。ヤンと同期の作戦参謀ラップが上官に訴えます。「一刻も早く第2艦隊と合流すべきです」。ですが、ここでも頭の固い上官がその訴えを却下します。「合流するさ。第4艦隊のいる戦場でな」。
第4艦隊の元へと急行する第6艦隊。しかしその行動はラインハルトの予測範囲内の行動であり、無念にも第6艦隊は戦場を移動した帝国軍の攻撃を受けて破れてしまいます。ラップの呟きが胸に響きます。「ジェシカ、ごめん。もう会えなくなった」。ラップの手から零れ落ちるジェシカの写真・・・。
そして戦局は最終局面へと流れます。───ヤンのいる第2艦隊との決戦・・・。という引きで第1話は終了です。
この回では、主要キャラクターが顔見せしています。フェザーンのルビンスキー。アンネローゼ、ミッターマイヤー、ロイエンタール、今回は台詞のなかったオーベルシュタインなど。
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