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「舞台 銀河英雄伝説/第1章 銀河帝国編」
投稿日 : 2011/04/29 16:58
投稿者 久保田r
参照先
2011年4月22日 エイベックス・エンタテインメント

<スタッフ>
原作:田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ
脚本:堀江慶、村上桃子、西田シャトナー
脚本監修・総合監修:田原正利
演出:西田シャトナー
演出プラン:堀江慶
音楽:三枝成彰
舞踊監督・振付:森田守恒
美術:齊藤浩樹
照明:柏倉淳一
衣裳:友好まり子
振付:瀬川ナミ
舞台監督:野村正弘
製作:舞台「銀河英雄伝説」実行委員会(木下工務店/キティ/エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ/ニッポン放送/イープラス)

<キャスト>
ラインハルト:松坂桃李/キルヒアイス:崎本大海/ミッターマイヤー:中河内雅貴/ロイエンタール:東山義久/アンネローゼ:白羽ゆり/ヒルダ:宇野実彩子/オーベルシュタイン:貴水博之/メルカッツ:ジェームス小野田/ラインハルトの父:堀川りょう/フリードリヒ四世:長谷川初範、他
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Re: 「舞台 銀河英雄伝説/第1章 銀河帝国編」
投稿日 : 2012/02/10 14:40
投稿者 久保田r
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 DVDの特典DISCを鑑賞。内容は、各キャストのインタビューと、公演中に行われたアフター・トークと、原作者の田中芳樹先生を迎えたスペシャル・アフター・トークの3つ。

 インタビューは、ラインハルトを演じた松坂桃李さんからスタートし、キルヒアイス役の崎本大海さん、アンネローゼ役の白羽ゆりさん、ヒルダ役の宇野実彩子さん(AAA)、ミッターマイヤー役の中河内雅貴さん、ロイエンタール役の東山義久さん、オーベルシュタイン役の貴水博之さん、メルカッツ役のジェームス小野田さん、ラインハルトの父役の堀川りょうさん、フリードリヒ四世役の長谷川初範さん、そして演出家の西田シャトナーさんの11名。

 松坂桃李さんのインタビューを見て思ったのは、彼はまだまだフレッシュな若者なんだなぁ…ということ。舞台で演じているラインハルトを見ていると、毅然とした表情が堂々としているため、ついそのままの印象でインタビューを見始めたが、インタビューで彼が語っている言葉は、本来の彼自身の等身大の言葉遣いのため、”あ。若い”という印象がすぐに浮かび上がった。インタビュー時の衣装と髪型が、舞台のままだったので、そのためラインハルトの印象と素の松坂桃李の印象との違和感が浮き彫りになったのかも知れない。しかし、くるくると瞳を動かしながら表情を変えて語っている若い彼が、初めての舞台にして主役のラインハルトを堂々と演じた。演じる人物になりきる人目を引く華やかさと魅力を持っていると感じたインタビューだった。

 インタビューは他に、貴水博之さんとジェームス小野田さんの二人が、明るく楽しませようという気持ちの見えるトークで面白かったし、白羽ゆりさんと長谷川初範さんは、稽古を含めた舞台全体を語っていて、流石の貫禄と落ち着きがあってよかった。印象に残ったのは、白羽ゆりさんがインタビューでも「ジーク」と呼んでいたこと。松坂桃李さんは「キルヒアイス」と呼んでいたし、二人ともきちんと役柄とシンクロしているところが好感が持てて良かった。そして、稽古の映像が挿入されていたのもよかった。

 アフター・トークは、舞台の中日に行われたもので、松坂桃李さん、崎本大海さん、中河内雅貴さん、東山義久さん、貴水博之さんの5名。見ていて感じたのは、やはり場慣れしているという点から、中河内雅貴さん、東山義久さん、貴水博之さんが流石のトーク。舞台独特の間と空気の中で3人のトークがとても楽しかった。崎本大海さんもサービス精神のあるトークで楽しかったし、東山義久さんは、変顔がナイス。

 そして、何と言っても当特典DISCの目玉は、原作者の田中芳樹先生を迎えたスペシャル・アフター・トークでありましょう。田中芳樹先生を真ん中に、松坂桃李さんと堀川りょうさんの3人によるトークで、MCの方がファン心理を盛り込みながら進行していたため、嬉しい内容のトークになっていて良かった。田中芳樹先生の声が小さいのは分かるとしても、声の仕事をしていて舞台経験も豊富な堀川りょうさんの声が小さいのは何故なんだ(笑)。普段は抑え気味の声なのかな。というか、全体的に音声がクリアーに拾えていないので聞き取り難いのが少し残念だったのだけれど、そんな音声事情の中で、初代ラインハルトと2代目ラインハルトの「おれは宇宙を手に入れることができると思うか」を聞けたのは、心の底から感動。拍手喝采。
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Re: 舞台「銀河英雄伝説/第1章 銀河帝国編」
投稿日 : 2011/04/29 17:04
投稿者 久保田r
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 2011年1月青山劇場にて上演された舞台「銀河英雄伝説/第1章 銀河帝国編」を収録したDVD。「銀河英雄伝説」とは、田中芳樹さんが生み出した壮大なスケールのSF小説。宇宙を二分する勢力、銀河帝国と自由惑星同盟の戦いを描いており、アニメは本編110話にも及ぶ長編。この他に映画3本、外伝数十話という大作となっている。主人公は、英雄と呼ばれる二人の人物、ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリー。当舞台は、後に銀河帝国の皇帝となるラインハルト・フォン・ローエングラムを主人公とした銀河帝国編。

 「銀河英雄伝説」舞台化の報せを聞いた当初、一体何の冗談かと思った。「銀英伝」と言えば、現在でも数多くのファンを有する超有名作品であるけれども、何故、今の時代に舞台化なのか?が、正直なところ現在でも疑問に思っている点。次に、宇宙空間での戦闘シーンを舞台でどう表現するのか?という疑問点。次に、多数のキャラクターの人生が絡み合う長大なストーリーを舞台でどう表現するのか?というこれらの疑問点が、私の中にあったため。願わくば、この目で舞台を見たかったが、遠方に住んでいるために断念。そして、この度、上演からわずか3ケ月という短い期間で当DVDを観る機会に恵まれた。

 さて、その舞台「銀河英雄伝説/第1章 銀河帝国編」は、私の想像を超える質量とアイデアがふんだんに詰まった大掛かりなセットとなっていて、素晴らしい出来の一言。オープニングの照明の当たるカーテンは、宇宙空間にきらめく星の輝き、または戦艦の輝きを思わせていて良かったし、舞台の空間を上下に分けてラインハルトの過去を表現しているところも良かったし、群舞を効果的に配した演出も表現力があって良かった。アニメでは、クラシック音楽に合わせた映像表現が「銀英伝」の世界観のイメージをより明確なものとしていたが、舞台では、三枝成彰さんの音楽がキャラクターの生み出すドラマを盛り上げ、かつ作品の壮大なイメージを表現していて良かった。

 舞台では、アスターテ会戦からアムリッツァ星域会戦を経て門閥貴族との戦いまでを描いている。大きな戦いで勝利を収めるごとに、より大きな権力と地位を手に入れるラインハルトの人生が描かれており、皇帝と門閥貴族に対する憎しみ、アンネローゼに対する思慕、キルヒアイスとの友情とが多くのキャラクターを交えてドラマチックに演じられている。

 主人公のラインハルトは、若干20歳で絶大な権力を手に入れるという人物で、演じる松坂桃李さんも、22歳という若者。そのため、年齢的に等身大に近い表現となっていて良かったのではないかと思う。いかに”常勝の英雄”と呼ばれるラインハルトであっても20歳という若さ。門閥貴族からは”金髪の孺子(こぞう)”と呼ばれるほどの若さであるので、人間的に成熟し得ない部分があって当然。そういうラインハルトの人間的な部分をも松坂桃李さんの身体を通して演じられていたようにも感じた…が…やはり演技力は、まだ若かったかも知れない。でも、良かった。人間味のあるラインハルトだった。

 私的に感動したのは、長谷川初範さんと白羽ゆりさんと堀川りょうさん。長谷川初範さんは、覇気の無いところにアニメで描かれた皇帝と若干似ている雰囲気を醸しつつも、舞台の終盤に向けては独自の皇帝となっていて良かった。白羽ゆりさんのアンネローゼは、美しかった。発声も美しかったし、立ち居振る舞いも清楚な上品さが表れていて良かった。皇帝とアンネローゼのふたりのシーンは、惹き付ける力あり。長谷川初範さんが倒れるシーンが良かったのはもちろんのこと、「陛下!陛下!」と呼ぶ白羽ゆりさんの声が、一声ごとに表現が増していき、感動だった。堀川りょうさんは、見事!の一言。もしやラインハルトの面影が見えるのではないかといささかの思惑を抱いて観たのだが、ラインハルトの面影は演技にも声にも一切なし。ラインハルトの父、セバスティアン・フォン・ミューゼルを全身で演じてあり、さすがの表現力。

 舞台全体のイメージは、軍服の色合いが暗めなので黒っぽい感じなのだが、その分ラインハルトの"白"と、キルヒアイスの"赤"と、アンネローゼの女性らしい暖かい色合いのドレスと、皇帝の華やかな衣装が鮮やかに映えていて良かったと思う。原作の壮大さに見合った質量と演出が盛り込まれている舞台。感じ入るところあり。
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